視察日:2000年8月9日(水)
場所−−−カリフォルニア州アナハイム市(ロス中心部の東南40km)
面積−−−パーク面積30ha、総面積139ha
開業時期−1955年
営業時間−9時−24時(視察日)、閑散期は21時までらしい
入場料−−大人41ドル、子供31ドル
ディズニー系テーマパークの第一号。似たようなパークとして、WDWのMK、TDL、UDLがある。
9時10分に駐車場に着いた。駐車場所は Lion King Timon 18F。駐車券には記号・番号一覧が印刷されていて、自分で印をつけるようになっている。これなら、帰りに駐車場で迷子にならなくて便利だ。
トラムに乗って Main Entrance へ。トラムはこのほかに Disneyland Resort Hotels を巡回するコースもあるらしい。トラムのほかにモノレールがパークと周辺ホテルを結んでいる。
駐車場からは建設中の新しいパーク Disney California Adventure のジェットコースターが見えた。おなじみの Mickey Mouse の大きなシルエットで飾られている。Disney California Adventure は California の自然や歴史、自由なライフスタイルを体験できるテーマパークだとか。映画館やレストラン、ショップを集めた Downtown Disney とともに、2001年2月に開園する予定とのこと。
9時25分、チケット売場の列に並ぶ。最近の日本の銀行のATMのように、一列に並び、順次空いたブースに向かう方式で、係員が誘導していた。これなら、早く並んだ人が必ず先に買えるので、いたって公平である。待ち時間まで表示されている当たりが、ディズニーらしい気配りだ。
USHでは12ヶ月パスを買ったが、DLの Annual Passport はお買い得感がない。15分並んで、1-Day Pass を買った。
今回は、DLにしかない、これまで体験したことのないアトラクションだけクリアできればいいな、という作戦で行動した。9時45分に入場し、まず Indiana Jones へ。40分待ちと表示された行列に並んだが、待たずに入場できる Fastpass なるものがあるのに途中で気づき、列を離れてゲットした。9時55分の時点でもらったのは、10時50分−11時50分のチケット。この間に来れば、優先的に入場できる。そこで、他のアトラクションに回った。
10時に通りがかったら5分待ちだったので、思わず乗ってしまった。おなじみのジャングルクルーズ。TDLとは細部は微妙に違うようだ。
ターザンの樹上の家。階段を歩いて昇り、降りる。人が数珠つなぎ。TDLの似たアトラクションと良く似ている。
10時50分に行った。50分待ち。優先入場されるというのは、Fastpass を持った人用の短い行列に並ぶということであることが判明した。乗ったのは11時5分なので、15分待ちだったことになる。USHのVIPツアーと比べると、ありがたみが少ないように感じた。
内容は、映画 Indiana Jones の冒険を再現したアトラクション。横4人×3列の12人乗りのライドに乗るのだが、ジープが発掘中の洞窟を疾走する状況設定なので、激しく不規則に揺れ、仕掛けを楽しんで見る余裕がない。USHの Buck to the Future the Ride ほどではないが、気持ち悪くなった。大いに期待していたのにがっかり。二度と乗らない。
11時20分、ちょうどショーが終わったところに行き当たり、出てきた人たちが楽しそうな顔をしていたので、次回のショーまで35分あるが、並んで待つことにする。わが家が列の先頭で、だんだんと行列ができていった。日差しは強く、通路は行き交う人で混んでいる。水を飲み、すいかを食べながら、じっと待った。運良く列の先頭の当たりは日陰だったので何とかなったが、日なたでは35分も待てないと思う。
開演の10分前に入場開始。大人たちは客席で、そして子供たちはステージ前に並べられたクッションに座る方式で、なかなかユニークだ。期待が持てそうな気がしてきた。
だんだん混んでくると、子供席のクッションは、1人で1つを独占という訳にはいかなくなってくる。良く観察していると、すぐに片方を譲る子、なかなか譲ろうとしない子など、いろいろな反応があって、興味深かった。うちのムスメ(かなり気が強い)は、年上の白人坊やとシェアすることになったが、ショーの間、ずっとクッションの引っ張り合いをしていた。「相手の方がでかいのに、五分の戦いをするとは、見上げた根性だ」と誉めてやろうと思ったが、国際化社会の現代、外国人と仲良くするのは大切なことなので、ショーが終わってから「もっとちゃんと仲良くしろ」と言った。そしたら、「後から来たくせに、あいつが仲良く座るのではなくて、クッションを丸ごと奪い取ろうとするから、わたしはやりたくないけど、戦ったんだ」とムスメ。「戦いを挑まれたのなら、戦わなくてはいけないから、それでは仕方がない、負けないで偉かった」と誉めておいた。
