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尾翼過大の簡単チェック方法
(06-06-17, 18)

主翼の上反角の量に対して垂直尾翼の面積が不足すると螺旋不安定の傾向が出てきます。プロペラのトルクが大きい上昇の初期に機首が上を向かずに低空を旋回し、動力が弱くなると上昇に転ずる(はいずり)が典型的ですが、極端な場合にはスパリラルダイブ(螺旋状に地面に向けて降下)に入ります。

実際にテスト飛行をして高トルク時の上昇が悪いとき、垂直尾翼が過大かどうかを簡単にチェックする方法を紹介します。この方法は被覆胴には適用しずらく、ライトプレーン専用です(HLGはカタパルトグライダーには使える)。方法は非常に簡単で垂直尾翼面積の約1/4程度の薄い垂直「首翼」(バルサやスチレンペーパー)を写真の様に機首に貼り付けます。垂直首翼は垂直尾翼の働きを打ち消す様に働くため(註)、過大のチェックが出来る訳です。このて飛行を試みるのです。これで症状が改善されたら、重心から首翼までの距離(例15cm)と重心から垂直尾翼までの距離(例30cm)の比率を勘案して垂直尾翼を減らせば、丁度よくなります。例の場合は尾翼側のモーメントアームが首翼側のモーメントアームの2倍になるので首翼面積のほぼ半分だけ尾翼面積を減らせばよいことになります。

ゴム動力機の適正な垂直尾翼面積の目安として勝山彊訳「こうすれば飛ぶ模型飛行機」の原著者Willian McCombさんは垂直尾翼容積比0.035を上げていますが、実際に計算せずに作ってみると尾翼が過大になるのが普通です。 illian McCombさんは垂直尾翼面積が過小な場合の現象:ダッチロールの手投げによる確認方法も提案していますがそれは別途。

カタパルトグライダーでは垂直尾翼が過大で縦の安定が大きすぎると頭上げが強すぎで宙返り気味になり高度が稼げません。
垂直尾翼の過大チェックも思いついてカタパルトグライダーでやってみたらうまく行きそうなので急遽追加します。垂直尾翼の場合と同じく機首になるべく近いところに水平の平板(水平首翼?)を貼り付けます。うまく行ったときの補正は垂直尾翼の場合と同じです。(重心位置が33%付近にない場合は水平尾翼の面積を減らすと縦(滑空)の釣り合いが変化しますからうまく行かないかもしれません。)








(註)右前方から風が当たると垂直尾翼は機首を右に振る働き、垂直「首翼」は機首を左に振る働きをし互いに効果を打ち消します。