JR中央線の飛び込み事故防止プラン
(PART W)

提案日:2005年5月17日
更新日:2005年5月20日


具体案

 1.電車の改良

プラン−A.電車の色変え

現在のオレンジ色から、飛び込んだら血まみれになった状態がしっかり目立つ色に変更する。

たとえば白、淡い黄色、淡いブルー、淡い緑色など。しかし、他の路線で使われている色は使えないので、とすると白しかない。

また、近づきたくない、さわりなくない色にすることも効果的と思われる。たとえば毛虫色、ゴキブリ色、毒蛇色などだ。


<毛虫色に近い参考例−−−埼京線 ただし埼京線での飛び込み自殺の多寡については不明>

プラン−B.電車の形状の変更

電車の形状、特に先頭車両の先端部を、「自殺には不向きだ」と思わせるような形に変更する。

とたえばスカート部がとげとげにになっていれば、飛び込んだら電車にはね飛ばされるのではなく串刺しにされそうで、その方が痛そうな感じがする。「一気に死ねるのではなく、じわじわと長い時間苦しむことになりそうだ」と感じれば、非計画的自殺志望者ならば思いとどまる者が多少はいるだろう。

プラン−C.電車の清掃頻度の変更

プランAが実現したら、さらに飛び込んだ先頭車両はしばらく清掃しないことにしておくと、「あの電車は誰かが飛び込んだ電車だ」ということがよく分かり、その血しぶきのかかり方から悲惨さを効果的にアピールできる。

しかし逆に、「類は友を呼ぶ」というように、その血しぶき模様が自殺志望者を誘引してしまう可能性もある。そのためこのプランは、まず限定的に実施して、その効果を測定した上で全面展開としていく必要がある。

 2.広報宣伝

プラン−D.「損害賠償額紹介」駅貼りポスター・車内吊り

飛び込み1回で、JRの損害は少なくて数千万円、多い場合は1億円を超えるらしい。それが遺族に請求されることもあると聞く。しかしこのことは、ほとんど知られていない。

そこで、駅貼りポスターや車内吊りで、この損害賠償額の高さをアピールしていく。キャッチフレーズは、たとえば「飛び込み1回、8000万円」、「飛び込んでも、生命保険金は遺族には残りません」など。そのことを証明する参考資料として、最近の飛び込み事故の損害額一覧表も掲載する。

プラン−E.「損害賠償額紹介」その場で車内放送

プランDと同じ内容を、車内放送を利用してアピールする。

たとえば、最近の飛び込み事故発生地点を通過する際に「先日、○月○日にこの場所で飛び込み自殺がありました。この件でJR東日本は遺族の方に8000万円を請求しました。遺族の方は、自己破産に追い込まれました」などと、リアリティ豊かに実際の事例を紹介すれば、「飛び込みはやめよう」と思わせる力が大いにある。

プラン−F.「飛び込み遺体紹介」ホームページ

飛び込んでバラバラになった悲惨な姿の遺体を、ホームページ上で実物写真で紹介する。JR東日本またはその関連のホームページでは掲載しにくいので、作者の素性が分からない匿名サイトを開設する必要がある。

掲載する写真は、JR東日本関係者や警察関係者しか撮影できないアングルのものであると、関係者からの流出が発覚してしまうため、ホーム上や線路脇など、一般の人が立ち入れる部分から撮影したものだけを使用する。開設後は、一般の人からの投稿写真も広く募集する。

 3.施設及び運営の改良

プラン−G.監視員の大量配備

飛び込みそうな場所は限定されている。そこで、中央線の全駅でホームの両端部及び中央部に監視員を配備するとともに、すべての踏切でも監視員を立たせる。

飛び込み事故が発生しやすい曜日や時間帯が特定できれば、効率的な監視態勢を敷くことができるが、これまでのデータではそれは不可能と思われる。そのため、このプランの実施には膨大な予算がかかる。