ショーの内容は、Character Greeting の一種で、ひとつで、前半は簡単なパロディ風のショーで、アラジンやジャスミンが登場する。英語なのでジョークが分からなかったりしたが、なかなか良くできていて、楽しかった。拾いものをした気がした。後半はキャラクターたちのサイン会で、子供たちは大喜び。1997年のWDWでは、わが家もサイン集めに燃えたので、キャラクターのサインがもらえる楽しさについては、分かる。
12時20分に行ったら、待ち時間は何と55分。この待ち時間の長さは信じがたい。アメリカは徹底したクルマ社会であるからだろうか。もしかしたら、TDLのゴーカートとは違う、何か新しい仕掛けがあるのではないかと考えてゲットした Fastpass は、1時間40分後の14時−15時のものだった。
もう1枚、Fastpass がもらえるかどうか試してみたら、やっぱりダメだった。「あなたは現時点でこのアトラクションの有効な Fastpass を持っています」と書かれた紙が出てきた。ちゃんとシステム上でチェックをしているようだ。
バッチ入場方式の展示空間。少しだけ待って入場となった。日本語パンフレットには「新製品と開発品のインタラクィブな展示」と書いてある。いくつもの企業が機器展示やブース展示をしていて、人気は各種のゲームマシン。ここにしかないようなオリジナルと思われるゲームもいくつかあった。
ゲームマシンは数が多く、また館内はそれほど混雑していないので、少し待てば順番が回ってくる。屋内で涼しいので、いくらでも長居できる雰囲気だったが、適当なところで切り上げた。
14時15分に行くと、待ち時間は50分と5分短くなったが、Fastpass は2時間10分後と、30分遅くなっている。
乗ってみたら、TDLとほとんど同じ、ただのレール付ゴーカートだった。がっかり。喜んだのは、運転ものアトラクションなら何でも大好きのムスメのみ。
このムスメ、ゴーカートよりもはるかにスピードの出る本物のカートに小2の時に乗ったことがある。浜名湖のそばのクイック浜名というカートサーキットで、スピードが出ない子供用のカートながらも、直線の終わりでは実測で60キロ近く出していた。恐ろしいことにその先はヘアピンカーブなのだが、重いハンドルにすがりつきながら、しっかりブレーキで減速して、アウトインアウトのラインでクリアしていた。20周くらいしたが1回もコースアウトしていない(スピンするほどの馬力はない)。そのような本物を体験したことがあるのに、なんでこのような子供だましと言うか、子供でもだませないようなゴーカートに乗って嬉々としていられるのか、不思議だ。私には真似ができない。
クルマが美しく、TDLのゴーカートよりも未来的なデザインになっているので、係員に聞いたら、リニューアルオープンしたばかり、とのこと。混雑の原因はこれかもしれない。
乗り口前で Autopia / Official Driver Lisense と書かれたカードが配られた。署名や特徴を書き込む欄とともに、写真を貼る部分があり、出口付近にはプリクラマシンの Autopia Stickers の機械が設置されていた。毒を喰らわば皿まで、と言うので、ムスメだけ、プリクラした。5ドルは高い。そのせいだろう、プリクラマシンは不人気だった。
14時40分、30分待ち。昔からあるアトラクションだが、1991年にDLに来た時は90分待ちでパスしたので、今回が初めて。マッターホルンを模した山の内部を走り抜ける2人乗りのローラーコースターで、乗った感じも、やや古くさい。ビッグサンダーマウンテンの原型と言えよう。コースは2系統あるらしい。
15時30分に並んだら、5分後に乗れた。待ち時間表示板が見あたらなかった。ダンボのサーカス列車に乗ってミニチュアの街をひと巡りするアトラクションで、幼児向け。しかし、穏やかでほっとして、なかなか楽しくてよかった。
船に乗ってピノキオの世界を巡るアトラクション。TDLにはないので乗ってみたかったが、折り悪く一時休止。後で運転を再開したようだった。
待ち時間なしだったので、メリーゴーランドにムスメだけ乗った。ムスメは回っている最中に目星をつけた気に入った馬に乗れて、大満足。
15時45分に行くと、さすがに80分待ち。Fastpass をもらうと、21時30分−22時30分。何と5時間45分後だ。まったく馬鹿げている。
結局、Splash Mountain の Fastpass は使わなかったので、記念品として持ち帰った。
休憩を兼ねて、17時の回に、16時15分に並んだ。開演15分前に入場となった。内容はTDLのフィール・ザ・マジックに似たショー。登場するキャラクターにヘラクレスやムーランが加わり、少し新しい感じ。アニメーターに扮した4人が進行役を務める。入場を待つ間に遠目に昼パレの 45 Years of Magic... Parade of the Stars が見えた。
