ロイヤルハワイアン滞在記
(2000年8月)
2.往復の道のり
自宅−成田空港
UAのチェックインカウンターは、古くからある第1ターミナル。改装工事が終わったので、以前のような繁忙期におけるチェックイン待ちの長大な行列は改善されたらしい。また、そもそも今回は成田−ロスはビジネスクラスなので、チェックインで待たされることはないはず。そこで、箱崎でチェックインする必要はないと考え、空港でチェックインすることにした。空港まで、成田エクスプレスと自分のクルマと、どちらにしようか迷ったが、今回のロス10泊はテーマパーク巡りで、入手する資料(ビデオやスーベニールブックなど)が少なくないため、帰路の荷物はかなり重くなる。そこでクルマにした。
駐車場は単純価格比較で、USAパーキングを利用した。どこかで見つけたクーポン券を使って、夏休み割増料金が付いて、結局16日間で4294円、1日当たり268円だった。往復の高速道路が4300円かかるので、合計すると8594円になる。成田エクスプレスだと自宅の最寄り駅−成田空港は片道3280円。親子3人の往復で×2.5×2とすると16400円となるので、ガソリン代を除いて比較すると、クルマだと約半額になる。値段だけならクルマが安い。
8/3(木)、16時25分のフライトだが、かなり余裕を持って、ビジネスクラス搭乗者が利用できるラウンジも使ってみたかったので、11時半に自宅を出発。所々渋滞し、14時にUSAパーキングに到着。送迎バスで第1ターミナルには14時15分に着いた。所要2時間45分。成田エクスプレス利用だと自宅の最寄り駅から成田空港まで1時間45分くらいなので、徒歩の時間を加算しても、電車の方が早いことになる。
成田空港
新しくなった第1ターミナルは、広々としていて、チェックインの行列はまったくなかった。ショップやレストランも一新されて、新鮮な感じ。私とカミさんはクレジットカードに海外旅行保険が付いているので、娘の海外旅行保険だけ加入した。欲しいのは疾病治療保険だけなので、その他は最低限にして、16日間で3280円。15時過ぎに出国審査を通過し、スター・アライアンスのラウンジであるレッド・カーペット・クラブへ。広くきれいな内装だが、以前のビジネスクラスラウンジと同様に混み合っていて、空席はまばらだった。
運良く10席あるパソコンワーク用のデスクのひとつが空いたので、使ってみた。AC電源の他に電話のモジュラージャックもある。これはもしかしたらと思い、携行していたノートパソコン(ThinkPad 560X)を取り出してつないでみた。通話料無料で03地域のプロバイダーにつながる。これはありがたいサービスだ。メールを何通か受けて、レスを返し、UAのホームページから本日のフライトをチェックした。電話機もあったが、通話料は無料かどうかを試すのを忘れた。
フライト1(成田−ロサンゼルス)
機内の座席はアッパーデッキの16ABG(3人横並び)。アッパーデッキは30席あったが、その中に日本人は私たち3人だけ。そのためか、日本語を話すスチュワーデスはほとんど回ってこなかった。けれども、不思議とそれで何の不都合も感じなかった。年に1回くらいの海外旅行で英語力が上達するわけがないので、私の英語力は相変わらずひどいレベルなのだが、機内では使う言葉が限られているので、このあたりは慣れの問題だと思う。
スチュワーデスの体型は、いつもの通りのUAらしい頼もしい人だけでなく、アジア系の細目の美人もいた。サービスはいつものUA風で、言わないと痒いところをかいてはくれないけど、言えば「もういい、充分だ」と言うまで力一杯かいてくれる、という感じ。コーヒーをガバガバ飲む私は、離陸して1回目の飲物サービスの際にしっかりマークされたようで、以後、こまめに何度もコーヒーを注ぎに来てくれて、チップを上げてもいいくらいだと思った。
夕食のワインは、ナパ・バレーの辛口の白、ロバート・モンダヴィのシャルドネがリストアップされていたので、グラスに2杯ほど飲んでみた。すっきり爽やかで、1本3000円とか5000円で売っているシャブリと同等かそれ以上に美味しいと感じた。
朝食のドリンクサービスの際に、スチュワーデスがカミさんのズボンに飲物を少しこぼしてしまった。たいへん恐縮していたが、普段着のGパンなので本人はそれほど気にしていない。そのおわびに、降機時にロバート・モンダヴィのシャルドネを1本くれた。夕食の際、乗客(ほとんどが白人の男性)は、シャンパンだの赤だの白だのビールだのカクテルだのと、あれやこれやのオーダーで、スチュワーデスはかなり忙しそうに見えた。その中で、私が飲んだワインをしっかり覚えていたということは、もしかしたらビジネスクラス担当のスチュワーデスは、受け持ちの乗客が何を飲んだか全員分を覚えているのかもしれない。
