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02223/03119 松本允介 p:カタパルト用ゴムの比較
( 8) 96/02/11 20:50 02118へのコメント
伊藤さん 皆さん こんばんは
>>私も当時同じ射出速度になればいいのだから,ゴムの性能自体よりも条数や長さの
方が関係するのだろうと理解しましたが,その速度が得られないほど性能が悪いと
いうことでしょうか?確かにゴムの縮むスピードより速くは射出できないと思いますが。
紙飛行機という負荷が有るのでゴムは自由には縮めない、ゴムが飛行機を加速しな
がらつまり仕事をしながら縮みます。この仕事の総量がゴムの放出エネルギーであ
り、同時に飛行機の吸収エネルギーで、これは(1/2)MV^2の運動エネルギーに変換
されます。このVが飛行機のゴムから離れた時の速度です。つまりゴムの放出エネ
ルギーが大きいほど、また機体の重量Mが小さい程、紙飛行機の速度は大きくなり
ます・・・以上、釈迦に説法・・・。
ゴムのサイズが規定されている競技の場合はよいゴムを使ったほうが有利といえます。ただ遊ぶのならプアーなゴムでも量を増やせば良さそうですが、灰色ゴムの単位
重量当たりエネルギーはTAN IIの丁度半分ですから(直前の発言参照)、同量のエネ
ルギーを放出するには2倍のゴムが必要です。TAN
IIの1ループに対して2ループ相
当量のゴムです。次の問題は灰色ゴムのの張力カーブです。TAN
IIループの最大張
力は断面積約3.2mmx1.2mmx2=7.7mm^2で4.7kg、一方灰色ループの最大張力は断面積
1.25mmx1.25mmx2=3.1mm^2で 2.8kgです。同一エネルギーを得るために断面積をTAN
IIループの2倍(7.7x2=15.4mm^2)にすると灰色の最大張力は2.8x15.4/3.1=13.9kg
になります。つまりTAN IIに対抗するには14kg引っ張る必要がありますが、これは
機体強度、グリップ、腕力、どれから見ても無理でしょう。
では断面積は押さえて、ループを長くするのはどうでしょう。灰色は98/12.3=8倍
伸びますから、腕を伸ばした時の長さ150cm/8=19cm以上のループは意味がないので
これもダメです。
さらに張力カーブが98cmから82cmまで急激に低下して、そこから24.6/2=12.3cmま
では張力がほとんど無いのも好ましくない様な気がします。なだらかな張力カーブ
でスムーズに加速した方が機はきれいに上昇する様です。
以上、紙飛行機カタパルト用にTAN IIを推奨している様に聞こえますが、それが真
意ではありません。今日、半年ぶりにグリーンパークに出現したhimamuraさんのコ
メントを引用しておきます。「TAN IIで調整の完了した黒田型の直線上昇機を打ち
上げると、そのまま視界没になる。危険なので推奨出来ない。」
私も基本的には同意見です。使うとしても機首をゴムで保護するなどの安全対策が
必要でしょう。
松本允介