レゴランド・ウインザー(LLW)

視察日:2001年8月12日(日)


施設の概要

場所−−−英国ウインザー(ロンドンの西、電車で45分)
面積−−−不明(もとはサファリパーク)
開業時期−1996年3月
営業時間−10時−19時(視察日)
営業期間−春から秋まで(11月下旬〜3月初旬は閉園)
入場料−−大人19ポンド、子供16ポンド(視察日の為替レートは、1ポンド約185円)

施設の特徴

世界的玩具メーカー(ブロック玩具)のレゴが経営するテーマパーク。世界に4つあるうちのひとつ。オープンしたのは、ビルン(デンマーク)、ウインザー(イギリス)、カリフォルニア(アメリカ・1999年3月)、グンツブルグ(ドイツ・2002年夏開業)の順。日本でも、幕張海浜公園に建設する計画があり、2005年の開業を目指している。

内容は、2000年8月に視察したレゴランド・カリフォルニア(LLC)と80%くらい共通(LLCのレポートは「アメリカ・カリフォルニア州テーマパークレポート」を参照)。メインターゲットは幼児から小学生で、スリルライドはほとんどない。親は子供の付き添いで遊ぶという感じで、ヤングカップルの姿は皆無。そのため、ほのぼの、のんびりとした雰囲気となっている。

ウインザーには、英国王室の迎賓館として使われているウインザー城や、伝統を誇る全寮制の名門校のイートン校があり、LLWはそれに次ぐ第3の観光資源なのだが、なぜか日本語のガイドブックではほとんど紹介されていない(カリフォルニアのレゴランドも同様)。

ゾーニング

以下の8ゾーン。LLCと同様に、ゾーニングタイトルの付け方はレベルがバラバラで統一感がないが、どこにいるのかは分かる。

アトラクション&ショー

 身長制限

LLCのような、入場前の身体計測コーナーはなかった。しかしLLCと同様に、アトラクションの身長制限は細かく設定されていた。

種別 条件
身長0.9m以上
身長1.0m以上
身長1.1m以上
身長1.0m未満は大人同伴に限る
身長1.1m未満は大人同伴に限る
身長1.2m未満は大人同伴に限る
身長1.2m以上
身長1.3m未満は大人同伴に限る
3〜5歳の子供限定
6〜13歳の子供限定

 チケットブース&ゲート

チケットブースは、レゴらしいが、かなり小ぶりで質素。ゲートも、仮設イベントのような簡易なもの。LLCでレゴランドは寂しいマイナーパークではないことを知っている私は、このチケットブース&ゲートを見ても不安感を感じなかったが、はじめてレゴランドに来た人は、寂しさを感じるはず。ガイドマップはLLCと同様に、英語版のみ。

 ベビーカーレンタル

イギリスでは、比較的大きくなっても子供をベビーカーに乗せている。そのためか、LLCのベビーカーレンタルのコーナーは、客の入りの割にたくさんのベビーカーがスタンバイしていた。

 The Hill Train

入場後すぐの乗物。丘の下までの300m程度のケーブルカー。行きは下り坂なので歩いても疲れないため、行列は短かった。しかし帰路は上り坂なので長蛇の列だった。

 Driving School

LLCと同じアトラクション。電動自動車で、信号や交通標識に従いながら道路風コースを走る。6〜13歳の子供向け。3〜5才の子どもには、ジュニア・ドライビングスクーが隣に用意されている点もLLCと同じ。LLWのアトラクションの中で最も待ち時間の長いアトラクションのひとつで、視察日は夏休み中の雨の日曜日の昼前で、35分待ちだった。
Driving School Junior Driving School

 Boating School

LLCのスキッパーズ・スクールと同じアトラクション。舵とアクセルつきのモーターボートで、くねくね曲がったコースを巡る。待ち時間が長い点もLLCと同様で、今回は40分待ちだった。

 Alpha Team Stunt Show

ラグーン上のステージでのスタントショー。1日3回の公演。前半は器械体操風で笑いを誘い、後半は灯台の上からラグーンに次々と落下して息をのませる展開だった。子供は大喜びだが、大人でも充分見応えのある楽しいショーとなっていた。

 Adventurer's Wave Surfer

LLCのアクアゾーン・ウェーブレーサーと同じアトラクション。アームで固定されたボートでぐるぐる回る。ここでも人気があり、待ち時間は30分。

 I-Spy Xpress

鉄道ライド。機関車も客車もレゴ風。

 The Toy Box

Brickadilly's Circus Tentでのショー。手品主体のコメディ。1日3回公演。

 Mini Land

レゴで作られたミニチュアの街。紹介されているのはイギリスが主体で、近隣国が少々。LLCのミニランドはスケール感があったが、ここのミニランドはディテール重視型。レゴのサッカースタジアムには英国らしさを感じた。

