日本の少子化防止プラン
(PART T)

提案日:2005年6月28日
更新日:2005年8月27日


企画の背景

私はコピーライター&プランナーであるとともに、小さな学習塾の経営者でもある。高度経済成長の時代は「塾なら誰でも成功する」と言われていたが、最近の学習塾業界は実に競争が厳しい。塾を開いて15年くらいたつが、開業当時の競合塾(その当時近くにあった塾)で今でも生き残っているのは、10軒中2軒のみ。3年と持たずに消えていく塾をいくつも見てきた。

学習塾業界に逆風が吹き荒れている原因は、主として3つ。着実に進行する少子化、長引く景気の低迷、そして生徒や保護者の価値観の変化だ。このうち景気対策は主として政治的な問題であり、プロモーションレベルでは解決できそうにない。また、価値観変化への対応は、これこそ塾経営者の腕の見せどころ、つまり経営的問題だ。残る少子化は、プロモーションレベルでも、ある程度の対策を講じられる可能性がある。そこでプランナーとして、少子化対策を考えてみることにした。

少子化は重大な問題だ。労働力の縮小や消費市場の縮小により、経済は大きくダメージを受けるし、高齢化の進展は社会保障費を増加させ国民負担を増大させる。「少子化は日本を破滅させる」とか「少子化によって日本は沈没する」といわれているのはそのためだ。これまで政府や自治体は様々な少子化対策を展開してきたが、残念ながら、現時点では少子化の進展にストップがかかる気配はない。つまり、これまでの対策では効き目が出ない、または効き目が弱いということだ。

確実に日本の少子化を防止するためには、従来にない斬新な発想が特に求められる。官の視点ではなく民の視点、政治家や官僚の視点ではなく生活者の視点で考えれば、新たな切り口が見つかるかもしれない。

現状認識

 日本の総人口予測

グラフは、国立社会保障・人口問題研究所が2002年1月に推計したデータ。総人口がピークとなるのは、低位推計では2004年、中位推計で2006年、高位推計では2009年。その後は人口減少時代に突入する。

 年齢3区分別人口の推移

年少人口の減少は、出生数の減少によるものである。日本の出生率は、1970年代半ばから人口を一定の規模で保持する水準(人口置換水準、合計特殊出生率で2.08前後の水準)を大きく割り込んでいる。中位推計によると、年少人口は今後も緩やかな長期減少が続く。生産年齢人口は、戦後一貫して増加を続け、1995年の国勢調査では8717万人に達した。しかし、中位推計によれば生産年齢人口は1995年がピークであり、以後は一転して減少する。老年人口は、これまで通りの増加が続く。団塊の世代(昭和22〜24年出生世代)が老齢人口の年齢層に入りきるまで、急速な老年人口の増加が生じ、その後は戦後の出生規模の縮小世代が老年人口に参入するため、増加の勢いは弱まり、緩やかな増加期となる。

 人口高齢化の推移

老年人口割合は、すでに急速な増加が始まっており、今後もそれは続く。2000年の17.4%から2014年には25%台に達する(日本人口の4人に1人が65歳以上人口)。その後はもっと深刻で、2033年には30%台に突入し、2050年には35.7%(2.8人に1人が65歳以上人口)と推計されている。
*このページのデータの出典:国立社会保障・人口問題研究所
 「日本の将来推計人口(平成14年1月推計)」
 http://www.ipss.go.jp/

次の項目 −−− 日本の少子化防止プラン(PART U)

日本の少子化防止プラン メニューページ

トップページ