UAのスチュワーデスのほとんどは、若さや細さや美貌ではまったく勝負できないし、体型通りに指が太くてがさつで不器用で、忙しいときは毛布を投げて寄こすとも聞く(さすがに毛布投げだけは、実物を見たことがない)。しかし、足が太い分、体力だけはあり、頼りがいがあるので、私は嫌いではない。それだけではなく、このような気配りもできるとは、驚いた。
ロス空港にはほぼ定刻に到着。到着ロビーに出るのに1時間くらいかかった。機内でゆったり過ごせたので、身体のダメージは少ない。長時間のフライトはビジネスクラスに限ると感じた。レンタカーを借りて、その日の宿へ向かった。
フライト2(ロサンゼルス−ホノルル)
8/13(日)の14時半の便。ロス−ホノルルは国内線なので、気が楽だった。チェックイン時点でたずねたが、ホノルル−成田のアップグレードはまだウェイティングのままなので、ロス−ホノルルはエコノミーに座ることにした。
ロスの空港では、出発ロビーから見える範囲の飛行機が全部UAだった。航空会社ごとにターミナルを分けているので当たり前の話だが、日本では見られない光景で、なかなか壮観だった。
機体は小ぶりでスマートな777、座席は12ABD。予約時に確認したとおり、エコノミープラスという、ややシートピッチが広がった席だった。UAのアメリカ国内線は、機材によってはエコノミープラスが設定されており、同じエコノミークラスでも予約クラスが高い(割引率が低いことが多い)乗客は、エコノミープラスに座れる。近いうちに、国際線でもエコノミープラスが始まるらしい。この機体の場合は、エコノミーの座席の前半がエコノミープラスになっていた。
広がったのは、前後に5インチ=13.5センチ。身長172センチの私の場合、通常のエコノミークラスでは膝が前席にぶつかるが、エコノミープラスでは前席まで膝が届かない。平均身長が180センチくらいはあると思われる白人男性にとっては、大幅な快適性向上だろう。空港でもたくさんのポスターでこのエコノミープラスをPRしていた。
機内では、ハワイへの中間地点を通過する時刻を当てるゲームが実施されていた。機内放送をよく聞いて、離陸した時刻(機内放送はされない)を覚えておけば、だいたいの時刻は分かるはずだが、どういう訳か私の推理は大外れだった。上昇中と下降中で対地速度が異なるのか、あるいは空港近辺でのルートに影響されるのか、ある程度複雑に考えないと正解が出ないようだ。
約5時間半のフライトで、定刻の現地時間の17時ころ、ホノルルに到着。入国審査がないので、あっさりと外に出られれた。とても得をしたように感じた。
ホノルル空港−ホテル
勝手知ったるホノルル空港なので、到着ロビーから一直線にタクシー乗り場へ。私と娘は、柔らかな揺れで乗り物酔いする(船や古いバスに弱い)ので、リムジンではない普通のタクシーで、それもなるべく新しくてサスペンションのへたっていないクルマを狙った。しかし、数台やり過ごしても、そんなクルマは来ない。あきらめて、普通のボロいキャデラックのタクシーに乗った。サスペンションはスコスコだったが、ラッキーにも加速減速は滑らかな運転だったので、車酔いする前にホテルに着いて、助かった。
チェックイン
今回は、レイをプレゼントする係の細く美しい女性がいた。夕方でチェックイン客が多く、忙しそうだったが、荷物運びはポーターに任せて手ぶらだし、やはりこれはパスしてはいけないと思って、先客が終わるのを待った。家族3人、しっかりと首にかけてもらった。小学校4年生の娘がもらったレイは、今回初めて、子供用のキャンディーをつないだものではなく、大人と同じ生花のもの。食べられないレイなので「これじゃつまらない」と言うかと思ったが、意外にも「私も大人と同じレイをもらえた」と喜んでいた。恐るべし、ロイヤルハワイアンのレイ・サービス。どっちを渡した方が喜ばれるか、瞬時の判断なのに、実に的確だ。
フライト3(ホノルル−成田)
ホテルからタクシーでホノルル空港へ。ホノルル空港でのチェックインの際に、アップグレードの希望が登録されているかどうか確認すると「まだウェイティングとなっています。この後は、ゲート係員に問い合わせてください」とのこと。
