回転の運動方程式
ニュートンの運動方程式は
質量ｘ加速度＝力または運動量（＝質量x速度）の時間変化率＝力
ですが、これに対応する回転の運動方程式は
慣性モーメントｘ角加速度＝トルクまたは
角運動量（＝慣性モーメントｘ角速度）の時間変化率＝トルク
です。慣性モーメントは回転の慣性を表す物理量で回転体の「要素の質量ｘ回転軸からの距離＾2」の合計です。
角速度、角運動量ともに方向（回転軸方向）と大きさを持ったベクトル量です。トルクもベクトル量でトルクの方向はトルクを発生する力と直角の関係にあります（トルクベクトルの方向はトルクを発生する力とアームが作る平面に垂直） 。
図でトルクtrにより時間⊿ｔで角運動量をAM1からAM2に変化させれば（ヘリコプターの進む向きを変えることに相当）、
AM1 - AM2 = tr * ⊿t
の関係が成立します。この関係式からもし角運動量が2倍になれば（回転数が2倍の場合やローターの慣性モーメントが2倍の場合など）、
2*AM1 -2* AM2 = 2*tr * ⊿t
ですから、同じ時間で同じ角度向きをかえるのに2倍のトルクを必要とします。この様に角運動量が大きければ外乱にたいしてより安定です。