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サーマルを捕捉する機体  投稿者:松本@GPF 投稿日:12月21日(水)16時59分9秒

私はサーマルについては実践よりももっぱら勉強です。以下はNiftyの模型フォーラム(FF&CL)に96/01/29に投稿したもの、この掲示板向きに編集しました。内容はNFFS Symposiumの1990年版所載のものの私なりの要約です。議論のたしになればと再投稿します。

サーマルの構造は中央が上昇風、周囲が下降風のドーナツ状と思われます。(なおドーナツは全体として上昇しているため、周囲の下降風も相対的なもので、その部分も対地速度は上昇と考えて良いと思います。サーマルの影響外の場所はサーマルの上昇分を補償するため、全体として非常に弱い下降風になっているのでは無いでしょうか。)
このドーナツの部分は丁度原爆のきのこ雲の様な形(事実あれは巨大な上昇気流だと思います)で、ドーナツの心に向かって上昇速度が徐々に上がっています。ドーナツが段々太って、中心のすきまが無くなったものを想像した方が良いかも知れません。

文献によれば正の上昇速度勾配に向かって機が進入すると機は加速されます。逆に上昇速度が徐々に下がっている方向に機が進めば機は減速されます。この理屈が私には今一つ理解出来ませんが、これを前提に話を進めます。サーマルの外周から中心に近づく時は上昇速度勾配は正、離れる時は負です。

右旋回滑空に調整された右翼取り付け角が大きい機を考えます。この機の滑空速度が通常より上がると左翼よりも右翼の揚力の増加が大きいため右翼持ち上げ、左へ横滑り、機首左転向のステップで旋回半径が通常よりも大きくなります。つまり直線飛行の傾向になります。滑空速度が通常より下がると逆に旋回半径が通常よりも小さくなります。

この様な機が上昇気流のドーナツの付近を旋回している状況を考えると、機がドーナツの中心に向いた時は直進傾向(旋回半径増大)でドーナツの中心に近づき、中心から遠ざかる場合は旋回半径が小さいのでドーナツの中心から離れる距離が減少します。この様子はコイルスプリングを横にずらして押しつぶした様子に似ています。

この過程が繰り返されると機はサーマルの中心に徐々に近づき、最後にはサーマルの中心を旋回し続けることになります。

この原理のゴム動力機(に限定の必要なし)サーマル捕捉能力は日本でも「こうすれば飛ぶ模型飛行機」の勝山彊さん他が確認済です。

ここからは2005年の作文です。
サーマルに近づくと機速が上がるのはUコンと鳥人間の有名人、佐々木正司さんによればイェーツ効果と言うそうです。機がサーマルの中心に向かうとき上向きの空気流があるため翼には斜め下方から空気があたる、したがって翼の迎角が大きくなり縦安定回復作用が働いて機首を下げ、これにより加速と今では理解しています。機がサーマルの中心から外れるときはこの逆がおこりますから縦安定不足の模型は失速の可能性ありでしょうか。
本物のグライダーでも上記と等価なサーマル探しをしていると当時佐々木さんからコメントがありました。