決勝・ドイツ対ブラジル戦
(2002年6月30日・横浜)


事前準備

 チケット入手

2次販売の際、友人知人にも頼み込んで、全部で8回線の電話で抽選に申し込んだ。すると、チケット販売の初日から申し込める番号(1/100の確率)が当たった。これなら、チケットを入手できる可能性が高い。問題は、希望する試合が取れるかどうかだ。

チケット販売の初日は、希望する試合を第1希望から第10希望まで書き出したメモを片手に、朝10時から電話をかけ始めた。使った電話回線は、2人で4本。早くつながった方が希望する試合を取りやすいが、この日に電話をかけることができるのは抽選に申し込んだ人の1/100なので、そのうちつながるだろうと気楽に始めた。すると、10時15分くらいに、電話がつながった。第1希望の決勝は、一番悪い席のカテゴリー3ならあると言う。他の試合のカテゴリー1とどちらがいいか少し迷ったが、そもそも2次販売における決勝のチケットはかなり少ないと新聞記事に書いてあったし、やはりワールドカップサッカーの決勝を見ることができるというのは人生で最初で最後のチャンスであろうと考え、そのチケットを申し込んだ。

後日明らかになった情報によると、1/100で当選したのに、チケット販売の初日に電話がつながらなかった人が少なくないらしい。また、2/100の確率でチケット販売の2日目から電話できるのに、つながらなかったという人もかなりいるとのこと。私は楽観的に考えていたが、現実はかなりシビアであったようだ。受付電話の回線数の絶対的な不足が原因と聞く。とすると、うちはかなりのラッキーを重ねて決勝のチケットを入手したことになる。1次販売で札幌の試合を引き当てて、「今回のワールドカップ、チケットが当たっただけでなく、最も見たい(日本は別として)チームの試合になるとは、うちは何てツイているのだろう」と思ったが、この時点では、「さらに決勝まで当たるとは、うちのツキは尋常ではない。もう1回チケット販売があれば、また当たるに違いない」という確信に変わった。

 駐車場

6/9の試合と同様、月極で借りた駐車場を使う。2回(厳密には6/11の試合を見に行った友人にも貸したので3回)の使用で2万円は安くはないが、「現地到着が遅くなっても、必ず空いている自分用の駐車場が確保されている」というのは、気が楽でいい。また、帰路すんなりと帰れる、観客のメイン動線からは外れた位置にあることも、ありがたい。そんなに高い買い物ではなかったように思う。

 ドイツ国旗

6/1の札幌でのドイツ・サウジアラビア戦で購入したドイツ国旗が役に立つ。買っておいて良かった。

準決勝

 ドイツ決勝進出(6月25日)

今回のワールドカップは、いつもにも増してミスジャッジが多かった。サッカーはどんどん進化して、ゲームの展開スピードが速くなってきているのに、審判が追いつけていないように思える。そして韓国が、乱発気味のミスジャッジに助けられてベスト4に進出した。準決勝を勝てば、韓国が決勝に進める。

私は日本人の中では、親韓派だ。カルビもプルコギもサムゲタンもキムチも冷麺もビビンパも大好物だし、真露のニンジンジュース割りは絶品だと思う。パチンコ・パチスロも愛好している(お店にせっせと貢いでいる)。アメリカに2週間いても、日本食は欲しくはならないがカルビを食べたくなるし、パチンコ屋に行きたくなる。韓国には2回行ったことがあるが、機会があれば何度でも行きたいと思っている。しかし、ワールドカップの決勝に韓国が勝ち上がってきて欲しいかというと、話は別だ。

フランスやポルトガル、そしてアルゼンチンまで予選リーグで姿を消した。決勝トーナメントでも、イタリアやスペインが敗退した。この調子で強豪国が消えていったら、決勝戦に残る強豪国がなくなってしまう。せっかくのラッキーで手に入れた決勝戦チケットなのに、マイナー国同士の対戦ではがっかりだ。こんなことは一生に一度のラッキーであろうから、それにふさわしい、滅多に見ることのできないチーム同士の好カードを期待したい。

