ポエナの会について


犯罪被害者家族の会 Poena (ポエナ) 結成に向けて
Association of Crime Victim's Families Poena


 2004年12月1日「犯罪被害者等基本法」が成立、翌年2005年4月には「犯罪被害者等基本計画検討会」がスタートし、その年の12月27日、「犯罪被害者等基本計画」は閣議決定されました。基本計画は犯罪被害者の権利保護を規定した同基本法の理念を具体化するため、国や自治体が取り組む具体的な施策を示したものです。残された課題は多いものの、今まで全く忘れられていた「犯罪被害者問題」への関心が高まり、国家の責任においてその回復を図る方向性が確認されたことの意義は大きいでしょう。

 今後、政府から出される具体的な施策が、真に「被害者の視点」を組み入れたものかどうかを検証し、今こそ被害者と社会が一体となって、その被害の回復と犯罪の防止に取り組む必要性が求められています。

 新会は犯罪被害者、およびその遺族・家族が、自らの被害に係る問題提起とその解決に向けて、他の被害者とともに支え合うことを目的とするものです。これまでも発起人らの活動によって新たな法律が制定され、また時代に合ったものへと改正され、被害者の名誉と権利を守ってきた経緯があり、被害者が自ら立ち上がり、訴えていくことの重要性を痛感しております。

 繰り返される凶悪犯罪によって新たな被害者が途切れることなく生まれている現状をかんがみ、孤立しがちな被害者とその遺族・家族の連帯の場をつくり、その被害の回復に互いに協力することが必要であるとして、「犯罪被害者家族の会Poena」を結成するものです。ラテン語の格言、「Sera, tamen tacitis Poena venit pedibus−遅く、しかし静かな足取りで罰の女神は訪れる」に由来するPoenaは「罰を与える女神」という意味で使われており、どんな犯罪も天の神が見ていて、必ず被害者を守ってくれると信じ、会の名前としました。
 
 会の活動は、各個人の意志と活動を尊重するものであり、他から強制されるものではありません。多くの被害者と遺族・家族の回復には長い時間が必要であり、同じ苦しみを経験した者だからこそ、それぞれの意思を尊重し共に歩んで行く決意をしました。

2006年4月
会長 小林邦三郎