視察日:1997年8月8日(金)
場所−−−WDWリゾート内(オーランド市の中心部の南西27km)
面積−−−パーク面積23ha
開業時期−1989年6月
営業時間−21時まで(視察日)、夏季以外は夕方まで
入場料−−大人24.95ドル、子供19.5ドル
台風に襲われた直後の南太平洋の小島をコンセプトとするテーマ性の高いウォーターパーク。WDWの3ウォーターパークのひとつ。火山の上の座礁した船がシンボル(30分ごとに汽笛が上がり水が噴き出す)。熱帯雨林のジャングルや生い茂るトロピカルな雰囲気。
ホテルの部屋で水着を着て、その上にTシャツと短パンを着て、開園時刻の9時に合わせてホテルを出発、9時10分に到着。駐車場はゲートからそう遠くないところに止められた。
入園して、まず貸しロッカーの小さい方(使用料3ドル+デポジット2ドル)を借りた。タオルも有料で貸してくれるが、ホテルのものを持参したので借りなかった。
プールサイドに行ってみると、この時点でビーチベッドは満席に近く、チェアは半分くらい空いている、しかし、木陰のスペースはもう満員、という状況。そこで、サーフプールに面した日なたの砂地で、ビーチベッド1台とビーチチェア3個を確保した。見ていると、その15分後ぐらいには、チェアも満席になってしまった。
波の出るプール。2〜3分おきに、ドーンという音とともに波が一波だけ起きる。その大きさが半端ではなく、深さによっては大人でも身体が持って行かれるほど。波が出るときは、それまでのんびり座っていたライフガードも全員が一斉に立ち上がって水面を注視していた。とても楽しいが、運営負担が少なくはない。またこのプールは、危険防止のためか、ボードや浮輪類の持ち込みは禁止となっていた。
サメのプール。入場して間もない10時前後に行ったら、待ち時間なしだった(正午ころには40分待ちになっていた)。入口脇にあるシャークリーフ・ダイブショップで、ウェットスーツのベストと、マスク、シュノーケルを貸してくれる(無料)。マスクとシュノーケルは1サイズのみなので、サイズを自分で調整する必要がある。
装備を付けたら水に入る。プールよりずっと冷たくて、塩水。プールの中は一方通行になっている。水に入ったらバシャバシャ前進するのではなく、ぷっかり浮く。下を見ると、鮫やエイが泳いでいる。上昇してきて、すぐ近くまで接近してきたエイがいたので、試しに手を伸ばしてみたら、背中に触ることができた。ゆるやかに水が流れているので、浮かんでいるだけでもゆっくりと進み、ほんの数分で向こう側(約25m)へ到着する。水から上がったら、ベストなどを水洗いして、カウンターに返却する。基本的にセルフサービスになっている。
水深は3m前後、大人でも足は付かない。しかしベストには多少の浮力があるので、多少泳げる人なら溺れることはないであろう。それに、数名のライフガードがプール中央で浮き具を持って監視しており、危なそうな人の手助けをしていた。
このような内容ならば、日本であれば年齢制限や泳力制限を厳しく行うはずだが、ここではあまり厳しくない。見るからに泳げなさそうなやや高齢の女性や、未就学児ではないかと思われるほど小さな子供も、どんどんプールに入っていく。そして案の定、ライフガードのお世話になり、浮き具につかまらせてもらっている。このような客が次から次へとやってくるので、ライフガードは大忙しである。かなり運営負担の大きなアトラクションとなっている。
私の娘(小1)は、25mくらいは泳げるのだが、マスクとシュノーケルを使うのは初めてだったのでびびってしまい、水に入ったところでジタバタしてしまった。水に入る前からライフガードに目を付けられていたようで、すぐそばにライフガードのお姉さんがいて、浮き具につかまらせてくれた。そしてそのまま対岸まで、ぐいぐい引っ張ってくれた。びびっている娘は必死の形相で浮き具にしがみついているだけで、水の中を見る余裕がなく、このプールの楽しさが分からず終いだった。