そのため、準決勝のドイツ・韓国戦では、ドイツが勝つことを祈りながらテレビを見た。結果は、ドイツの圧勝。スコアは1対0だが、ゲームをあらかた支配していたので、2対0か3対0になっても当然なほど、ドイツは強かった。良かった。これで、大好きなドイツをもう一度観戦できる。累積2枚目のイエローカードで司令塔の13番バラックが出場停止なのが気がかりだ。でも、右サイドの22番(本来MFの選手だと思うが、韓国戦では4バックの右にいた)フリングスが健在なのがうれしい。座席はメインスタンドから向かって左側のゴール裏の最後列のあたりだが、このサイドはドイツ側なのだろうか、それともブラジル側なのだろうか。回りがブラジル応援団でないことを祈りたい。

 ブラジル決勝進出(6月26日)

ブラジルがトルコを破って、決勝進出を決めた。ブラジルにはスター選手が多いので、ドイツよりもサポーターが多そうだ。決勝の会場は、ドイツがアウェーのような雰囲気になるだろう。しかしここ数試合のドイツを見ている限り、調子はいい。カーンが完璧に守れば、ブラジルの守備はザルだから、ドイツの勝ちだ。バラック不在のためドイツが点を取れなくても、PK戦だ。PK戦なら99%、ドイツが勝つ。いずれにしろ、ドイツの勝利は固い。

当日の新横浜駅近辺の様子

 14時ころの新横浜駅近辺

日本・ロシア戦の時よりも、街中の道路が渋滞していた。コインパーキングはどこも満車で、さまよっているクルマが多かった。

 14時半ころの北新横浜駅

日本・ロシア戦の時よりも、はるかに警官が多かった。あまり乗降客数が多くない駅で、1本の電車から降りてくる客は5人くらい、それを10人以上の警官がお出迎え、という状況だった。駅構内の案内所では、紙製の国旗を配っていた。1枚の紙にドイツとブラジルの両方が印刷されたもので、棒はついていない。「急いで印刷したので、濡れるとすぐにインクが流れるので注意」と係の人が言っていた。

 15時ころの新横浜駅

北新横浜駅で配っていた紙製国旗は、本来は運営ツールであったようで、新横浜の駅では順路を示すために大量に壁に貼られていた。また、順路を示すプラカードにも利用されていた。新横浜の駅前の案内所では、配布されていなかった。利用客数が多いので、売り切れになったのかもしれない。この順路指示からすると、私のチケットはドイツサポーター席だ。少し安心した。

新横浜駅前の「チケット譲ってください」の人の数は、日本・ロシア戦よりもはるかに少なく、50名くらい。その中で、「ブラジルサポーターの席のチケット・前から4列目を持っている、ドイツサポーターの席と交換して」というプラカードがあった。数少ないドイツサポーターだ。その気持ちは良く分かる。私がドイツサポーター席の余分なチケットを持っていたら、迷わず提供してあげたいところだが、残念。結局チケット交換は成功したのか、とても気になる。

ゲートオープンは試合開始4時間前の16時とのこと。日本・ロシア戦の時は3時間前だったので、1時間早まった。また、誘導のスタッフの数も、日本・ロシア戦よりも増強されている。前回の運営大混乱を反省して、少しは改善のための努力をしたようだ。

 15時半ころの新横浜駅〜競技場

街は、黄色いシャツのブラジルサポーターで盛り上がっていた。しかし、黄色いシャツの大半は日本人で、ブラジル人の割合は少ない。ブラジルサポーターはいろいろな鳴り物を持っていて、あちこちでとてもうるさかった。狭いコンビニの中で笛が鳴り響いたときは、頭が痛くなった。

路上無許可商売と思われるフェイスペインティングは、日本・ロシア戦の時は国旗のシールを顔に貼る方式ばかりだったが、今回はバリエーションが広がり、ダイレクト手描き方式が急増した。この方式だと、描き手によって作品の仕上がりはまったく異なる。そのため、見物する側としては楽しみが増えた。値段は500円に統一されていた。また、出場国32カ国のシールセット(シールを貼る決勝トーナメント表付き、200円)は、良心的な価格設定といい、売っている人(普通のおばちゃん)といい、ちょっと浮いた存在であったが、よく売れていた。

入場

 0.5次ゲート

ゲートオープンの30分前に行ったら、すでに整然と行列ができていた。行列の最後尾を示すプラカードも用意されている。このあたりの客さばきは、一気に改善された。運営責任者は、今回はちゃんと仕事をしている。この調子なら、この後もそんなに混乱はなさそうだと安心した。0.5次ゲートも最初から全開で、すんなりと入って行けた。

