タイ・バンコク
ローズガーデン・視察レポート

視察日:1997年1月22日(水)


施設の概要

場所−−−バンコク中央部の南西32km、クルマやバスで1時間
面積−−−20ha
開業時期−不明
営業時間−8時から18時(ショータイムは14時からと14時45分からの2回)
入場料−−10バーツ、スタジアムのタイ文化ショー見学料は別途220バーツ

施設の特徴

元々はバラ園。レストランやゴルフ場、テニスコート、遊園地などが建設され、タイの人たちが休日に訪れるレジャーランドとなった。遊園地のスタジアムでは、主として外国人観光客向けに(値段も外国人向けに)、タイ文化ショーとゾウのショーが行われている。

アトラクション&ショー

 予約&往復の道のり

前日に現地で日本語定期観光のパンダバスに電話して予約。パンダバスは、日本語が通じるので楽ちん。

当日は時間通りにワンボックスカーがホテルに迎えに来た。パンダバスのスタッフは運転手(英語も通じない)とガイド(カタコトの日本語)。渋滞の中を走り出すが、行けども行けども渋滞が終わらない。通常なら1時間の距離らしいが、この時期は特に道路工事が集中していて渋滞が激しいとかで、結局1時間45分かかった。帰りは渋滞が緩く、1時間くらいでホテルに戻れた。

 タイ文化ショー

園内に入ると、ショースタジアム(わら葺きのタイ式建築のホール)での2回目のタイ文化ショーが始まっていた。観客席はほぼ満席で、後ろの方で何とか空席をゲット。ショーの内容は、仏門に入る儀式、結婚式、タイ各地の民族舞踊などで、全部で40分くらい。。指の動きが妖しいフィンガーダンスや、竹の竿を使うバンブーダンスが興味を引く。

そして最後はタイ式ボクシングのムエタイのショー。その場にリング(仮設のチャチな代物)を設置し、音楽に合わせて祈りのダンスが始まった。ゴングが鳴って試合開始。しかし試合は真剣勝負ではなく、コミカルな見せ物風、そんなことだろうとは思っていたが、やはり残念。

 ゾウ(乗物)

試合は延々と続くが、あくびが出てくる。エントランスのわきに、乗用のゾウが数匹並んでいたのを思い出し、今ならきっとすぐに乗れると感づいて、ショースタジアムを抜け出した。すでに乗っている人がいるが、女子供ばかり。重たい大人の男は遠慮するのが流儀なのかもしれないと考え、妻子を乗せることにした。ゾウの乗り賃は20バーツ。ゾウは3人乗りで、頭のすぐ後ろに運転手(当然タイ人)、背中の中央部に座席があって、客は2人並んで座る。

運転手が何かを言ったのか、良く分からないうちにゾウは発車。ゆったりゆったり歩くと、背中の座席が左右にぐらりぐらりと大きく揺れている。三半規管が鈍感な妻子はうれしそうに手を振ってるが、乗り心地はかなり悪そう。私が乗ったら、ヤバイかもしれない、乗らないで良かったと思った。広場をほんの一回り、時間にして5分くらいで終了。

 ゾウ(ショー)

ゾウから降りたら、ショースタジアムのショーが終わり、観客がゾロゾロ出てきた。誰か誘導している人がいるようで、集団のまま、広場の一角に移動している。引き続き、ゾウのショーが始まるのだ。人間の移動が落ち着いたら、向こうからゾウが出てきた。全部で10頭ほど。

ショーに出演するゾウはとても良く調教されていて、丸太を引っ張ったり、ダンスをしたり、寝ころんだり、多彩な技を見せる。しかし身体が大きいだけに、技も大味である。人間20人くらいと1頭のゾウで綱引きをやった。当然、ゾウが勝った。

物販

15分くらいでショーは終了。あとは見るべきものがない。園内を散歩すれば1時間くらいはつぶれるらしいが、暑いし、日差しは強烈だし、そのような気にはなれない。仕方ないので、アイスクリームを舐めながらショップをぶらぶら見て回った。店の数は20軒くらいあるが、そのほとんどが普通の土産物屋で、特にここでしか買えないという品物は発見できなかった。

ショップの一角に、生きているヘビを襟巻きにしての記念写真コーナーがあった。わが家は全員ヘビは大嫌いなので、遠くから眺めるだけにした。自分の腕よりも太いヘビを、白人女性がうれしそうに抱いていた(長いので首に巻くだけでは余ってしまうので、両手で支えてあげなければならない)。

備考

 施設のキャパシティ

ショースタジアムは1000人くらいは入れそう。ゾウへの乗車は、ゾウが10頭ぐらいいたので、1回5分でフル回転すると、1時間に120組。4時間だと480組になる。園内では、ゾウは余るほどいる、という感じであった(タイのゾウは、森林伐採の仕事が減ったため、余っているらしい)。

 ツアーの価格

利用したパンダバス日本語定期観光バスは、午後の4時間で、450バーツ、子供300バーツ。使うクルマはバスとは限らず、人数が少ないと、ワンボックスカーになることもある。

 為替レート

視察日の為替レートは、1バーツ4.68円。

企画のネタとして

 全体的な印象

全体的な印象として、発展途上国の発展途上の余暇施設という感じ。ショーで何とか外国人観光客を集めているが、エンターテインメントの集積度が足りないし、2つのショーもそれほど強力な魅力があるわけではないので、リピート訪問は期待できない。まあ、バンコクで唯一の遊園地的空間だから行ってみるか、という感じ。東京ディズニーランドやベイエリアなどができる前、昭和30年代から40年代の東京観光における東京タワーみたいな存在。

タイの文化ショーと、ゾウのショーという、ネタが2つしかないので、そのネタで遊園地的な空間を作ったらこうなった、ということで、余暇施設開発の原点を見た気がする。施設の設計が、良く言えば素直で明解、悪く言えば工夫がなく幼稚。

 今後の展望

東京にはディズニーランド、ソウルにはロッテワールド、シンガポールにはナイトサファリがある。これらに対抗するために、バンコクにはローズガーデンでは、あまりに寂しすぎる。スケベオヤジなら夜の観光やゴルフがあるが、家族連れや女性グループにとっては、寺院巡り以外にはたいした観光メニューがない。新しい観光スポットを、バンコク中心部からそう遠くない場所に建設しなければ、バンコクの観光客集客の将来は暗いと思う。

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