 Extream Team Challenge

2人乗りゴムボートでのウォータースライダー。多少は濡れる。コースは短くあっと言う間に終わってしまう瞬間芸型のアトラクションだが、なぜか人気があり長蛇の列で、待ち時間は90分と表示されていた。この日は英国らしいすっきりしない天気で、朝の雨は上がっていたが薄ら寒い陽気。とうてい乗る気になれなかったが、イギリスにはスリルライドが少ないのかもしれない。

 Water Works

子供の水遊びのスペース。水鉄砲で池に浮かんだ的を狙うのが本来の遊び方だが、お互いを狙うこともできて、びっしょりになっている子供がたくさんいた。また、地面から水が噴き出す広場では、直撃を浴びる子供が続出。こんな天気でずぼ濡れになって大丈夫なのだろうかと、他人ながら心配になった。イギリス人は、低温でのずぼ濡れに強いのかもしれない。

 Fairy Tale Brook

レゴで作られた童話の世界を巡るボートライド。刺激性が低いためか待ち時間なし。内容はほとんどLLCの同名のアトラクションと同じ。

 Pirate Fall

スプラッシュマウンテンに似たボート落下系アトラクション。これも濡れるので乗らなかった。前半に展示を見る構成になっているのかどうかは分からないが、アトラクションの名称と、あっと言う間に終わるゴムボート・ウォータースライダーがあることを考えると、このアトラクションも瞬間芸型である可能性が高い。待ち時間は30分となっていた。

 The Dragon Coaster

LLCのザ・ドラゴンと同じアトラクション。あっと言う間に終わってしまう点も同じ。15分待ちの表示だったが10分待ちで乗れた。出口には走行中の写真販売のブースまであったが、買っている人は皆無のようであり、この点もLLCと同じ。

 Pirate Goldwash

LLCのザ・キングス・トレジャーと似た子供向け砂金すくい風ゲーム。LLCでは不器用なアメリカ人向けということで、直径1センチくらいある貴石いくつか見つかるが、ここではそんなに不器用ではないイギリス人向けと言うことで、見つかるのは銀のような金属の粒で、直径は3ミリくらいしかない。ちゃんと見つけると、受付でメダルに変えてくれるというしくみだった。1回1.5ポンド。

飲食&物販

 飲食

LLCと同様に、少ない入場者数を想定して作られたテーマパークであるため、飲食施設も多くはない。それでも、長蛇の列とか、席が見つからないという事態にはなっていなかったので、キャパシティは充分にあるようだ。

 物販

園内に4カ所あるが、中心は出口付近のザ・ビッグ・レゴ・ショップ。商品はレゴ製品ばかり。閉園10分前に行ったら、適度に賑わっていた。

 記録資料類

LLCとは違って、スーベニールブックは売られていなかった。アメリカとイギリスの国民性による違いだろうか。アメリカ人はイギリス人よりも、おみやげを買うのが好きなのかも。

備考

 運営施設

迷子センターは、迷い親センターとなっていた。また、トイレの男女の表示は、もじもじした子供のイラスト。「このパークは子供が主役」ということが楽しく伝わってくる。特にもじもじ子供イラストは、ユーモアのセンスがいい。

 来場者層

大半が白人で、たまに黒人という、ロンドンの街並みと同じような客層。アジア系はほとんど見かけなかった。

企画のネタとして

LLWの3年後に、LLCがオープンした。この2つを見比べると、レゴランドが、どこをそのまま残し、どこを改良したかが一目瞭然であり、興味深い。

大きく違うのは、まずスケール感。LLWはもとサファリパークということで、敷地の制約が多かったのだろうが、全体的にチマチマしている。しかしLLCは何もない原野に作ったので、のびのびと広い。レゴランドの中心的展示施設であるミニランドの作り方にも、この違いがよく現れており、巨大なものばかり並んでいるLLCと、大きさではなく細部までの仕上げの完成度にこだわったLLWは対照的だ。このミニランドについては、アメリカ人とイギリス人の国民性の違いも関係しているのかもしれない。

また、アトラクションの品揃えもやや違った。LLWはスリルライド系が3つもある(LLCはコースターの1つのみ)。これは、他のテーマパークとの競合状況の違いからと思われる。イギリスには、スリルライドが充実したテーマパーク(ライドパークと言われることもある)が少ない。私が調べた限りでは、ロンドンからの150キロ離れたバーミンガム近郊にあるドレイトン・マナー・ファミリー・テーマパークのみ。テーマパーク集積地のロサンゼルスに近いLLCと違って、LLWの場合は、スリルライドの存在が集客力強化に役立つのであろう。

共通であったのは、パークの運営レベルの高さと、従業員の熱意や情熱。園内は清掃が行き届いており、サインも充実していて、ストレスなく歩き回ることができた。また、園内の随所に見事なガーデニング作品が展示されており、イギリスらしさを感じた。

参考資料 −−− スポンサー企業一覧(32kBのJPEG画像)


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