17時45分に通りかかったら、待ち時間が20分と短くなっているので、並んでみた。実際の待ち時間は30分で、このアトラクションのみ、待ち時間の表示と実際が10分もずれていた。中身は、TDLとほとんど同じ。
19時50分、もう夜なのに70分待ちで、ひるんだ。こんない待ち時間が長いのに、このアトラクションには Fastpass がない。しかし、このアトラクションはTDLにはないので、がんばって並んでみた。長かった。一気に疲れた。実際の待ち時間は、75分だった。おかげで21時の回の Fantasmic! を見逃した。
ここは、1991年の時点では Peoplemover という のんびりしたライドだった。Tomorrowland の上を穏やかに一周するモノレールのような乗り物で、まだ9ヶ月のムスメを抱いて乗った記憶がある。窓のない開放型の車両で、風が心地よかった気がする。
Rocket Rods は、コースやレール上を走る点は同じだが、車体が新しいデザインになり、高速化してスピードを楽しむ要素が加わった。将来の交通システムの一翼を担うという設定らしい。通路には Disneyland Resort Hotels を結ぶ計画を紹介するパネルが掲げられている。
乗ってみると、速度を調整でき、フル加速すると車体がホットロッド状態になる演出は楽しいが、いかんせんコースが短すぎて、あっという間に終わってしまう。70分も並ぶ価値があるようには感じられなかった。
以前は Circle-Vison という古めかしい全周型映像シアターだった建物が、そっくりウエイティングエリアになっており、さらに隣の Premiere Shop という店の地下を待ち動線で利用している。しかしこの待ち導線が、かなり長いのに、終始薄暗く、またほとんどスタッフを見かけない。なかなか列が進まないこともあって、客としては不安をかきたてられる。さらに、待ち行列の最後尾も分かりにくい。Circl-Vison を利用して映像が繰り返し流されているが、いささか飽きる。ディズニー系のテーマパークらしくない、完成度の低さが目立つアトラクションだった。
花火のショー。あまり見応えがなかった。
マクドナルドがパーク内に出店している点が、ユニークだった。フロンティアランド内にある馬車風の店で、パーク内の雰囲気に合わせた作りになっていて、Mのマークが控えめに表示されていた。
TDLのトゥモローランド内にあるピザ屋さんと同じような店。13時20分に行ったが大混雑で、とうてい空きテーブルが見つかりそうにない。最悪、そのへんの地べたに座って食べることにして、私がオーダーの長い列に並んだ。できたものを渡すだけのピザ屋なのに、20分も待たされて、げんなりした。
その間に、ちょこまか動くのが得意なムスメが、帰りそうな客を発見していち早く駆け寄り横でスタンバイして、見事に空席をゲット。9歳にもなると、ネコよりは役に立つ。
わが家のお気に入りのフローズンレモネードは、レギュラーが3ドル、ヤード(3フィーとある長細い透明のプラスチック入り)が6.5ドル。
夕食時もまた飲食店が混みそうなので、早めの時間に夕食にした。16時に開店という店を見つけたので、18時に行ってみた。屋外のテーブル席が並ぶ広々とした店で、メニューはポークリブや豆料理など Frontierland らしい趣。ボリュームたっぷりで、アメリカらしい点も好印象。
人気があるのか、早い時間なのに先客が10組くらい並んでいて、料理をゲットするのに25分もかかった。わが家が食べている間にも、その後どんどん行列は長くなっていったので、45分か、1時間くらい待つことになったと思う。食べ物はまあまあ美味しいし、雰囲気も悪くない。けれども、この待ち時間の長さが、すべてをぶちこわしにしている。
TDL同様に、閉園時刻が迫るとショップの中は大混雑。じっくり品定めをする気になれない。ささっと見て、少しだけ買った。
スーベニールブックは5.95ドル、スーベニールビデオは見つからなかった。
Peoplemover と Circle-Vison をつぶして作られた Rocket Rods、1991年には Tomorrowland にあったが今回はなくなっていた Submarine Voyage など、アトラクションの更新が目立った。
1991年10月よりも、全体的に混雑度は悪化していた。「週の真ん中の当たりは比較的空いている」という情報を得たので水曜日にしたのだが、夏休みのためだろうか、土日のTDLを同じくらい混んでいた。アトラクションも店も、そして通路さえも人であふれ、快適性が著しく低く感じられた。
