ランスバートン

視察日:2002年8月13日(火)


ショーの概要

会場−−−ホテル・モンテカルロのランスバートンシアター(専用劇場)
出演−−−ランスバートン
料金−−−59.95ドル(メインフロア&中2階)・54.95ドル(バルコニー席)
公演回数−1日2回(19時、22時)
休園日−−日曜・月曜

ショーの特徴

ランスバートンは、権威ある大会のグランプリを史上最年少の22歳で獲得して以来、各賞を総ざらいしており、マジック界の貴公子と呼ばれている。小さなカジノでのショーから着実に成功を重ね、今ではメジャーホテルに専用劇場を持つに至った。目玉は脱出ものやスポーツカーが瞬時に消えてまた出てくる壮大なイリュージョン。

公演の様子

 チケット購入

ランスバートンのホームページ(ホテル・モンテカルロのホームページとは別)で6月下旬に申し込んだ。予約システムはまあまあ良くできていて、簡単に予約ができる。何より、日本語で予約できるのが素晴らしい。しかし、当日劇場の窓口でチケットをもらうまで、どの席なのかは分からない。この点で、ルクソールよりも上だが、ベラッジオにはかなわない。

 チケット受取

宿泊したマンダレイ・ベイから会場のモンテカルロまでは、モノレールに乗って、その後は歩いた。気温が高いので、なるべくホテルの中を通っていったが、部屋からモンテカルロまで35分もかかった。チケット受取は、開演の1時間前までに劇場入口のチケットオフィスで受け取るルール。劇場窓口に到着したのは開演1時間45分前の17時15分だが、窓口は閑散としていた。劇場窓口の造作も古くくたびれていて、「このショーは、あまり流行っていないのかな」と予感させる。窓口に日本語のパンフレットがあり、驚いた。

 夕食

開演まで1時間半以上あるので、モンテカルロのビュッフェで夕食。ここのビュッフェは伝統的なラスベガス風のビュッフェ、すなわちそんなに高くないお値打ち系で、1人13.75ドル。ベラッジオのビュッフェの半額以下だ。しかしこんなに安いのに、誰も並んでいない。

店内は、ベラッジオと比較するのはかわいそうだが、ずいぶんくたびれて場末の雰囲気。もう長いこと、改装工事をしていない。照明もやや暗め。ウェイトレスもかなり平均年齢が高く、お達者クラブのようだ。ベラッジオのビュッフェのウェイトレスは、若く細い美人しかいなかったが、きっと人件費もここのウェイトレスの2倍以上なのだろう。

しかしその反面、店員は全員がのったりのったりと歩いているので、店の雰囲気は落ち着いている。「のんびりじっくり食べていってください」と歓迎されている気がする。これはこれで悪くない。食べ物は、高級とは言えないが、しかし14ドルぐらいでこれだけいろいろあれば、口に合うものが必ず見つかる。外見はぱっとしないが、誠実なビュッフェ、というイメージを持った。

のんびり1時間半過ごして、18時40分に店を出た。店の前には客の行列ができていて、何だか安心した。

 入場

18時50分、劇場に入場。内装は、古い伝統的な劇場風。パンフレットにはロンドンのウエストエンドのミュージカルシアターをイメージしている、とのこと。確かに前年にオペラ座の怪人を見たハー・マジェスティーズ・シアターにとても良く似た感じ。

 公演

約1時間半のステージ。おなじみのコインや鳩を出す手品から、一瞬のうちにアシスタントの女性と入れ替わったり、スポーツカーを消したりするイリュージョン系のマジックまで、飽きさせずに見させる。マジックに客席の子どもを参加させ、客席に返す前には一緒に記念写真を撮ってプレゼントする趣向もある。

袖に鳩やコインを隠していないことを見せるため、わざわざ洋服の袖口をまくり上げて鳩を出す演技は、実に不思議。アシスタントとの入れ替わりもどうなったのか、さっぱり分からなかった。