どうして日本・ロシア戦で、このように運営できなかったのか、それが不思議だ。まさか素人が運営責任者を務めていたとは思えない。しかしチケット問題などなどで失態続きのJAWOCなので、もしかしたら自治省から出向の使えないやつが、運営責任者だったのかもしれない。それにしても、日本・ロシア戦の時は、観客にけが人が出ないで良かった(今のところ、けが人が出たという報道はない)。

 スポンサーブース

0.5次ゲートの中、1次ゲートの手前の部分に、協賛スポンサーのブースが並んでいた。日本・ロシア戦の時はメインスタンドの席で、そちらの動線では1次ゲートの中(4ブース)だったが、位置としてはこちらの方がのんびりできていい。スペースもこちらの方が広々としていて、ヒュンダイ、コカ・コーラ、バドワイザー、フジフィルム、アディダス、マクドナルド、ビクターの7社。内容はどこも似たようなもので、参加型ゲームで景品をプレゼントという方式。その中でバドワイザーは、発射装置で打ち出されるサッカーボールをボレーシュートで蹴る、という高度なゲームとなっていて、こだわりを感じた(ビールと泡でサッカー選手を描いたバドワイザーの広告表現とイメージ連動している)。また、試合会場でしか手に入らない公式プログラムや各種グッズの売店もこのスペースの一角に設定されていた。グッズ売店はいつも大混雑なので、このスペースにも設置することは他の売店の混乱を多少でも少なくする効果があり、実に適切な判断だと思う。

 1次ゲート

1次ゲートの手前にPRブースがたくさん並んでいて、人の流れはまずはそちらに向かうため、1次ゲートの前には行列ができていなかった。運営サイドとしては、落ち着いた雰囲気でじっくりと身体検査ができそうな状況だ。実際、これまでよりも持ち物検査や金属探知器検査がていねいになっていた。

 ゲートの中

ゲートの中には、協賛スポンサーのブースが2つ。NTTドコモ(内容は札幌と同じ、たぶん機材も使い回しだろう)と東芝だった。さらに進み、ドイツサポーター席の入口近辺では、オペルのシャツを着たドイツ人と思われる白人男性が、うれしそうな顔をしながら小さなドイツ国旗を配っていた。オペルは今回のワールドカップのスポンサーにはなっていないので、これはゲリラ的PR活動であると思われる。また、無料フェイスペインティングサービスをしている白人太め男性もいた。無料であるが、絵柄は1種類のみ、ざざっと3本の太い線で描いたドイツ国旗だ。顔に何も書いていない人で、黄色いシャツを着ていない人に近づいて、やや押し売り気味にセールスを展開していた。

競技場の中

 眺め

座席はメインスタンドから見て右側の大型画面装置の横、後ろから8列目。とても高い位置からピッチを見下ろすことになる。ピッチは遥か彼方に広がっていて、ゲームの全体像は把握しやすいが、細かいプレーは遠すぎて良く見えない。客席の床の傾斜が急なので、前の人の頭はまったく気にならない。一番安いカテゴリー3の席なので、こんなものだろうとは思っていたが、その通りだった。

 客の入り

会場の電光掲示板によると、この試合の入場者数は69,000人くらいで、6/9の試合よりも3000人くらい多い。競技場の中にあった定員の表示は72370人なので、3000人くらい足りないが、メインスタンドの前から2列か3列を立入禁止にするなど、運営上の空席があったため、ほぼ満席であったと思われる。

 席割り

メインスタンドから見て、右のゴール裏がドイツサポーター席、左のゴール裏がブラジルサポーター席。サポーターの比率はドイツ:ブラジル:中立(服装からは判断不能)が1:6:3くらいなので、ドイツサポーターはゴール裏の1階席にある程度集まっているが、それ以外の場所はブラジルサポーターばっかり、という状況。私の席の周囲でも、ブラジルサポーターの方がドイツサポーターよりも圧倒的に多かった。このような席割りだったので、今回は「ドイツの応援で客席がまとまる」という体験は、残念ながらできなかった。

