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【JR池袋駅立教大生殺人事件】遺族が捜査打ち切りを要望

 東京都豊島区のJR池袋駅で1996年4月、立教大4年の小林悟さん=当時(21)が殺害された事件で、悟さんの17回目の命日にあたる16日、被害者の父であり、当会会長の小林邦三郎が、警察庁に捜査の打ち切りを求める要望書を提出いたしました。

 殺人など凶悪事件の公訴時効は、2010年4月の法改正により撤廃され、悟さんの事件も対象となり、公費懸賞金捜査(300万円)も継続されていました。父親の小林は時効撤廃を求める活動を続けながらも、法の下での命の平等を訴えており、遡及(そきゅう)の問題から法改正前の事件の時効も撤廃されることに当初から反対し、今回、平成24年度の公費懸賞金捜査を辞退し、さらに今後の捜査打ち切りを願い出ることを決断しました。自らの主張が論議の対象となることを願っております。


司法記者クラブで会見する両親
 小林は同日午後に記者会見し、「後から法律を作って何でもできることになれば、法を守ろうとする意識が失われてしまう。親としては犯人を捕まえてほしいが、日本という国家のため、よりよい日本社会をつくるため苦渋の決断をした」と話しました。この決断の背景には、被害者感情により法を歪めてしまうことへの疑問があります。その生命の権利は亡き本人にある、それを意識しなければならないという想いがありました。

 殺人事件の時効が撤廃された今、犯人の罪が消えることはありません。また遺族の苦しみも消えることはありません。しかし犯人を捜して長年闘ってきた両親は、捜査証拠として眠っている息子の遺品の返却を求め、その魂とともに静かに生きていくことを望んでいます。今、この瞬間も新たな犯罪は起こっています。早期の犯人逮捕につながる捜査体制を実現できるよう、警察庁に要望いたしました。

 この度の小林邦三郎による要望の要旨は9項目に及びます。詳しくは、警察庁に提出した要望書を公開しておりますので、御覧ください。

「池袋駅立教大生殺人事件-捜査打ち切りに関する件」(PDF形式:103kb)

2012年4月22日掲載


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