ニュース・活動報告

第3次犯罪被害者等基本計画の見直しに意見・要望を提出いたしました



平成17年(2005年)に犯罪被害者等基本法が施行され、この法律に基づき、行政では犯罪被害者等のための施策が総合的に策定され、「犯罪被害者等基本計画」が実施されています。

犯罪被害者や家族・遺族のプライバシー保護などは、この基本計画が骨子となっています。
そして平成28年に、第3次犯罪被害者等基本計画が実施され、令和2年度にその第3次基本計画の見直しが行われる予定になっています。

この度、犯罪被害者家族の会ポエナとして、この犯罪被害者等基本計画の見直しについて、要望・意見書を提出いたしました。今回の意見・要望では、犯罪被害者等に関する情報の保護、刑事手続への関与拡充への取り組み、そして具体的施策の中から取り残されている点について言及いたしました。

犯罪被害者等基本計画も第3次となり見直しが進んだ施策も多く、犯罪被害者等の置かれている環境は改善しています。しかしながら基本計画は犯人が逮捕されたケースを前提としている点は否めません。また現在の法制度では、「死者には人権がない」状態です。仕方がないことではありますが、法律家も人権団体も考えているのは生きている人の人権のみです。

ポエナの会では、亡くなった被害者の「命の権利」を訴えてまいりました。当事者の人権は被害者本人に。遺族にあるのはその代行だと考えております。

現在、犯罪被害者と家族・遺族の情報とプライバシーの保護は、大きな関心事となっております。基本計画においては、被害者の実名発表・匿名発表について、犯罪被害者等の匿名の希望と、マスメディアによる報道の自由、国民の知る権利、さらにプライバシー保護と公益性を統合的に勘案しつつ配慮するという枠組みが定められています。

犯罪被害当事者の実名発表は、とても難しい問題です。特に未解決事件や、少年犯罪などで不起訴になってしまった事件の被害者とその家族・遺族の場合、実名報道をされないと被害事実そのものがなかったことにされてしまい、本人の生きた証も否定することになりかねません。そのため、犯罪被害者等の中には実名発表を求める声も大きいのです。

さらに、現在の犯罪被害者等基本計画による取り組みの「配慮」には、明確な基準がなく、原則が明記されていません。個人情報の保護が進むことは喜ばしいことなのですが、それが恣意的な判断となり、事実を覆い隠してしまうことにつながる懸念があります。そこで、ポエナの会では「情報の保護」に関して、原則として「実名発表」を意見とさせていただきました。

被害者の実名は、被害者本人の権利であり、情報の公開は何よりも犯罪の防止・抑止に資するものでなくてはなりません。そしてそれは、世間の好奇の目や、報道各社・マスメディアによって消費されるべきものではありません。

以上の事柄を考慮し、犯罪被害者等基本計画の見直しに対して、被害者の実名公表については、「実名発表を原則とすること」を意見とし、さらに犯罪被害者等に対するプライバシーの侵害や「報道被害」については、「罰則も含めた公正な枠組みの制定」を要望いたしました。

【参照】
●第3次犯罪被害者等基本計画(日本語版)(PDF形式:968KB) https://www.npa.go.jp/hanzaihigai/kuwashiku/keikaku/pdf/dai3_basic_plan.pdf
●第三次犯罪被害者等基本計画見直しに対する意見・要望(PDF形式:213KB)

2019年8月23日掲載


前のページへ戻る