プラン−H.励まし員の駅への配備

駅で自殺する者は、駅に入場しホームに向かうまで、うなだれて暗い表情をしているものと思われる。胸を張って階段を駆け上がっていくとは思えない。そこで、駅の階段部分に励まし員というスタッフを配備し、暗い表情をしている利用客がいたら追尾し、ホーム上で両端部へ向かうなどの前兆行動を始めたら、すかさず励ましの声をかける。

励ましのセリフは、これから自殺しようという気分を邪魔する明るい一言。「今日はいい天気ですねえ、元気が出ますねえ」とか、「明日は宝くじの抽選日ですねえ、おたく、何枚買いました?」、「昨日、1万円拾ったんですよ、やはり交番に届けるべきでしょうか?」など。

この作戦には、多数の励まし員が必要となるが、それほど特殊な技能は必要としないので、ボランティアを積極的に起用してコストの削減を図りたい。

プラン−I.全面高架化

三鷹−立川間の連続高架化の工事が進められている。この工事の完成により、もしも飛び込み事故が減少するようなら、立川以西の区間も高架化する価値がある。しかし、プランG以上に莫大な予算を必要とする。

 4.プレミアムキャンペーン

プラン−J.「あしたは幸せ?」プレゼント

駅に入場する際、自動改札機で切符を入れると、抽選ナンバーが記入されたラッキーカードが発行され切符とともに出てくる。翌日以降、駅から出場する際に切符とラッキーカードを挿入すると、自動改札機が瞬時にラッキーカードの当落を判定し、当選の場合はファンファーレが鳴り商品引換券が出てくる。賞品は、1等:1億円の現金、2等:1000万円の現金、3等:100万円の現金、4等:温泉への家族全員ご招待、5等:元気が出る飲物(駅のコンビニで引換)など、幸福感があり元気が出そうなラインナップとする。

このキャンペーンの目的は、JR東日本の利用促進もさることながら、駅での飛び込み自殺の防止にある。駅に入場する際にもらえるラッキーカードは、翌日にならないと当落が分からない点がミソである。「もしかしたら明日、1億円が当たるかも」と思わせることによって、今日の自殺をやめさせようとする作戦である。

景表法の規定では、購入額130円の場合、抽選で当たった場合の景品の制限額は20倍の2600円となる。鉄道業界の自主規制で、それよりも制限額が低く抑えられているか、あるいはこのようなキャンペーンが禁止されている可能性もある。そのため、上記の1等から4等までの賞品は、現行の法規制の元では実施不可能であるが、通常の販売促進ではない社会的意義のあるキャンペーンとして、特例で認めてもらうしかない。

なお、1等や2等は毎日当選者を出す必要はない。週に1回か月に1回、このような大当たりもあるのだということが忘れられない程度のペースで出せばよい。それでも賞品代でJR東日本の採算が悪化する場合は、このキャンペーンを理由に運賃を値上げする。「飛び込み事故の防止のためのキャンペーンのためにお金がかかるので、運賃を値上げさせてくれ」ときちんと説明すれば、すんなり値上げできるかもしれない。

 5.コンテスト

プラン−K.「もう死んでしまいたい」作文コンテスト

「どのようなことがあり、どのように考えた結果、もう死んでしまいたいと思うに至ったのか」についての作文コンテスト。審査員は自殺研究家、自殺未遂経験者、自殺した作家(太宰治、芥川龍之介、川端康成など)の研究家、心理学者など。審査の結果、最優秀作、優秀作、入選作、佳作などを選考し、プラン−J同様の賞品を進呈する。

プラン−Jと同様に、「もしかしたら自分の作品で、1億円が当たるかも」と思わせることにより、当面の自殺をやめさせようとする作戦である。審査結果が発表されて選外となり賞品がもらえないことが分かれば、また自殺の決意を取り戻す者もいるだろうから、応募された作品は審査員のコメントを付けて返却し、よりよい作品に改良しての再応募を呼びかけるシステム(佳作以上に選ばれるまでは何度でも再応募できる)とする。

