V字尾翼の垂直尾翼としての働き(08-03-06)

下図左で迎角0のV字翼に右前方から角度sで気流が流入していてその角度sが小さい場合、右翼の迎角bは図中の式よりb=s*sin(d)となります(dは上反角)。同様に左翼の迎角は-s*sin(d)となります。

垂直尾翼効果についても上記の条件に加えて迎角が揚力係数に比例する場合(平板翼を含めて対称翼の場合)はマッコム氏の指摘が成立します。
下の図で右側の垂直尾翼とV字尾翼が同じ対称翼型の場合、迎角sで揚力係数がClbとすれば、
右の水平尾翼の揚力は動圧*Clb*翼面積、V字尾翼では迎角がs*sin(d)になるので揚力係数はClb*sin(d)となり、翼の垂直面に発生する揚力は動圧*Clb*sin(d)*翼面積、その垂直尾翼の働きに相当する水平成分は動圧*Clb*sin(d)*翼面積*sin(d)=動圧*Clb*sin(d)^2*翼面積になります。
通常の垂直尾翼の揚力は動圧*Clb*翼面積、
V字尾翼の垂直尾翼としての働きは動圧*Clb*sin(d)^2*翼面積
ですから、垂直尾翼の面積としての働きはsin(d)^2*翼面積となります。
注意すべきことは、sin(d)^2*翼面積は水平尾翼の場合の対称翼の条件にくわえて、ピッチ方向の迎角が0、垂直尾翼としての迎角が微小の条件も加えて成立する近似値だということです。


上反角部の迎角
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