浮輪(無料)に乗った人が、続々と流れていく。1周の間に5カ所くらい、浮輪の停留所みたいな場所がある。そこで数人の列に並んで、空き浮輪を待った。浮輪はかなりの数があり、また停留所で降りて上陸する人も少なくないので、すぐに自分たちの浮き輪が回ってきた。
水面の浮輪密度は高く、ほとんど自由に動けない状況だが、流れにまかせてのんびり漂っていくのは、なかなか快適。難破した船から脱出した人々が、ゴムボートでジャングルの中の小川を進む、というシーン設定になっていて、随所に凝った演出があって、非常に楽しい。1周で30分くらいとけっこう長いが、全然飽きないので、2周ほど漂っていた。
1日20ドル、1時間5ドル。安くはないが、午前中のうちに満席になっていた。
スライダーは4種類(そのうち2種はチューブ使用)、さらにファミリー向けの急流ボート下りが1種あったが、長い行列ができていたので、トライしなかった。キッズプールは、小学生よりも小さい幼児向け。
飲食施設は、ファーストフード主体で5店ほど。昼食時はどの店も大混雑で、15分近く並んだ。
更衣室&ロッカーの近辺に小さな売店が1店だけ。
2個ゲット。
昼頃には、かなり過密な状態となっていた。ビーチベッドやデッキチェアはかなりの数が用意されていたが、入園者の数がそれを大きく上回っていた。また、席がなくても、空いている地面があれば、そこにタオルを敷いたりして荷物を置いたり座ったりできるが、見渡す限り、そのような場所すらほとんど残っていなかった。夏休みの週末、日本の遊園地プールは、プールの中は芋洗い、プールサイドは座れる場所もない、という悲惨な状態になるが、似たような状況だった。
若者なら、荷物は少ないし、砂の上に座って休むことができるので何とかなるだろうが、小さな子連れだと、席なしはつらい。子連れは荷物が多いし、乳児などは砂の上に座らせると後で大変だし。敷くものを持ってこなかった私たちも、この時間に入場したなら、どこで休むか途方にくれていたことと思われる。そこで、退園する際は、子連れの客が通りかかるのを待って、席を譲った。
飲食売店が不足しているためか、ディズニーのパークとしてはめずらしく、飲食物の持ち込みが可であった。
プールパークでも、おしゃれで洗練された楽しいテーマパークを作ることができるというお手本。施設のスケールや完成度、演出の楽しさ、運営レベルの高さなど、さすがディズニーが作るとすごい、と感じた。プールパークなのだから、しっかり水に入って、それでいてとても楽しいパークにしよう、という設計思想も素晴らしい。
テーマ性のあるウォーターパークとしては、日本には宮崎のシーガイアやワイルドブルー横浜があるが、楽しさのレベルが数段違う。入場料が大人で25ドル程度と決して高くはないのに、これだけ充実した施設ができるのは、1年を通じてプールパークへの入場者を期待できるフロリダの気候だからこそであろうが、まことにうらやましい限りである。日本にもこのようなパークができて欲しいと思う。沖縄あたりで、何とかならないものであろうか・・・。冬は泳げない沖縄では、やはり無理なのであろうか・・・。
内容的には文句の付けようがないが、しかし、入場者コントロールには不満が残る。視察日のTLは、どう見ても客を入れ過ぎだった。「園内の快適性が損なわれるほどのゲストを詰め込まない(入場制限する)」というのがディズニーのパーク運営の大原則のひとつであったはず。もしかしたらこのパークでは、快適性の基準を、陸地(休憩・荷物置きスペース)ではなくて、水面(プール内の人口密度)としているのかもしれない。それもひとつの考え方ではあるが、あれだけ客を入れるのであれば、もう少し陸地と水面の面積比のバランスをとらないと、弱者に厳しいパークになってしまう。