ゲートで係員に同様に尋ねると「まだ分かりません。アップグレードが可能となったら、新しい搭乗券をお渡しします。放送で呼び出されたら、再度こちらまで来てください」とのこと。
「アップグレードは無理だ」と言われなかったということは、この時点で可能性はまだ残っている、つまりCクラスの座席に空席はまだ残っていると推測した。問題は、その空席をどう配分するかだ。マイルを使ってのアップグレードなので、マイルを使わない(航空会社が主として上級会員にサービスで行う)アップグレードよりは、優先順位が上だろう。しかしわが家は全員、マイレージプラスの平会員なので、上級会員がマイルを使ってのアップグレードを希望したら、そっちの方が優先されるはず。平会員同士の戦いなら、これまでの搭乗マイルや搭乗回数、会員歴の勝負か。こっちは私とカミさんが12年で13往復、ムスメが9年で10往復、短いソウル便や台湾便(今はない)には乗っておらず、6時間かそれ以上かかるフライトばかりなので、けっこう戦えるかもしれない。それ以前に、空席の数にもよる。空席が多ければ、わが家にも回ってくる可能性が高くなるが、少なければ厳しくなる。
いろいろなことを思い巡らしながら、ドキドキしながら待った。搭乗後にアップグレードされることもあるらしいが、それはマイルを使わないアップグレードに限られると聞く。わが家の場合は、搭乗前のゲートでのシートコントロールが、たぶん最終チャンスだ。搭乗開始時刻が迫ってきた。ゲート係員を見つめていると、急に動きが出た。端末を叩いている。マイクを握った。「ノリタケさん、ゲートまで」。やった、呼ばれた。
ゲートに走り寄ると、持っていた搭乗券(34HJK)と引き換えに、新しい搭乗券(13ABG)を渡された。窓際から始まる3人並びの席、素晴らしい。これで今回の飛行機は、全行程ゆったりシート(エコノミープラスを含む)となった。
座席はアッパーシート。コックピットまでけっこう近いので、スチュワーデスに「コックピットの見学をできないか」と尋ねたら、しばらくして、「キャプテンが、成田空港に到着してからならOKとのことです」。着陸しても降機せず待っていたら、コックピットへのドアが開いて、機長が「カモン!」と手招きしている。ムスメを操縦席に座らせてくれて、帽子までかぶらせてくれた。
成田空港
成田空港の到着ロビーの外では、民間駐車場の送迎バスを待つ人たちでごった返していた。特に、最低価格を売り物にしているUSAパーキングがひどく、バス数台分の客が待たされているようだ。続々といろいろな送迎バスが到着するが、USAパーキングのバスだけが、なぜかなかなかこない。何台目になったら乗れることやらと思いながら、送迎バス乗り場の端(真ん中の当たりは入り込む余地がなかった)で立っていたら、10分くらいしてやっときた。この時、たまたま真ん中の当たりには、止められる空きスペースがなかったのだ。そのため送迎バスは、私たちの目の前に止まった。
真ん中の当たりの群衆が、わらわらとこっちに向かってくる。先着順かなとは思ったのだが、列にはなっていなかったし、誘導する係員もいない。そもそもこの混乱の中、誰が先で誰が後なのかは分かるはずがない。ラッキーなこともあるものだと、さっそく乗り込んで運転席のすぐ後ろに座った。予想通り、集まってきた群衆の半分も乗れないうちに満員となってしまった。
このような混乱した状況だと、USAパーキングの客は、バスがどこに止まるか分からないので、不運だといつまでも乗れないことになる。乗り場に整理券を配る係員を1名配置すれば、かなり事態は改善するだろうが、USAパーキングは低価格を売り物にしているので、そのようなことはしたくないのだろう。そもそも、成田空港についての法規制により、そんな人員は置けないことになっているのかもしれない。
値段の高い民間駐車場の送迎バスは、それほど客を待たせず、そして満員にならずに発車していった。サービスの程度は、価格相応ということだ。お金持ちならば、「全車屋根付ガレージでしっかり保管」というようなハイサービス型の民間駐車場にすれば、成田空港で絶望的な気分になることはない。そうでない人の場合は、USAパーキングと似たような価格で、もう少し規模が小さそうなところ、または客の数に比べて送迎バスのキャパシティに余裕がありそうなところが、混雑期には狙い目ではないかと思う。
次の項目 −−− 3.部屋の様子
ロイヤルハワイアン滞在記(2000年8月) 目次
観光地としてのハワイの魅力・調査レポート メニューページ
トップページ