ブルーマン・グループ(BMG)

視察日:2002年8月11日(日)


ショーの概要

会場−−−ホテル・ルクソールのルクソール・シアター
出演−−−ブルーマン・グループ
料金−−−87.45ドル
公演回数−1日2回(19時、22時)
休演日−−火曜の22時・金曜の19時

ショーの特徴

ニューヨークのストリートパフォーマンスから誕生した型破りなパフォーマンスショー。言葉はほとんど使わず、怪しい照明と奇妙な音楽の中で、観客の感情を揺さぶり続ける。

1991年にブロードウェイで上演して以来、その衝撃的な構成によりアメリカで一大ブームを巻き起こした。ボストンやシカゴでも上演され、ラスベガスでも連日満員の盛況となっている。

公演の様子

 チケット購入

ルクソールのホームページで6月下旬に申し込んだ。予約システムはまあまあ良くできていて、簡単に予約ができる。しかし、当日劇場の窓口でチケットをもらうまで、どの席なのかは分からない。この点で、ベラッジオの方がシステムとしては上。

 チケット受取

宿泊したマンダレイ・ベイから会場のルクソールまでは、モノレールが通じているので便利。チケット受取は、開演の2時間前までに劇場入口のチケットオフィスで受け取るルール(メールをよく見たらそう書いてあった)。劇場窓口に到着したのは開演45分前の18時15分だが、すんなり手に入った。

 入場

18時30分、劇場に入場。ステージに向かって右手だが、前から7列目でかなりステージに近い。ステージ近辺の客席には透明ビニールのポンチョが置いてある。この時点で、すでに怪しい。絵の具まみれになりながらドラムを叩くシーンがあるので、その際に着た方がいいということなのだろう。しかしビニールポンチョを着ても、絵の具が飛んでくるのは恐ろしい。どうなることかと不安がよぎる。

開演15分前には、係員が出てきて、観客に紙テープ(長さは適当に3mずつくらい)を配布する。何に使うのか分からない。ある者はバンダナのように頭に巻き、ある者は身体にぐるぐる巻き付けている。怪しさが一層募る。

 公演

1時間半のステージは、怪しくへんてこりんだが、なかなか楽しく、そして途中で何回もどきどきさせられた。万人受けするショーではない。しかし、前衛芸術のような「分かるやつだけ分かればいい」という姿勢ではなく、アメリカ人らしい、いかに客を楽しませるかというサービス精神は旺盛で、もてなされた気分がした。

基本的に、打楽器を打ち鳴らしながらのコミカルなパフォーマンスショー。観客参加性も高く、2名がブルーマンに連れられてステージに上がり、女性はコミカルなショーに参加させられた。男性は白いつなぎを着せられ、その上から絵の具を塗られ、さらに逆さ吊りにされて人間の魚拓を取るというハードメニューだった。さらに、途中で遅れてきた人が場内カメラで撮影されステージ状の画面に表示され、「あんたは遅刻だ」とアナウンスされるシーンも。

色水を風船に詰めて巨大発射装置で的に当てるシーンは、いくつかを白い板に当てて壮大な芸術作品を作った後、予想通り、観客席を向いた。誰を狙うか、射手は右へ左へ発射装置を振っている。これはむごいことになりそうだ。観客席に一斉に緊張が走る。ポンチョ席の観客は、タオルやハンカチで顔をかくし、自分のポンチョを引っ張って少しでもカバーできる面積を広げようとしている。ポンチョ席のすぐ次の列の観客は、ポンチョを持っていない。そのため前列の人間の影に身をかがめじっとしている。前列の空席からポンチョをひっつかんであわてて着るという賢い客もいる。劇場全体が凍り付いた数分間であった。

エンディングでは、客席後方からもじゃもじゃ状態のトイレットペーパー状幅広紙テープが登場、前方へと頭の上を通過していく。途中で切れたりして、客席は紙テープの散乱状態。ワールドカップ決勝の万羽鶴と似た状況。万羽鶴のプランナーはブルーマングループを見てヒントを得た可能性もある。

 退場

終演後、バンドメンバーや絵の具まみれになったブルーマン3人がロビーでお出迎え。記念写真におさまったり、青いキスマークをサービスしたり。近くで見ると、一層気味が悪い。記念写真は取りたいが、あまり近くには寄りたくない、という不思議な雰囲気となっていた。

飲食&物販

 劇場内軽食売店

あったかどうか覚えていない。

 グッズショップ

入場前・終演後とも、そんなに混んではいなかった。プログラムは8ドルで、オーより2ドル安い。載っているのは奇妙な写真ばかりなので、当然、あまり売れていなかった。

備考

 ホテル・ルクソール

ホテルは、ピラミッド形の巨大な建物。BMGが光の反射でピラミッドの形を作っているポーズは、このホテルの形状を示している。

なお、このホテルはベラッジオとは大違いで、比較的カジュアルな路線。フードコートにはマクドナルドなどのファーストフードが何軒も入っていて、安い食事に困らない。

企画のネタとして

出演者はパフォーマーが3人。バンドやアシスタントを入れても総勢17人くらい。さっぱりとした舞台装置で、小道具もたいしたものはない。オーとは対照的に、お金がかかっていない。しかし、ショーの中身が良くできているので、それで寂しいという気はしない。オーとは質がかなり異なるが、観客はしっかり満足感を得られる。連日満員となっているのは、このためだろう。

セリフはほとんどないので、90%くらいのシーンでは英語力は不要。オーと同じように、英語が苦手な人でも楽しめる。このような方向が、ラスベガスの新しいショースタイルなのかもしれない。

なお、口から食べ物を吹き出すなどの下ネタもいくつかあり爆笑を誘っていたが、日本人には不快に思う人も少なくないはず。また、PAの音質がよく、バンドはツインドラムで重厚な音を出していたが、サウンドとしては70年代ロック風で、とにかく音量で勝負という感じ。シアター入口には希望者のための耳栓があったが納得である。うるさいサウンドが好きでない人にはつらいかもしれない。

次の項目 −−− ランスバートン

シカゴ・ラスベガス・シアトル近辺 集客施設/イベント・視察レポート 目次

海外集客施設/イベント・視察レポート メニューページ

トップページ