ゴム動力模型飛行機ホームページへ

中立点(全機空力中心)と静安定余裕

飛行機の縦の安定の目安として水平尾翼容積比が使われますが、より正確な物指しは縦の静安定余裕です。ここではその静安定余裕とそれに密接に関係する中立点(np: neutral point, 全機空力中心)について説明します。
モデル機は主翼翼弦c: 4cm、モーメントアーム(主翼空力中心acwから水平尾翼空力中心actまでの距離22cm、重心位置cgは主翼翼弦75%(acwから2cm)、機体重量11g重のグライダーです。主翼揚力10g重、尾翼揚力1g重で機体重量を支える様滑空調整されています。

(実は重心位置が決まると主翼と尾翼の揚力負担割合は決まってしまいます。滑空調整されているといいましたが、主翼と尾翼の取り付け角差を調整して好みの主翼揚力係数と滑空速度を選べます−ある範囲内ですが。この件は別の話題−未完。)

以下、主翼・尾翼の揚力負担は同じに保ったまま水平尾翼の面積を変え(尾翼の取付け角、従って揚力係数を調整して)、その場合のnpと静安定余裕の変化を見てみます。

揚力L=(1/2)・ρ・Cl・S・V^2 (但し、ρ:空気密度、海水面で1.225kg/m^-3、Cl:揚力係数、S:翼面積、V:飛行速度)

尾翼揚力変化に関与するパラメータ
(揚力変化の構成要因)














水平尾翼面積/主翼面積 尾翼揚力変化 中立点位置 静安定余裕
1.00 1.00g 7.33 1.33
0.50 0.50g 4.40 0.60
0.29 0.29g 2.80 0.20
0.20 0.20g 2.00 0.00