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F1B世界選手権者A. ANDRIUKOVの公開書簡 (1997年9月9日Nifty会議室投稿)

皆さん 今晩は。
世界選手権F1B優勝のAlexander Andriukovの公開書簡がSCAT(Southern California Aero Team)のホームページに掲載されています(http://www.mmb.com/TM/E6380T619)。

内容は
「自分は年ワールドカップのF1Bの世界選手権者となっているが、どうも具合が悪い。本当の優勝者はスウェーデンのBror Eimarである。・・・」からはじまり非常に興味深いゴムのデータが出てきます。

According to my test, the specific energy of the best modern TAN-2 rubber is about 1840 kg * m per kg. The best of TAN-1(before 1993) rubber had 1500. Pirelli rubber (before 1982) had1300. It is easy to calculate that the model, flying now 8minutes would fly only five minutes 39 seconds using Pirelli. Best models of 1980 could fly about four minutes forty seconds.
どれも最良のゴムのデータですが、TAN-II:TAN-1:ピレリの性能比

TAN-II TAN-1 ピレリ
1840 1500 1300 (kg*m/kg)**
1.42 1.15 1.00
1.23 1.00 0.87

です。なおピレリは1981年以前です。
(**1840kg*m/kgなら1kgのゴムに1kgの物を1840m持ち上げるエネルギーを蓄積できる。kgをgと書いても同じ。)

「順位が狂ったのはあまり飛び過ぎて計時員が双眼鏡で見ても見失ってしまったからで、これは最近良くあることだ」と言っています。言い換えれば優勝は飛行機の性能よりも計時員と双眼鏡の善し悪しで決まると言うわけです。
結論として
「双眼鏡で見失わない様に最大飛行時間を5分程度におさえる必要がある。TAN-IIの35グラムでは8分は飛ぶのでゴムを20 - 25グラムにする。」ことを提案しています。
..................................................................................................................................
以下投稿原文
05177/05278 松本允介 r:F1B世界選手権者A. ANDRIUKOVの公開書簡
( 8) 97/09/09 16:33 05132へのコメント コメント数:2

a:A-dynamics c:C-Line e:Engine g:General h:HLG p:Paper r:Rubber s:Scale t:Tow

皆さん 今晩は。
世界選手権F1B優勝のAlexander Andriukovの公開書簡が
SCAT(Southern California Aero Team)のホームページに
掲載されています(http://www.mmb.com/TM/E6380T619)。

内容は
「自分は1997年*のF1Bの世界選手権者となっているが、どうも具合が悪い。
本当の優勝者はスウェーデンのBror Eimarである。・・・」
(*英文では1997年とすべき所を1996年と間違えています。)
からはじまり非常に興味深いゴムのデータが出てきます。

>>According to my test, the specific energy of the best modern
>>TAN-2 rubber is about 1840 kg * m per kg. The best of TAN-1
>>(before 1993) rubber had 1500. Pirelli rubber (before 1982) had
>>1300. It is easy to calculate that the model, flying now 8
>>minutes would fly only five minutes 39 seconds using Pirelli.
>>Best models of 1980 could fly about four minutes forty seconds.
どれも最良のゴムのデータですが、
TAN-II:TAN-1:ピレリの性能比
TAN-II TAN-1 ピレリ
1840:1500:1300 (kg*m/kg)**
1.42:1.15:1.00
1.23:1.00:0.87
です。なおピレリは1981年以前です。
(**1840kg*m/kgなら1kgのゴムに1kgの物を1840m持ち上げるエネルギーを
蓄積できる。kgをgと書いても同じ。)

「順位が狂ったのはあまり飛び過ぎて計時員が双眼鏡で見ても見失ってしまった
からで、これは最近良くあることだ」と言っています。言い換えれば優勝は飛行
機の性能よりも計時員と双眼鏡の善し悪しで決まると言うわけです。
結論として
「双眼鏡で見失わない様に最大飛行時間を5分程度におさえる必要がある。
TAN-IIの35グラムでは8分は飛ぶのでゴムを20 - 25グラムにする。」ことを
提案しています。

松本允介

05180/05278 松本允介 r:re「F1Bのゴムを25gに削減する案」
( 8) 97/09/10 15:54 05178へのコメント コメント数:1

a:A-dynamics c:C-Line e:Engine g:General h:HLG p:Paper r:Rubber s:Scale t:Tow

JUGEM^2さん 皆さん 今晩は。

>>GPでお見せした、Aeromodeller誌の記事の「F1Bのゴムを25
>>gに削減する案」の出所は、当該公開書簡みたいですね。
多分記事のソースは本年5月の行われたFAIのAEROMODELLING COMMISSION (CIAM)の
Free Flight Technical Meetingでの議論だと思います。公開書簡はCIAMにも送ら
れています。
実は、同じくSCATのホームページにCIAMの出席報告が有りました(http://www.mmb.
com/TM/E6381T619)。中身が細かいのでJUGEM^2さんにe-mailしましたが、届いて
いませんか。

