コラム&トピック

LGBT性暴力被害者の実態

浅川浩己(フリーライター)



 今年の4月、LGBTの性暴力被害に関するトークイベントに参加し、LGBTの
性暴力被害者の支援をなさっているレイプクライシス・ネットワーク(RC-NET)
の岡田実穂さんと宇佐美翔子さんの講演をお聞きしました。
その講演で、LGBT性暴力被害者の実態が知られていないと感じました。
そこで、今回は「LGBT性暴力被害者の実態」をテーマに岡田さんと宇佐美さんを取材しました。
(※ L:レズビアン/女性同性愛者、G:ゲイ/男性同性愛者、B:バイセクシャル/両性愛者、T:トランスジェンダー/性別越境者)

<LGBT性暴力被害者は相談するにも壁がある>
Q、ここ数年LGBTに関するニュースがよく取り上げられ、LGBTの人たちが身近にいることが世の中に知られるようになってきました。また2017年には、110年ぶりに性犯罪に関する刑法が改正がされ、その中に、性的マイノリティに対して偏見に基づく不当な扱いをしないという付帯決議が盛り込まれました。
これらによってLGBT性暴力被害者の支援に何か変化は現れたのでしょうか?

A、法律が変わっても根本的なことは、あまり変わってないですね。
LGBTの性暴力被害者が、まだまだ相談しづらい状況にあります。
例えば、LGBTの性暴力被害者が支援機関に電話相談しても、
声が低いというだけで断られたりしますね。
トランスジェンダーで男性から女性に性別を変更した女性や、男性の被害者も
いますし。また、団体の中にはLGBTの被害者を想定していなかったり、
相談を受ている団体もありますが、中にはスキルが無く相談者に対して
二次的加害となる発言をしてしまう相談員も残念ながら多くいます。
例えば、女性同士の性暴力はありえないと思っており、それを相談者に伝えて
しまう相談員もいますし、同性間の性暴力だから妊娠の心配がないので良かった
と言われ、自分に起きた被害は「大したことない」と言われている感じがした相談者もいます。「LGBTはLGBTのところで話して。うちは専門じゃないから」と
言われ、性暴力とは関係ないLGBTの団体を紹介された人もいます。

Q、では、どんな対応をすれば良かったのでしょうか?

A、最低限、性別や性的指向に関係なく、まずは話を聞くことだと思います。
性暴力被害に遭った方の対応は、LGBT、男性、女性、
基本的なことは変わらないと思いますので。
そして、分からないことはしっかりと質問すること。
最低でも、差別や偏見に当事者を晒さないということです。
その上で、LGBTへの性被害に特化した学びもしっかりしていくことが
求められてくると思います。




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