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これもヘリコプター 投稿者:松本@GPF 投稿日: 7月 5日(水)16時40分16秒

写真は一見水平尾翼のない模型飛行機に見えますが、実はゴムをフル巻きにすれば80m以上上昇するヘリコプター、スカイスクリューのスチレンペーパー版です。McCombs説「垂直上昇には方向安定0が必要、方向安定の量に見合った最大上昇角がある」を定性的にでも確認しようと作ったものです。夏休みに近所の子供などに作ってやるのにも手軽です。

設計上の注意点は別途まとめますが、写真のモデルは非常に素直に垂直上昇します。
垂直尾翼がない場合の垂直上昇調整のポイントは
1 尻振りや蛇行などダッチロール気味のときは主翼の重心位置を前進(翼を後退または機首に重り)
2 上昇の途中から垂直上昇の進路がそれて墜落に向かうスパイラルダイブ気味のときは主翼の重心位置を後退(翼を前進または機尾に重り)
の2点です。このモデルは垂直尾翼なして、主翼の前縁から10%付近に重心をおいて垂直上昇します。

4cm幅の垂直尾翼をつけ、高さを徐々に切り詰めながら上昇を観察しました。
4cmx4cm、25x12m回巻き、25x25回巻きともに手元で上昇角20度前後のスパイラルダイブ
3.75cmx4cm、ほぼ同上
3.5cmx4cm、25x12m回巻きではやや高度をとりスパイラルダイブ、25x25回巻きでは40mほど急角度で上昇の後スパイラルダイブ
3.25cmx4cm、25x12m回巻きでは最後まで直線上昇、25x25回巻きでは上記より更に高度をとった後スパイラルダイブ
3cmx4cm(写真はこの状態)では何れの巻き数でも最後まで直線上昇。
(なお垂直尾翼容積比は最終値を計算すれば17.7*3*4/(6*14*14)=0.181です。)
「垂直尾翼面積が小さいほど上昇角が大きくなり、ついには直線上昇が可能になる」とこの例では言えると思いますがいかがでしょう?
通常の模型飛行機と異なり、螺旋不安定の傾向が見えると必ず墜落しています。これは上反角効果が全くないためと思われます。上反角の小さなスケールモデルでも類似の傾向はある様です。

垂直尾翼の無い場合は動力が弱って上昇が止まると激しい尻振り、動力が尽きるとスパイラル急降下ですが、垂直尾翼をつけると急角度ながら滑空します。

このモデルの諸元:
プロペラ直径15cm、ゴム旧Tan3.2mm約2グラムループ、胴体4mmx5mmx30cmバルサ、後部ゴムフック虫ピン、主翼1mm厚スチレンペーパー6cmx14cm、主翼翼台4mmx2mmバルサ、機体重量5.5グラム、ゴム旧Tan3.2mm約2グラムループ、最大巻き数25x25=625

体育館などで飛ばす場合はゴムの量を減らす必要がありますが、その場合は1.5mm径アルミ腺で長い「コメタル」をつくり、ゴムと後部フックの間を埋めるといいでしょう。