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高速時頭上げのメカニズム 投稿者:松本@GPF 投稿日:12月26日(月)21時46分43秒


全く、小池さんのご高察の通りだと思っています。不思議なことに今まで高速飛行時の宙返りのメカニズムのまともな説明を見た事がありません。
私なりに現象を詳しく記述して見ます。
高速時に主翼と尾翼の揚力は同時に増加し、前後のバランスを保ちながら上昇する。そのために主翼・尾翼に上方からの空気流が加わる。これにより両翼の迎角が減少して(滑空時などの頭下げの時と同様に)姿勢を回復するためのモーメント、つまり頭上げのモーメントが発生する。機は上昇角を上げて前進を続けるが速度が滑空速度を超えている限り過剰揚力は発生するので頭上げは継続する。
縦安定が大きい機体は頭上げの程度が大きいので頭上げ失速や宙返りの危険が大きくなります。縦安定の程度が適切な場合、頭上げは緩慢で危険な姿勢になる前に定常滑空速度になってくれるのでしょう。
上の説明に重心位置は出てきません。したがって重心位置に関わらず高速時の頭上げの共通のメカニズムと言えるでしょう。
余談ですが、この問題にがらみで実機のパイロットに「エンジンの出力を上げたとき、飛行機の動きはどうなるか」質問したことがあります。回答は機首は上げずに上昇に転ずるとのことでした。