 トイレと売店

カテゴリー3の2階席は、7階レベルまで階段を上がって入場する。その途中の5階と6階にトイレや売店が設置されていて、全体的に6/9のロシア戦の時よりも空いていた。メインスタンドのあたりよりも観客数あたりの施設数が多いためか、あるいはカテゴリー3の2階席はトイレや売店が遠いので我慢した人が多かったためと思われる。

5階と6階では、6/9には見かけなかった飲物の売り子が何人も出ていた。「これなら飲物を簡単に買える、充実した販売体制で素晴らしい」と思ったが、話はそんなに単純ではなかった。通常の売店で250円のソフトドリンク(コカ・コーラやアクエリアスなどのペットボトル)が、売り子から買うと500円なのだ(スーベニールカップと称するほんの少しだけ立派なコップに入れる)。あこぎな商売だ。500円という値段の表示がとても小さかったので、騙されるやつが多いだろうと思って観察していたら、1本だけなのに「500円です」と言われて「えっ・・・」と絶句している客が多かった。残りは、行列に並ぶのがいやなので仕方なく250円余分に払って買っていくという客。スーベニールカップを欲しいので、その代償として250円余分に払うという行動をした客は、私が見ていた10組の客の中では皆無だった。この販売方法は、コカ・コーラのイメージダウンに大きく貢献したことだろう(イメージダウンしたのは横浜国際競技場かも)。

 試合前アトラクション

音楽に合わせて、2階席の最後方から今回のワールドカップ出場32カ国の旗が登場。観客の頭の上を通り、2階席最前列へ。そこから何と1階席へ降ろされ、1階席でも観客の頭の上を移動していく。もうここまで来たら、グラウンドまで行くしかないと思ってみていたら、その通りに1階席最前列の手すりを越えてピッチへ出ていった。ほぼ全員が参加できる観客参加型で、新鮮な驚きがあり、そしてワールドカップらしさがひしひしと感じられる実に素晴らしい演出だ。このプランを考えたイベントプランナーは、かなり切れている。競技場への入場が遅れてこのアトラクションに参加し損ねた人には、お気の毒さまとしか言いようがない(写真を見ての通り、この時点の着席率は30%〜40%程度)。
その後、ピッチではブラジルとドイツの巨大な旗が登場しメインスタンドの方へ移動していった。続いて、歌舞伎で出てくる黒子たち(30人くらい)が大きな布を広げ、周辺部を持ってパタパタはじめた、だんだんと中央部がふくらんでくる。韓国の開会式のアトラクションではこのようなパターンでお寺の鐘が出てきたので、こっちは神社の鳥居か、しかし宗教がらみのネタは使えない、巨大なサッカーボールではいかにもでつまらない、うーむ、などと見ていたら、巨大な富士山ができあがった。フォルムも色も、なかなか美しい出来映え。素朴だがなかなか味のある、印象深い演出だと感じた。
さらにアトラクションは続き、黄色い和服の女性100名が出てきたり(上の2枚の写真にも写っている)、みこしや大きな太鼓が出てきたり、歌手が出てきたりした。このあたりは全然おもしろくなかった。

 試合

大方の予想通り、ブラジルの個人技を生かした芸術的な攻撃と、それに立ちはだかる仁王様のようなドイツGKカーンの戦い。前半は、スーパーセーブを連発したカーンの勝ち。しかしドイツは、司令塔の13番の欠場が大打撃だ。攻撃にいつものような正確さがない。いつものように中盤を良く支配して、何度もゴール前に迫るものの、なかなかシュートにまで至らない。たまにシュートを放っても、大外れかGKの正面。決定的なチャンスは、ブラジルは3回か4回あったが、ドイツはゼロ。一見互角に見えるが、実はドイツが大苦戦と思える45分間だった。

後半4分、ドイツのFKはポストを直撃。この時、ブラジルのキーパーはなぜか反応が遅かった。もう1m内側に蹴っていても入ったはず。近い方のゴールだったのでよく見えた。決定的なチャンスをミスで逃すと、勝利の女神はあっちへ行ってしまう。

後半22分、かなり近いところからブラジルがシュート。またもやカーンが止めた、と思ったらボールが転がっていく。カーンが飛びつこうとするが、相手FWの方が早かった。ネットが揺れた。やられた。近い方のゴールだったのでよく見えた。信じられない、カーンがミスるなんて。

