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プロペラ効率の動的測定 (cffc掲示板06-01-08,09投稿)

下の図は今からちょうど50年前に亡くなったアメリカ人が51年前に出版した本の中の縦横5cmの小さな図を拡大したものです。図の下の説明は抵抗の測り方ですが、テストの隠れた目的は別です。斜めに張られた線の長さは約20mです。テスト自体は図にある様に1930年、今から76年も前に行われています。趣味際人氏のバルサ革命の時期と丁度一致しているのも偶然ではないと思います。

傾斜して張られた約20mのワイヤーにはゴンドラがぶら下がっています。図をよく見るとわかりますが、このゴンドラはゴム動力駆動のプロペラで推進上昇します。終点に達したゴンドラは一旦停止し、図でSTOPと書いてある仕掛けでプロペラも停止固定ます。その後ゴンドラは自重で逆走して出発点まで戻ってきます。
ゴンドラの重さやゴムの太さ、巻き数などを加減すると実飛行類似のプロペラの回転数や前進速度が実現できます。そのときゴムのトルク、ゴンドラの走行距離、獲得高度、走行時間、走行距離などを測ればプロペラの効率が計算できます。ゴンドラの空気抵抗とワイヤーの摩擦抵抗は計算に考慮する必要がありますが、これはプロペラなしのゴンドラの降下試験で測定できます。図の下に英文でごたごた書いてるのはこの抵抗測定の方法です。
1930年に行われたテストではバルサのプロペラで2000回以上のテストが行われ、ピッチ直径比1.3のプロペラがベストとの結果が得られたのことです。なお、このテストから20数年後に出版されたこの本の別の箇所にはゴム動力機のプロペラの効率の目安を45〜50%としていますから当時のプロペラの性能は相当悪かった模様です。

この種本は大分前に買ったのですが、去年の秋この方法が書いてあるのに気づきました。何らかの問題があって、その後この方法によるプロペラテストが行われていないのかもしれませんが、私は試してみる気になりました。少しずつテスト(の準備)を始めていますが場所や気象(風が大敵)の制約で中々進んでいません(広い庭のある家に住んでいる人がうらやましい)。抵抗測定を済ませたらライトプレーン用の小さいプロペラから始めるつもりです。自分でもやってみたい方、ご一報ください。なお効率計算に必要な数式等はこちら