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萱場達郎氏のSun Flower V (06-07-27, 07-01-15追記) 

1950年代と思われる雑誌の萱場さんのゴム動力ヘリコプターの記事のコピーを入手しました。

Sun Flower Vは第9回全日本大会用競技機のデータとりのために作ったもので、機体の仕様は:
上下ローター方式、何れも3翅、竹ヒゴがんぴ紙ばり、ブレード半径20.3cm、最大コード3.6cm、胴体バルサ巻き胴45cm、全重量19g、空転機構無し。安定性向上のため上部ローターに5度の上反角、下部ローターに5度の下反角と翼端板。ゴムは1.2mm角40cm14条(7~8gになる)。図面から読み取ると75%位置のピッチ角はArcTan(1.1cm/3.3cm)=18.4度です。下部ローターにピッチは不明ですが下部ローターのピッチは上部ローターより小さい方が安定としています。

動力ゴムは固めのものがいい(当時のゴムでも!)、”シワガミ貼り”はヘリコプターの場合特に有効で、安定、性能ともにピンと貼った場合より遥かに良くなるとの指摘は興味深いところです。

平均1分40~50秒飛行するとし、「グングン青空に吸い込まれるような上昇を続け、やがてポツンとピンの頭ぐらいに見えるぐらい高度を取って皆さんをあわてさせるでじょう。」と結んでいます。

その他、1952年に日米対抗競技があったこと、数年前にジム・ウォーカーが6分何秒かの記録を作ったことなどが記されています。

実はこのヘリコプターの設計のポイントはまだよく飛ばない輸入機種と非常によく一致しています。

以下追記( 07-01-15追記)
今日(07-01-15)航空図書館で萱場さんのこの記事を発見しました。出典はポピュラーサイエンス別冊季刊:模型飛行機の工作教室(昭和31年8月10日発行)です。西暦では1956年ですから今から50年ほどまえです。

もう一冊あったポピュラー・サイエンス臨時増刊:模型飛行機の作り方(1952年8月10日発行)にも同じ萱場さんの「模型ヘリコプター Sunflower」という2ページの記事が出ています。記事中の興味深い文章を引用します。
「ヘリコプターはE級という競技種目に含まれておりますが、日本ではまだ競技参加者は数える程です。E級という種目にはこの他、オートジャイロ、ハバタキ機を含むものですから、いわば変り型級というべきものでしょう。」
「ここで紹介する模型ヘリコプター”サンフラワー”は昨年11月4日、宇都宮市で行われた第4回日本模型飛行機競技大会でE級に参加し、2分27秒に日本記録を作ったものです。」昨年は1951年になります。
「さて、このヘリコプターの型は以前からある上下に回転翼をつけた、いわゆるコントラプロペラで、1871年、ペノーが鳥の翼をブレードにして作って飛ばしてから、模型ではもっとも簡単で確実な型です。」

1952年の記事のヘリコプターはサンフラワー、1956年の記事ではサンフラワーVですからその間、少なくとも4回の改良があったのでしょう。両方の図面は細部を除いてほとんど同じです。