ブリザードビーチ(BB)

視察日:1997年8月8日(金)


施設の概要

場所−−−WDWリゾート内(オーランド市中心部の南西30km)
面積−−−不明
開業時期−1995年4月
営業時間−20時まで(視察日)、夏季以外は夕方まで
入場料−−大人24.95ドル、子供19.5ドル

施設の特徴

「気まぐれな冬の嵐が、暖かいフロリダに大雪を降らせたので、スキーリゾートが作られた。しかしその後、雪が溶けて水がたまり、ウォーターパークに変身してしまった」というおかしなコンセプトのウォーターパーク。真ん中にそびえる雪山から、スキー風、ボブスレー風など、ウィンタースポーツ感覚で滑り降りてくるスライダーがアトラクションの中心。

アトラクション

 入場するまで

タイフーンラグーンを13時に退園して、水着のままブリザードビーチへ移動した。13時20分に駐車場に着いたら、ゲートからはかなり離れたところしか空いていなかった。トラムもなく、強烈な日差しの中をとぼとぼとゲートへ。貸しロッカーはTLと同額、小さい方で使用料3ドル+デポジット2ドル。タオルの貸し出しサービス(有料)もTLと同様。

 ビーチベッド&ビーチチェア

一見して、TLよりも陸地の面積が大きく、ビーチベッドやビーチチェアも数が多い。そのためであろう、ビーチベッドやビーチチェアには空席がポツポツあり、少し探せば2席や3席まとめて確保することも可能だった。この点では、TLよりもはるかに進化している。入園してすぐ、席が空いてなくて途方に暮れるのでは、第一印象がたいへん悪くなるので、この点は重要だと思う。BBはTLよりも6年も後にできたパークなので、まあ、当たり前と言えば当たり前ではあるが。

 メルタウェイ・ベイ(サーフプール)

TLみたいな大波ドカンではなくて、マイルドな波なので、大人としてはちょっとつまらないが、小さな子供連れならこっちの方が安心。

 クロスカントリー・クリーク(流れるプール)

浮輪が無料で、たくさん流れている点はTLと同じ。TLと違って空き浮輪が多いので、ほとんど待たずに乗れた。流れるプールにおける人口密度も、BBはTLより低い。コースはかなり長く、TLと同程度に演出が凝っていて、楽しいのでここでも2周漂っていた。1周はTLとほぼ同じ、30分程度。

 リフト

スライダー類は、パーク中央にそびえたつ高さ30mのマウント・ガシュモアからふもとに降りるレイアウトとなっている。山には歩いても上れるが、リフトがあるので行ってみた。

ウォーターパークにリフトを設置すること自体かなりぶっ飛んだアイデアだが、単なるリフトではインパクトが足りないと考えたのだろう、パークのコンセプトに沿って楽しく演出されている。席の上にはビーチパラソル風のフードがかかり、トロピカルな雰囲気。そして乗り場で座ってセイフティバーを下げると、なんと背後に隠れていたスキーの板(2人分)が足元にセットされる。見ていて、ほれぼれするような小粋な演出だった。

 スライダー

楽しいリフトは20分待ち。乗りたかったのだが、このころからときおり陽がかげり、気温がだんだん下がってきて、遠くないところに雨雲まで見えてきた。スコールの前兆である。降る前に何かひとつくらいはスライダーをと思い、歩いて上ることにした。

スキーのジャンプ台を模したスライダーのサミット・プラメットは、ものすごい水しぶき。高さ30mの山の頂点から、ほとんど真下へ向かうような角度で滑り出し(というか落下を開始し)。最高時速は97キロだか105キロだか、とにかく速い。「あんまり速いので、ブラがズリ上がる」という情報を得ていたので、ふもとでしばらく見ていたが、上下に分かれた水着で滑り降りてくる無謀な人は皆無だった。

スライダー類は6種類。身体だけ、マット使用、チューブ使用がそれぞれ2種ずつ。さらにファミリー向けの急流ボート下りが1種あり、基本構成はTLと良く似ているが、随所に工夫がなされていて、全体的にTLよりも楽しくできている。行列の待ち時間も、TLより長い。中でも面白いと思ったのは、トボガンレーサー。マットの上に腹ばいになって、8人が一斉にスタートする競争型スライダー。距離はたいして長くないが、頭が下で、競争もできるという点がユニーク。スキーのデュアルレース(2人同時にスタートするレース)の感覚に近い。パークのコンセプトともきちんと合致している点も素晴らしい。

