微小角の三角関数の応用(08-03-24)

下の図でABは半径1の円の円弧です。この円弧の長さはAOBで作る角の角度a°に比例するので角度の表示に使うことができます。
この方法での角度の表現法が一つラジアン表示です。
下の図でABはおOを中心とする円弧とし、OA=OB=1とすれば
円弧AB長さで角度aをあらわします。
半径1の円の円周は2π,円周角は360°の関係があるので
r:a°=2π:360° r=a°*2π/360° です。
QAC、ODBは何れも直角三角形でOA=OB=1ですから
CA=sin(r)、BD=tan(r)の関係が成立します。

角度aが「微小」のとき
sin(r)≒tan(r)≒r
cos(r)≒1-r^2/2
の関係が成立するのを微小角の三角関数の近似といいます。これは上の図で直線CA、円弧AB、直線BDの長さがほぼ同じことである程度納得できます。
微小とはどの位小さい角か?が問題ですが実際は結構大きい角でもこの近似関係は成立します。下の表でr/sとt/rはsin(r)とtan(r)をrラジアンで近似した場合の誤差です。例えば20°の場合の誤差はsinで2.1%、tanで4.3%で模型設計には許容できる数字です。

この「微小」角の三角関数は角度の簡易計算にも応用できます。

度: a ラジアン: r sin: s tan: t r/s t/r cos 1-r^2/2
0.0° 0.000 0.000 0.000 1.000 1.000
1.0° 0.017 0.017 0.017 1.000 1.000 1.000 1.000
2.0° 0.035 0.035 0.035 1.000 1.000 0.999 0.999
3.0° 0.052 0.052 0.052 1.000 1.001 0.999 0.999
4.0° 0.070 0.070 0.070 1.001 1.002 0.998 0.998
5.0° 0.087 0.087 0.087 1.001 1.003 0.996 0.996
6.0° 0.105 0.105 0.105 1.002 1.004 0.995 0.995
7.0° 0.122 0.122 0.123 1.002 1.005 0.993 0.993
8.0° 0.140 0.139 0.141 1.003 1.007 0.990 0.990
9.0° 0.157 0.156 0.158 1.004 1.008 0.988 0.988
10.0° 0.175 0.174 0.176 1.005 1.010 0.985 0.985
12.5° 0.218 0.216 0.222 1.008 1.016 0.976 0.976
15.0° 0.262 0.259 0.268 1.012 1.023 0.966 0.966
17.5° 0.305 0.301 0.315 1.016 1.032 0.954 0.953
20.0° 0.349 0.342 0.364 1.021 1.043 0.940 0.939
22.5° 0.393 0.383 0.414 1.026 1.055 0.924 0.923
25.0° 0.436 0.423 0.466 1.032 1.069 0.906 0.905
27.5° 0.480 0.462 0.521 1.039 1.085 0.887 0.885
30.0° 0.524 0.500 0.577 1.047 1.103 0.866 0.863

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