ここに比べれば、USHははるかに快適だ。USHでは、通路には人が多いように見えても、アトラクションの待ち時間は意外に短く、そして飲食店で絶望的な気持ちになることがない。
楽しさや面白さと同じかそれ以上に、快適性を重視するわが家としては、DLに再来訪したいとはまったく感じない。USHは、何度でも行きたいと思う。
今回のDLは、欠点ばかりが目立った。年間パスポートでTDLに年間50回くらい通っていた時代もあるわが家としては、目が肥えてしまったせいか、ディズニー系列のテーマパーク、特にTDLとDLには、たくさんの不満点を感じる。最大の不満点は、快適性の低さだ。WDWのプールパークのTLやRCも、快適性の点では絶望的だった。MKは、混んでいるけれども敷地がゆったりとしている点で、TDLやDLよりは少しはましだ。
しかし、私はすべてのディズニー系テーマパークが嫌いなわけではない。EPやMGM、BBなどは、また行きたいと思う。特にEPのワールドショーケースのゾーンは、1週間や2週間、毎日通ってもいいとすら感じる。
「ディズニー系テーマパークにおいても、他のテーマパークや遊園地と同様に、新しいほど快適性が高い」と言える。TDLとDLとMKは、内容が良く似通っており、パークの設計思想が比較的古い。そのため、快適性が低い。RCも古いパークだ。TLは、古くはないが、大型プールパークとしてディズニーが手がけた第1号なので、設計に失敗している点がある。EPは、パークの開業時期から考えるともはや新しいとは言えないが、設計思想は先進的で独創的なので、今もそんなに古ぼけてはいない。MGMやBBは、そもそもが新しいパークだ。
とすると、フランスのUDLは、DL、MK、TDLときて似たタイプの中で最も新しいパークなので、快適性の点では改善されているのかもしれない。いつか機会があったら、UDLも訪問してみたいと思う。
Fastpass (FP) は時間帯指定の入場整理券で、各アトラクション入口近くに設置された発券機に入場券を入れると発行される。客が時間指定をすることはできず、もっとも早い時間から順次指定時間帯を割り振られる。指定時間帯は1時間の幅で、発行枚数が増えれば増えるほど指定時間帯が1分刻みで遅くなる。
発券機のそばには電光表示器があり、その時点での指定時間帯が示されている。Fastpass を持つ客は指定時間帯に専用の入口から入り、ほとんど待ち時間なしでアトラクションに乗れるというもの(実際は15分程度は待たされたので、待ち時間はゼロではない)。
Fastpass の該当アトラクションは Map に記されており、調査時点では、Roger Rabbit's Car Toon Spin、Splash Mountain、Indiana Jones、Autopia、Space Mountain の5種。
ただし、最も待ち時間の長いアトラクションに導入されているかどうかは疑問。Rocket Rods はかなりの待ち時間のようだったが、Fastpass 対象にはなっていなかった。
Fastpass は1枚の入場券に対して同時に複数は発行されない。つまり、Fastpass をあらかじめ集めておいて待ち時間なしでアトラクションを廻るという手は使えない。試しに有効な Fastpass を持ったまま発券機に入場券を入れたところ、Fastpass は発行されず、A Fastpass is not available to you. You currently hold an active Fastpass for Indiana Jones. と書かれたカードが出てきた。
Fastpass は無料。ユニバーサル系のパークは、VIPツアーや優先入場できる入場券を用意しているが、これらの待ち時間解消サービスは、安くはない。これに対し、割増料金なしのサービスとしてディズニーがひねり出したアイデアなのだろう。来場客が待ち行列に並んで無為に時間を過ごすより、待ち時間を減らしてその浮いた時間で買い物や飲食でもしてくれれば、パークの売上アップに結びつくだろうから、考えた人はなかなか頭がいい。
良くできたシステムだが、問題点もある。朝から昼にかけて、あまり混んでいない時間帯であれば、指定された時間帯は1時間とか2時間後になり、使いものになる。けれども、午後になってどんどん混んできて、発券枚数がどんどん増えていくと、指定された時間帯がんがん遅くなる。Splash Mountain の Fastpass が15時45分の時点で、指定された時間帯が21時30分−22時30分(5時間45分後)では、使いものにならない。
ユニバーサル系とは別の視点、すなわち金払いのいい客を優遇するという資本主義的なやり方ではなく、公平感を大切にした民主主義的なやり方で、ディズニー系は行列解消の方法を探っているようだ。2000年の時点で両方体験してみて、顧客の満足度としては、ユニバーサル系の圧勝というところ。ディズニー系の巻き返しを期待したい。