 急流ボート下り&スコール&退園

ひとつぐらいは下り型のアトラクションを体験してみようと思い、たいして恐ろしくはなさそうなボートの急流下りのチームボートスプリングスの列に並んでみた。ガイドマップによると、世界で一番長いファミリーラフトライド。待ち時間は30分。

しかし並んだらすぐにカミナリがピカピカし始めた。雨だけなら何とかなるが、小高い山の上の方にいるのでカミナリは怖い。どうなることかと思ったらすぐにアナウンスがあり、プール、スライダーとも全面的に一時中止。プールに入っている人も、全員出るように、とのこと。

急ぎ足で山を下りる人の列に続いて、でも雨はバラバラと降ってきて、東屋の中に逃げ込んだ。雨は冷たく、さらに風も吹いてきて、一気に気温が下がり、さっきまで真夏だったのに、いきなり秋の終わりか冬の始まり、という感じ。15分くらい粘ってみたが、空が明るくなる気配はない。来場者はどんどん引き上げていく。この気温では、もしも雨が上がったとしても、遊ぶ元気が残らないだろうと思い、私たちもあきらめて帰ることにした。

雨はゲートまで歩く間に、土砂降りとなってしまった。そこでゲート近くのショップに逃げ込んだ。雨宿りする人で、ショップの中は超満員。ここで10分くらい粘ってみたが、全然雨が上がる気配がない。あきらめて、肌に痛い激しいスコールの中、クルマまで走った。

クルマの中で予備のタオルで体を拭いて、ヒーターで車内を暖めて、ホテルで温かいシャワーを浴びて、ようやく生き返った気がした。雨は3時間ぐらい降り続いた。

 その他

園内は随所にスキー場の演出があり、とぼけていて楽しい。

子供用プールとしては、幼児向けのキッズプールに加えて、フィールドアスレチック的な遊具が設置されている小学生ぐらい向けのプールもあった。

飲食&物販

 飲食売店

飲食施設は、ファーストフード主体で5店ほど。昼食時の混雑状況は不明。

 物販売店

ゲートから入園するメイン動線上のとても目立つ位置に、TLよりも大型のショップが1店。

 ペニーつぶし

2個をゲット。ブリザードビーチと、スイム・グーフィーです。ペニーつぶしの絵柄の点でも、BBはTLと似ている。

備考

 混雑状況

大混雑で狭苦しく感じたTLと比較すると、BBはゆったりとしていて、混雑はしていたが、タイフーンラグーンのように息苦しくなるほどではなかった。

 食べ物の持ち込み可

TLと同様に、ディズニーのパークとしてはめずらしく、飲食物の持ち込みが可であった。

企画のネタとして

TLと同様に、BBも明確なテーマ性があり、きっちり作られていて、魅力的なアトラクションも用意されており、さすがWDWの一員という感じ。TLと比較すると、BBは随所に改良の跡が見られ、きわめて完成度が高い。おそらく、現時点ではBBが世界で最も魅力的なウォーターパークではないかと思う。

特に、快適性の向上は著しい。陸地の面積が広く、ビーチベッド&チェアも充分に用意されているため、あせって園内で席探しをする必要がない。これは心理的には、かなり違う。この点だけでも、BBを見た後では、TLの魅力は少々色あせてくるほど。開業時期の6年の違いは、きわめて大きいと言える。ディズニーにとっては、TLは本格的プールパークの第1号であったため、欠点が目に付くのも仕方がないかもしれない。しかし第2号のBBで、かなり高いレベルのパークにきっちりと仕上げるあたりは、さすがにディズニー。

予期せぬスコールで引き上げたため、充分に楽しむ時間がなかったのが残念。次にオーランドに行く機会があったら、TLには行かなくてもいいが、BBではまる1日過ごしたいと思う。できれば、スライダーの待ち時間が少ない、閑散期にしたい。しかし、オーランドのプールパークの閑散期はいつなのか、良く分からない。フロリダはそもそも避寒地として、冬、NYなどから来るところ。だから冬はけっこう混むらしい。夏と冬の休みの時期を外した、春と秋が閑散期なのかもしれない(6年前の10月は、確かにそれほど各パークが混んでいなかったような記憶がある)。

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