飲食&物販

 劇場内軽食売店

あったかどうか覚えていない。

 グッズショップ

入場前にショップで暇つぶしをした際、レジ・カウンターの上にプログラムを発見した。値段を聞くと、チケットを確認した上で無料で人数分をくれた。しかし、劇場に入る人全員が持っているわけではない。申し出た人だけがもらえるのか、または代理店からではなく劇場で直接チケットを買った人だけがもらえるのか、詳細は不明。

全ページカラー印刷だが、紙が薄い。軽くていいが、少し寂しい。ランスバートンの写真は若い時のものばかり(屋外広告塔も同じ)。そのため、30歳くらいのマジシャンだと思っていたのだが、ステージに出てきたのはかなりのお年寄り(私が見た感じでは60歳くらい)なので、驚いた。

備考

 チケット価格

2003年夏の時点では、65.95ドル(メインフロア&中2階)・60.45ドル(バルコニー席)に値上げされていた。

 公演日

火曜と土曜は19時と22時、水曜から金曜は19時のみに変更。週あたりの公演回数が減少している。

 ホテル・モンテカルロ

モンテカルロはベラッジオやルクソールよりも古くからあるホテルで、伝統的なラスベガススタイル(ルームチャージは安く、レストランも安く、収益はカジノのみに期待するタイプ)を貫いている。あらゆる面において、ベラッジオとは対照的。刺激性やスピード感は弱く、のんびりまったりとしていて、癒し系のホテルと言える。

また、モンテカルロは今回観察した4つのホテル(宿泊したマンダレイ・ベイを含む)の中で、最も日本人の割合が高かった。ホテルの規模のわりにルームチャージが安いので、パッケージツアーに組み込みやすいものと思われる。

企画のネタとして

マジックショーは、出演者がとても少ない。だから、広いステージの真ん中にぽつんとマジシャンが立っているというシーンがどうしても多くなる。ランスバートンのショーでは、途中でジャグラーを登場させて変化を付けようと努力していたが、やはり限界がある。基本的にマジックショーは、大きな劇場には向いていない。視察した際はかなり前の方の席だったので出演者の表情も良く見えたが、後ろの方になると、常時双眼鏡越しに見物する羽目になる。

10年前にラスベガスに来たときは、ショーの主流はレビュー・スタイル(歌や踊り、コミカルパフォーマンスなどの要素がごっちゃになった形式)で、2番目に多いのがマジックショーだった。食事しながら見物するディナーショーや飲物付のカクテルショーの2種類があって、19時ころにディナーショー、22時ころにカクテルショーという1日2回公演、カクテルショーはディナーショーよりも安いというのが一般的だった。また、ディナーショーは子供も可、カクテルショーは子供不可となっていて、ショーの内容もカクテルショーになるとダンサーがトップレスになるなど、演出を変えていた。この2種類しかないうちは、観客もこれで満足していたのだろう。どのショーも大入りで、チケットの入手が大変だった。

その後、新しいスタイルのショーが続々と登場してきた。ラスベガスのショースタイルは、一気に多彩になった。いろいろなスタイルから、自分の好きなものを選ぶことができるようになり、この点もラスベガスの魅力度アップに大きく貢献しているはずだ。その中で、伝統的なスタイルのレビュー・ショーとマジックショーは、いつまで生き残ることができるのだろうか。

なお、今回見物した3つのショーは、いずれもホテルのイメージとよくマッチしていた。豪華で洗練=ベラッジオ=オー、独創的=ルクソール=ブルーマングループ、伝統的で親しみやすい=モンテカルロ=ランスバートン、となる。もはやショーは、ホテルにとってはオマケ的な存在ではなく、ホテルのイメージを引っ張る主役的存在となっているので、自分のカラーにあったショーを考えて上演しているようだ。だとすると、これから新しくラスベガスに登場する巨大ホテルは、必ず新しいスタイルのショーを開始するはずだ。ラスベガスのホテル建設はまだまだ続いているらしい。またおもしろいショーが始まったら、見に行きたいと思う。

昼間はプール、夜はショーがあれば、カジノに行かなくても、ラスベガスは2週間は飽きない。滞在費もハワイよりは安い。次に1週間か2週間アメリカ方面に行くことになったら、元気ならラスベガス、疲れていたらハワイにしたいと思う。

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