ニュース・活動報告

「息子に自首を呼び掛けて」――英国人女性殺害事件容疑者の父親に手紙

 当会会長の小林邦三郎は、英国人英会話講師リンゼイ・アン・ホーカーさん(22)の死体遺棄事件で全国に指名手配されている市橋達也容疑者(28)の父親あてに、息子に自首を呼び掛けるよう依頼する手紙を2007年5月19日付で送りました。

 3月26日に発覚して以来容疑者の足取りは全くつかめず、警察の初動捜査に疑問が投げかけられているなか、いたずらに2ヶ月が過ぎてしまいました。犯人が分かっていながら逮捕されない無念はいかばかりか、同じ未解決事件の遺族としてホーカーさんのご家族の心情を察し、「加害者の親に法的な責任はないが、親としての責任は痛切に感じているはず。勇気を出してご子息に自首をよびかけてほしい」と手紙を送ることを決め、その文面の中で以下の思いを伝えました。

「犯罪行為は自己責任が第一に考えることですが、親の責任を考えずに犯罪を防ぐことはできません。このまま社会から逃げている限り何も解決することはありません。どうか親の責任を感じられているのであれば、勇気を出してご子息に呼び掛けていただけないでしょうか。正々堂々と(息子に)訴えることにより、社会が認め親として生きる権利が生まれる気がします。加害者の親も辛いことを察していながら、ご無礼とは存じますがご遺族のために人の道として勇気ある行動を心からお願い申し上げます。」

 この手紙の写しは国家公安委員長、千葉県行徳警察署にも送付し、犯人逮捕に向けて最善の努力を尽くしていただくよう重ねてお願いいたしました。こうした手紙は前例が無く一部報道の関心を集めましたが、犯罪被害者遺族だからこその願いに、同じ父親として容疑者の父親が応えてくれる日の来ることをじっと待ち続けています。

2007/5/29掲載


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