ニュース・活動報告
「犯罪被害補償を求める会」が社団法人となりました
兵庫県神戸市で犯罪被害者への補償を求めて活動を続けていた「犯罪被害補償を求める会」(略称:手をつなぐ会)が、今年、任意団体から一般社団法人へと法人化されました。犯罪被害に遭遇した場合、その被害が一家の大黒柱であったりすると、残された遺族は経済的に苦境に陥ってしまいます。犯罪被害は、突然に降って湧いた様な天災ではないので、加害者には賠償責任が生じます。しかしながら、その犯罪被害の補償は極めて困難なものとなります。加害者側は、賠償の資力がない、あるいは財産を隠すなどして、賠償に応じないということが多々あります。
民事訴訟で犯罪被害者が加害者に賠償責任を求め、裁判所が損害賠償を命ずる判決を出しても、加害者がそれに従わず、十年が経過すると、時効によってその判決の効力が消滅してしまいます。被害者があくまでも損害賠償を得ようとすれば、債権を持ち続けるために時効が成立する前に再度裁判所に提訴して、新たな判決を得なければならず、そのためにはさらに被害者への経済的負担がかかってしまうことになっています。特に殺人事件などの重大事件の場合、賠償判決が「空手形」になってしまい、被害者が泣き寝入りとなるケースが大多数となってしまっているのです。
兵庫県の明石市では、賠償金の一部立替払いや、裁判をするための費用の助成も制度化しています。「犯罪被害補償を求める会」では、犯罪被害者の支援は社会的責任であると考え、より広く国の補償による生活再建など、実効性のある施策を求めて活動しております。自動車事故の場合には加害者に補償をする資金力がなくとも、「自賠責保険」などといったかたちで補償が制度化されているので、それに準ずるかたちでの補償制度の実現を目指しています。
解散した全国犯罪被害者の会(あすの会)にも加盟し、各地で活動を行ってきましたが、今年2020年に一般社団法人として体制を一新し、活動を強化していくことになりました。
犯罪被害者ではない方にも、特別会員として参加の窓口を設け、世論に訴える活動を行っております。
「犯罪被害補償を求める会(手をつなぐ会)」へのアクセスはこちらを御覧ください。
ひょうごボランタリープラザ
https://www.hyogo-vplaza.jp/c2/givinginfomation/information/posted_ac_info/entry-126033.html
2020年10月3日掲載