アウトレット・アット・アルバートビル（ＯＡ）アウトレット・アット・アルバートビル（ＯＡ）視察日：２００２年８月４日（日）
場所−−−ミネソタ州アルバートビル（セントポールの北西４０マイル）
面積−−−不明、ＷＰＯよりもやや広い
開業時期−不明、あまり古くない
駐車台数−不明、ＷＰＯよりはるかに多い
営業時間−１０時−２１時、日曜は１０時−１９時
店舗数−−７１店
全米に約３５カ所、日本に３カ所の屋外型アウトレットモールを展開するチェルシー・プロパティ・グループ。そのうちのひとつが、アウトレット・アット・アルバートビル。
チェルシー系列らしい、小綺麗な１フロア・オープンモール。床の材質や色、各テナントのひさしの色などで、洗練された雰囲気を出そうと努めている。売場面積はやや広めだが、このくらいならがんばってすべての店を見てみようと思わせるサイズ。全体的に各店舗の面積が揃っており、明確なアンカーテナントは存在しない。買い物客の歩行動線、駐車場内の車の移動動線ともにゆったり太く作られていて、気分がいい。
ビルディングＡ、Ｂ、Ｃの棟が曲がりながら連なる形状。建物の南側のスペースが駐車場。
ファッション主体で、入っているテナントはチェルシー系のアウトレットにおける常連組が中心。比較的にぎわっていたのは、エディーバウアー、アイゾット、ポロ・ラルフローレン、ギャップ、バナナ・リパブリック、ブルックスブラザース、リーバイス、オッシュコッシュ（子供服）、ナイキ、アディダス、サムソナイトなど。これらのショップはどこのアウトレットでも比較的好調に見える。
なお、私が個人的に好きなリーボックはあまり流行っていなかった。ナイキに比べて、商品が地味すぎるためと思われる。
駐車場は広大で、建物の近くは満車状態だが、やや建物から離れれば空きが充分にあった。買い物客の数は、アメリカの普通のアウトレットと同程度。大混雑という人手ではないが、そこそこにぎわっていた。動線がゆったり太く作られているので開放感がある。
たった４店舗のフードコートだが、しっかりと営業していて安心した。明るく広々としており、いかにもチェルシーらしい作り。夕方なので利用客は少なかったが、どの店も店員が元気で、清掃もしっかり行われていたので、まあまあの売上を確保しているものと思われる。
英語版の場内マップ＆テナント一覧が、あちこちでカタログホルダー配布されていた。チェルシー系の統一的なデザインのもので、なかなか読みやすく洗練されたパンフレットとなっている。テナント数店のクーポンや、近隣ホテルのクーポンが掲載されており、高級感はないが楽しい雰囲気になっている。
チェルシー系のアウトレットでよく見かける場内トロりーが、ここでも運行されていた。それほど広くはないので、ＯＡの場合は必需品とは思えないが、顧客満足を追求した先進的なアウトレットとしてのイメージ訴求には充分役に立つ。実用性がまったくないわけでもなく、手前で乗って、どんなショップがあるのか眺めながら奥まで行って、帰りは各店を巡って帰ってくるという、疲労度を抑えた買い物行動作戦が立てられるので、足の弱い人や高齢者には素晴らしく助かるシステムだ。足の丈夫な人は、１５分に１回のトロりーを待たず、さっさと歩いて行くので、トロりーを待つ人はそれほど多くなく、そのため乗りたい人が間違いなく乗れるという混雑度になっていた。このあたり、実に良く考えられている。
小ぶりな子供向けプレイグラウンドが設置されていた。ウッドチップが敷きつめられ、見た目はあまり美しくないが、足元はふかふかになっていた。
すみずみまでチェルシーらしさが感じられるアウトレットモール。しっかり賑わっていて、ちゃんと成功しているようだ。２０００夏に視察したＬＡ郊外のデザートヒルズ（チェルシー系列、日曜日に視察）よりもＯＡの方が、来場者数が多いように見えた。
競合が心配されるＭＯＡはＯＡの南東３５マイルにあり、時間距離は１時間以内。ＷＰＯよりもＭＯＡから離れているが、しかしたいした差ではない。ＯＡがしっかり集客に成功しているということから考えるに、ＷＰＯの敗因はＭＯＡとの競合だけではない。
ＯＡが成功している主因は、テナント構成の強さだ。集客力の強いブランドがずらりと揃っている。このような魅力的なショップを集めることができるという点が、チェルシー系列の最大の強みであるように思える。ＯＡと比較すると、ＷＰＯのテナント構成は数段劣っていた。アメリカではとっくの昔にアウトレットモールの淘汰が始まっている。貧弱なテナント構成では、どうしても勝ち目はない。ＷＰＯが衰退していくのは、当然のことなのだろう。
