視察日時:2000年8月6日(日)
場所−−−カリフォルニア州CABAZON(パームスプリングスに近い、ロス中心部の東約140km)
開業時期−不明、1991年には第1期のウエストウイングのみ存在した
営業時間−10時−20時(視察日)、金曜と土曜は21時まで
店舗数−−128(物販のみ、飲食は除外)
世界最大のアウトレットモール・ディベロッパーのチェルシーの屋外型アウトレット。名前の通り、カリフォルニア州らしい砂漠地帯のハイウェイ沿いにある。ショップの傾向としては、高級ブランドが多い。
1フロア展開のモールの規模は、広すぎず狭すぎずで、なかなかいい。なんとか歩いてひととおり回れるという感じ。
ウェストウイング(第1期)とイーストウイング(第2期)に分かれる。イーストウイングはウェストウイングよりも、高級ブランド店の割合が低い。
DHは高級ブランドに力を入れているため、魅力的な店が多い。そして各店とも、まあまあ魅力的な値付けをしている。見て回ると、なかなか楽しい。
1991年に訪れた際には、ウェストウイングしかなかったが、駐車場は何とか空きが見つかるという感じで、モール内も人通りが多く、活気があった。その後、モールとしての魅力は、イーストウイングの追加により、1991年に比べてさらに強化されているはずである。しかししかし今回は、日曜日であるにも関わらず、来店客が少なかった。寂れた感じさえ漂っていた。
DHだけ見た段階では、「なかなか良くできたモールなのに、なぜこんなに来店客が少ないのだろう」と不思議だった。しかし後日、OMに行ったら、その訳が分かった。不調の最大の理由は、OMとの競合だ。ロス中心部から見ると、DHは約140キロ、1時間半から2時間かかる。OMは、ロスからDHに行くハイウェイ10号線沿いで、DHよりもはるかに近い場所にある。ロス中心部から東へ約65キロ、1時間足らずで到着する。さらにOMは、屋内型モールである点も強い。通路の部分も、きっちり冷房が入っているので、DHのような「汗をかきかきショッピング」を強いられることがない。
日本語のパンフレットや案内板も用意されていて、距離があるにも関わらず日本人が多いような雰囲気であるが、視察日はまったく日本人を見かけなかった。
気温は、砂漠のど真ん中という感じで、日中はがんがん上昇する。おそらく、40度近くまで上がっていたものと思われる。空気は乾いているので、日陰で風が吹いていれば「あーやれやれ」だが、無風の日なたを歩いていると、肌がジリジリと音を立てている気がする。屋外型モールなので、冷房は店の中にしかない。そのため、ちょっと気になる店があるごとに、店の中に入り、充分涼んでから外に出て、また店を探すという行動を繰り返した。
人口集積地から来る動線上に、それもこっちまでの距離の約半分の場所に競合するモールを建設されては、いかにチェルシーのアウトレットモールといえども、厳しいのだろう。
日本のアウトレットモールも、いつかは競合が激化する。チェルシージャパンのアウトレットモール(日商岩井・三菱地所との提携)は、御殿場、りんくうタウンとも、現時点ではなかなか好調と聞くが、ミルズ・コーポレーション(OMをはじめとする***ミルズのディベロッパー)が日本での展開を本格化すれば、一気に熾烈な競争時代に突入することだろう。ミルズ・コーポレーションは、すでに伊藤忠商事と提携しており、本格展開のチャンスをうかがっているはずだ。