まだ時間はある。きっと追いつける。選手を入れ替えたドイツは、全体的に前がかりになる。中盤は支配している。しかしブラジルは、ゴール前になると守りが強い。じりじりと時間が進む。

後半33分、ブラジルの速攻。右サイド(ドイツの左サイド)からゴール前にパスが出た。ゴール前のFWへのパスだと思ったら、逆サイドへのパスだった。そしてそこにはなぜか、FWがもう1人いた。それもノーマークで。右へ走るカーン。しかし間に合わない。またやられた。前がかりになってディフェンスが薄くなっている弱点をつかれてしまった。

残り12分で2点のビハインド。今日のドイツの攻撃力では、もうダメだ。奇跡を祈りつつ旗を振り続けたが、あっと言う間に試合終了の笛。その瞬間、走り出すブラジル選手。足を止め、膝をつくドイツ選手。カーンはポストにもたれかかるように座り、動こうとしない。

ドイツ・サウジアラビア戦ではまったく見ることのできなかったカーンのスーパーセーブを、この目で何回も見ることができた。それだけが今日の収穫だ。

 表彰式

ドイツの選手がメダルをもらって、ブラジルの選手がメダルをもらって、最後にブラジルの選手がワールドカップをもらって、台の上で頭上に掲げたら、表彰台裏の花火が火を噴いた。紙吹雪も吹き上がっている。そして観客席には、アンセムの曲をバックに、折り鶴が降ってきた。屋根に取り付けられた袋が開かれ、つながった紐で揺すられ、こぼれた折り鶴が少しずつ落ちてくる。5分たっても降り続けている。羽を広げるのを忘れたのだろう、固まりのままどさっと落ちてくるのもある。これでもかこれでもかと降ってくる。ブラジルの選手たちが、国旗を手に、グランドを走り回っている。ドイツの選手が引き上げていく。ワールドカップが終わってしまった。

帰路

 敷地を出るまで

折り鶴を拾ったりして、あらかた観客が出きった頃合いに席を立った。競技場の建物はすんなり出られたが、動線が細くなると大渋滞。すんなり進めば5分で通れる距離なのに30分以上かかった。

 街の様子

雨のためか、サポーターたちが集まって大騒ぎしているという風景を見なかった。新横浜駅近辺ではそのようなことがあったのかもしれない。

 横浜国際競技場の顧客満足度

6/9のロシア戦よりも、運営ははるかに良くなった。入場時の客さばきはまともだったし、入場時・退場時とも誘導の係員が増強されていた。しかし、今回も帰路は人間が大渋滞。東京ドームの満員の巨人戦の帰りよりもひどい状況だった。帰路の動線はもっとたくさん設定して、客が集中する部分をなくすようにすべきだ。それができないということは、運営計画の出来が悪いか、施設の設計が悪いかのどちらかだ。トイレや売店の数が足りないことを考えると、この理由は、恐らく施設の設計だと思う。満員になった場合、どのくらいトイレや売店が必要になり、どのくらい帰路の動線設定が必要になるか、きちんと計算していないに違いない。ワールドカップの試合開催を念頭に置いて作られた施設なのに、お粗末な話だ。

表彰式の折り鶴バラ撒きは、とてもいいアイデアだったと思う。美しい風景だった。日本らしい企画だ。観客席で拾い集める人が居残るので、観客の退場時間をずらす(人間の渋滞を緩和する)効果もある。1次ゲートのボディチェックに先だって、ポケットの中のものを入れてみせるためのビニール袋が配布されていたので、これが拾い集める時に役に立つ。たくさん拾ってくれれば、事後の清掃作業が少しは楽になる。小学生たちに作ってもらうということで日本全国で参加意欲が高まっただろう。このように考えると、とても良く練り込まれたプランであることが分かる。ただし、清掃の面で考えると、折り鶴の数が多すぎた。270万羽とのことだが、69000人で割ると1人40羽ぐらいになる。とてもこんなには持ち帰れない。そのため、観客席には折り鶴が積もった状態になってしまった。清掃がかなり大変になってしまったと思う。会場演出の点から考えても、いつまでもしつこく降り続くような状況になってしまったので、やはり多すぎた。1/3の90万羽くらいでも良かったのではないかと思う。

おまけ −−− 万羽鶴の大きな写真

参考資料 −−− チケット


2002日韓ワールドカップサッカー・観戦レポート メニューページ

トップページ