審査結果の発表は作文を書いてからある程度の日数が経過しているので、そのころには自殺熱が冷めている者が少なくないはずだ。また、何度も再応募しているうちに、自殺することをあきらめる者もいるであろう。つまりこのプランの狙いは、当面の自殺をやめさせることに加えて、文章を書かせることにより頭をクールダウンさせ、気持ちを落ち着かせることにある。書く前は「もういやだ、死んでやる」と思っていても、作文を書き始めるとどんどん気持ちが冷静になって、書き終わった頃にはすっかり静まり、さらには「文章が完成した」という達成感や「言うこと言ったらすっきりした」という爽快感もあって、熱い気持ちを忘れてくれる者がいるだろう、という作戦である。

さらに、このコンテストは、後利用できるというメリットもある。定期的に最優秀作や優秀作をフリーペーパー(駅で配布)やホームページで紹介していくのである。悲惨な事例を読んで、「ああ、こんなにひどい思いをしている人も、世の中にはいるんだ」と思えば、「自分はまだまだ恵まれている方だから、もう少し頑張ろうか」という気になるものだ。

 6.代替案への誘導

プラン−L.自殺のテーマパークの開設

「自殺する」という決意が揺るがない計画的自殺志望者向けに、自殺のテーマパークを開設する。場所は有名墓地(青山墓地や多磨霊園)の近辺または自殺の名所(青木ヶ原樹海、日光の華厳の滝、伊豆大島の三原山火口など)の近辺。名称の案としては、「さよならランド」、「天国への階段」、「扉パーク」など。

テーマパーク内には、苦しまずに美しく確実にあの世に行ける複数の自殺コースを用意し、好きなものを選んでもらう。入場者は1日数名以内に限定し、運営費用を捻出するため入場料は100万円程度と高額に設定。死に化粧や遺体の自宅搬送などのアフターサービスは入場料に込みとする。なお、葬儀はグレードによって費用が大きく変動するため、オプションとする。

このプランの最大の問題点は、現在の法体制のもとでは、開設者または運営者が自殺幇助罪となってしまうこと。これをクリアするために、「自殺テーマパーク」としてではなく「危険体験テーマパーク」として開設し、体験者が危険度の設定を自分で行う方式とする(例.身体に流す電圧を自分で調整できる電気イス、南極の気候体験時間の長さを自分で調整できる極地体験室など)。「ここまでは生命の危険はないので、調整はこれ以内で行ってください」と参加者に入念に説明し、後は参加者に任せる。この方法の場合、上記のアフターサービスは明文化せず、暗黙のお約束としておく。将来的に「自殺特区」としての認定を受けることができれば、その時点で「自殺テーマパーク」という本音の表示を始め、アフターサービスも明文化する。

この施設の告知は、駅貼りポスターや車内吊りなどで行う。また、プラン−Kの応募者や、過去に鉄道に飛び込んで一命を取り留めた者は超ホット客であるため、詳細説明版の豪華DMを送付する。

終わりに−−−飛び込み事故防止の重要性

JRは国鉄の時代から長らく、「素っ気なく、サービス精神もあまりないが、事故は少なく定時は守る」というイメージがあった。しかし、2005年4月25日の福知山線の大事故により、「事故は少なく定時は守る」というプラスイメージの部分が大きく傷ついてしまった。「事故は少なく定時は守る」は、JRに対する信頼感の根幹的な部分だ。それだけに、JRのイメージダウンは甚だしい。

飛び込み事故の発生も、責任の所在こそ違うが、「事故は少なく定時は守る」というプラスイメージを破壊する点では同じである。そのため、JRに対する信頼感の回復、JRのイメージアップ、さらには私鉄との競争力の強化のためには、列車の安全運行を徹底すると同時に、飛び込み事故をしっかり防止していくことも重要である。

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