>> 渡辺敏久氏の「最新 模型飛行機の事典」(1955)によると、ゴムの蓄積
>>エネルギーは41〜62*10^3g−cm/g、切断係数は4〜6です。
>>
>>小池勝さんがKFC通信に掲載した初期のFAIゴムが80*10^3g−cm
>>/g程度と記憶しています。切断係数は8位だったようです。
>>
>>それに比べると、TAN2の1800g−m/g(180*10^3g−cm/
>>g)は、ゴムの重量を3倍くらいにしたようなもので、飛ぶのは当たり前です。
TAN-IIは最良の物(通称キューピー、magic 93 rubberとも言うようです)との比
較ですが、初期のTANのデータが悪過ぎる印象です。
袋もののキットに入っている国産ゴム、かつてのFAIの黒いゴムと現在のTAN-II
での私たちサンデーフライヤーの実感とこれらの数値は大体一致します。

>>40年間の機体の空力的性能向上率が、(8分/4.5分=178%)と言うの
>>が妥当かどうか、もう少し分析してみる必要がありますので、これは保留してお
>>きますが、気になるのはモーターランです。
蛇足ながら、プロペラ周りのdelayed startや可変ピッチなどの細工、可変表面
翼(これは空力的性能向上の範疇ですか)、サーマル検出技術の進歩、サーマルに
自動接近する設計なども性能向上に寄与しているのでしょう。ところで1960年台
に日本ではモントリオールストップは普及していたのでしょうか。ゴムのこぶを
防げるので滑空時の重心位置が確定し、これも滑空性能の向上に寄与していると
思います。

>>級と1/2A級の比較)過度の高速上昇は、速度を維持するための空気抵抗が大
>>きく、効率が悪いのです。だから、ゴムのエネルギーが増えた場合、モーターラ
>>ンが比例的に長くなってもおかしくないと思います。しかしながら1分以上回し
>>ているのでしょうか。
可変ピッチプロペラはそれへの対応でしょう。
先週末はまだ大宮田んぼは使えなくて今度の連休は微妙なところですが、モータ
ーランの現状を今度の週末でもグリーンパークで情報集めをしてみましょう。

松本允介

05186/05278 松本允介 r:F1B優勝者Alex Andriukovのゴム等の諸元
( 8) 97/09/12 16:45 05180へのコメント

a:A-dynamics c:C-Line e:Engine g:General h:HLG p:Paper r:Rubber s:Scale t:Tow

JUGEM^2さん 皆さん 今晩は。

>>先週末はまだ大宮田んぼは使えなくて今度の連休は微妙なところですが、モータ
>>ーランの現状を今度の週末でもグリーンパークで情報集めをしてみましょう。
と思っていたら
世界選手権米国チームマネージャーの報告(http://www.mmb.com/TM/E14816T145)
にF1B優勝者Alex Andriukovのゴム等の諸元が出ていました。

ゴムはTan-II July 1997、26条、525回巻き、モーターラン53秒
機体は全日、彼の標準短翼機、フライオフ時は2分旋回に調整

松本允介(QWE01503/matsumoto@aic.or.jp)

05179/05278 松本允介 r:「A. ANDRIUKOVの公開書簡」訂正
( 8) 97/09/10 15:53 05177へのコメント コメント数:1

a:A-dynamics c:C-Line e:Engine g:General h:HLG p:Paper r:Rubber s:Scale t:Tow

皆さん 今晩は。
昨日の私の発言、表題と最初の2節を以下の通り訂正します。

>>F1B世界選手権者A. ANDRIUKOVの公開書簡
1996年F1Bワールドカップ優勝者A. ANDRIUKOVの公開書簡

>>世界選手権F1B優勝のAlexander Andriukovの公開書簡が
>>SCAT(Southern California Aero Team)のホームページに
>>掲載されています(http://www.mmb.com/TM/E6380T619)。
>>
>>内容は
>>「自分は1997年*のF1Bの世界選手権者となっているが、どうも具合が悪い。
>>本当の優勝者はスウェーデンのBror Eimarである。・・・」
>>(*英文では1997年とすべき所を1996年と間違えています。)
1996年F1Bワールドカップ優勝者Alexander Andriukovの公開書簡が
SCAT(Southern California Aero Team)のホームページに
掲載されています(http://www.mmb.com/TM/E6380T619)。
内容は
「自分は1996年F1Bワールドカップ優勝者となっているが、どうも具合が悪い。
本当の優勝者はスウェーデンのBror Eimarである。・・・」

早とちりで皆さんに御迷惑をかけました。
今朝もう一度、書簡を確認してみたら、投稿の日付が5月8日になっています。
それでは1997年の世界選手権のまでですから、もう一度読み返してみて
私の勘違いに気づきました。
書簡では"World Cup winner in F1B 1996"とあるのを、A. Andriukovが
世界選手権で優勝したのが頭にあって勝手に"1997 World Championship
winner in F1B"と解釈したのが間違いでした。
World Cupと言うのは毎年実施されていて、それは全世界の主要な競技会
の成績を集めた総合成績で決められているようです。書簡を読み返して
見ると、トラブルは米国のSierra Cupのフライオフで起こったようです。
証拠として、Eimarの機体が本人のよりも遠い所に着地していたのをあげ
ています。

松本允介