コラム&トピック

LGBT性暴力被害者の実態

浅川浩己(フリーライター)



<LGBT性暴力被害者は、自身の状況を隠す傾向にある>
Q、性暴力被害に遭ったLGBTの人は、どんな困難に陥るのでしょうか?

A、LGBTの性暴力被害者は相談する際に、自分がLGBTであるという
アイデンティティも含めて、現状を正直に言えないことがあります。
例えば、性暴力被害に遭い、うつ状態になって病院を受診したとます。
性暴力被害に遭ったことや、自身がLGBTだということを、病院の先生に伝えない
被害者は多いですね。だから表面的な対応になり、問題の根っこのところへは
支援が届かなくなってしまいます。
結局、回復に時間がかかるLGBT性暴力被害者は多いですよ。
ある事例なんですが、LGBTの性暴力被害者が自身がLGBTだということを
隠して病院の先生に診てもらっていました。自身がLGBTだということを隠して
やり取りするわけですからリアリティがないわけです。
また、時々フラッシュバックが起きて、加害者の声が聞こえたりする。
そうなると、病院の先生からすれば、妄想を話していて、
幻聴が聞こえているように見えているので、統合失調症と診断するわけです。
そのLGBT被害者は、これじゃ根本的な解決にならないと思い、意を決して、
自分がLGBTだと告白しました。
そしたら、病院の先生から、あなたは統合失調症じゃないねと言われたんです。
統合失調症と診断されるLGBTの性暴力被害者は非常に多いです。
言い換えると、根本的な解決の対応をされないLGBTの性暴力被害者は
多いと言えます。
 また、「LGBTが、なぜ性暴力被害について語ることができないのか?」
については、もちろんセクシュアリティ等を語ることの難しさもありますが、
それだけではなく、複合的な要因があります。
特に、同性間、LGBTコミュニティの中で起きている被害に関しては、被害自体が
LGBTコミュニティへの社会的な敵視に繋がることも多く、社会の差別や偏見が、
そのまま当事者たちの声を奪っていることも少なくはありません。


<LGBTの人は、性暴力被害に遭うリスクが高い>
Q、また、LGBTの人は性暴力に遭うリスクが高いとも聞きますが?

A、こちらはアメリカのある機関のデータを調べ、私たちが分かりやすく表に
まとめた図です。
LGBTの人が性暴力被害に遭う割合が高いですよね。
これは「異性を好きになる、異性と付き合うのが当たり前」
という社会的背景も関係していると思います。
例えば、レズビアンの女性の例なんですが、
「女性を好きになるのは、男を知らないからだ」と言われ、男性から性暴力を
受けた人や、LGBTの人は「自身がLGBTであることを周囲に言いづらい」、
そのことを知っている加害者は「LGBTであることをばらすぞ」と脅し、LGBTで
あることを隠している弱みにつけ込んで、性暴力を行う加害者もいます。
LGBTが社会の中で嫌悪の対象になっている、差別や偏見にさらされやすいということも影響して、性暴力に遭うリスクが高くなっている状況もあると思います。





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