視察日:1997年8月4日(月)
場所−−−WDWリゾート内(オーランド市中心部の南西26km)
面積−−−パーク面積43ha、WDW全体の面積11,330ha
開業時期−1971年
営業時間−9時−24時(視察日)、閑散期は21時までらしい
入場料−−大人42.14ドル、子供33.92ドル
(長期割引チケット各種あり)
WDWの最初のテーマパーク。DL(ロサンゼルス)やTDLと、ほぼ同じ内容。1997年は、開園25周年を記念して、シンデレラ城がケーキのお城に変身していた。
直営ホテル宿泊客の特典であるサプライズド・モーニング(8時からの早朝入場)をやっている日、8時頃に入場。すでに園内は混雑していた。
1995年夏に登場した一番人気のアトラクション。直営ホテル宿泊客の特典であるサプライズド・モーニング(8時からの早朝入場)をやっている日、8時頃に入園して直行したが、すでに園内は混雑しており、このアトラクションは30分待ち。あれやこれや演出たっぷりのライブショーで、極めて完成度が高く、たっぷり楽しめる。ディズニーのエンターテイメント開発能力の高さが強く感じられる。TDLにも設置されれば、大人気となること間違いなし。
TDLとあまり変わらない。20分待ち。
待ち時間なしなので乗ってみた。不人気の低速ライドだが、距離は長いし、途中でスペースマウンテンの建物の中に入ったりして変化もあるし、なかなか満足感がある。移動しながらの休憩場所、という感じ。いつも混んでるTDLにも、このようなライドを作って欲しいと思う。
TDLでは長蛇の列のミニーの家、待ち時間なし。中身はTDLそっくり。
TDLにはないアトラクション。ディズニーキャラクターが2〜3人出てきて、サインしてくれるところだった。ほかの子たちが並んでサインしてもらっているのを見た娘(小1)も、当然その仲間入りがしたくなり、いったん出て、同じ建物の中のショップでサイン帳を購入、再入場した。
再入場を繰り返し、ヒーロー・ヒロイン、動物、悪役の3つの部屋をすべて制覇。娘が好きなミニー、ドナルド、デイジー、グーフィー、プルートのサインと2ショット記念写真をゲットした。3つの中ではヒーロー・ヒロインが最も人気があって、列が長かったが、その列は不思議なことに短時間のうちに伸びたり縮んだりして、待ち時間は5〜20分くらい。こんなアトラクションが存在し、ちゃんと賑わっているあたりが、アメリカらしいと思った。
TDLでは長蛇の列のミッキーの家。さすがにミッキーともなるとここでも行列ができていて、待ち時間は20分。家族3人とミッキーで並んで、係りの人に写真を撮ってもらった。ミッキーのサインをゲット。
空いていて、次の列車に乗れた。キャストから飲食物持込み禁止のアナウンスなどがなく、客も比較的自由に、ポップコーンをかじったりしていた。TDLではたしか飲食は禁止だったはず。隅々まで目が行き届き、きっちり管理されている感じのするTDLの鉄道に比べて、マジックキングダムの鉄道はキャストが少なく、ややゆるやかな管理をしているように見えた。最低限の運営人員でコスト削減に努めているのか、それともゲストを子供扱いせず各自の自覚に任せるという方針なのか、どちらかだと思う。
TDLでは運輸省の横やりで、鉄道の駅は1カ所(これだと、移動機関ではなく、遊技的乗り物ということになるので、認可を出せるらしい)だが、アメリカにはそんな無粋な法律がないため、駅が複数あり、場内移動機関として利用できて便利。運輸省のアホ!
昼食の後、13時30分頃、待ち時間なし。
TDLにはないアトラクション。ディズニー自慢のオーディオ・アニマトロニクスをふんだんに使った機械仕掛けの人形のショー。20分待ち。
新しいアトラクションなので、さすがにオーディオ・アニマトロニクスだけではつらいと思ったか(実際、TDLのカントリー・ベア・ジャンボリーやミッキーマウス・レビューは、見ていて眠くなる)、映像やマペット(人形)も組み合わせていて、眠くならないようにしようという努力の跡が見られる。しかし、単純に映画のシーンを再現しているだけの内容では、やはり眠くなる。シナリオや演出に工夫が足りない。
TDLにはないアトラクション。行列はそれほど長くはなく、どのくらい待つかの表示もなかったので、これは早いかと思ったら、意に反して30分待ち、暑くて疲れた。行列スペースに隣接して子供の遊び場(ミニ噴水が間欠的に吹き上げたりする)が設けられており、東洋人も西洋人も大人だけが行列を作っていた。この辺の配慮は、さすがにディズニーパーク。
内容は、洞窟の中の人魚状態のアリエル(歩けないので、たぶん、パーク内でグリーティングはできないと思う)と記念写真を撮って、サインをしてもらって、それで終わり。普通の人には30分も待つ価値があるアトラクションとは思えないが、リトル・マーメイドが大好きな人には、なかなかに情緒があって、心に訴えるものがある。「発想はシンプルに、演出は大胆に」というイベントづくりのセオリー通りに構成して、見事に成功している。しかしこれも、アリエルという、素晴らしく魅力的なキャラクターのなせる技か。
昼のパレード。TDLとは演出が異なるが、やっていることは基本的に同様。ここで疲れたので一時退園。
ホテルのプールで遊んで、昼寝して、21時に再入園。午前中よりも混雑はひどくなっていた。夕立が降ったのに気温は下がらず、夜になってかえって蒸し暑くなった感じ。まずは冷房空間に入ろうと、20分待ちのホーンテッド・マンションへ。中身はTDLとほぼ同じ。
21時30分頃に外に出てきたら、1回目のスペクトロマジック(夜のパレード)がこっちにやってくるところだった。すでに何重にも人垣ができていて、良く見える場所がない。あたりを見渡すと、船着き場にリバティベル・リバーボートが接岸していたので、これはちょうどいいと、急いで乗って、一番上のデッキへ。半分くらいパレードが通り過ぎたあたりで船が出発し、船上から眺めることができた。
パレードは、TDLのエレクトリカルパレードとファンティリュージョンの中間のような感じ。3つの夜のパレードの中では、私としては、情緒がある点で、エレクトリカルパレード、ファンティリュージョン、スペクトロマジックの順に好き。
船を降りてすぐ、ファンタジー・イン・ザ・スカイ(花火)の時間になった。たまたま船着き場のあたりは少し広くなっていて上空への視界が開けていたし、人口密度は低いし、それにTDLの花火はマークトゥウェイン号の船着き場の脇で見るのが好きなので、ここで見ることにした。
25周年記念で大胆にもケーキに変身したシンデレラ城から、ティンカーベルが飛ぶのがチラリと見えて、花火が始まった。しかし、予想外に木が邪魔で、TDLの船着き場脇ほどは良く見えなかった。花火の内容は、TDLとほぼ同じ。
TDLにはないアトラクション。歴代大統領のオーディオ・アニマトロニクスが順々に有名な演説の一説を語る、というもの。愛国心の強いアメリカならではのアトラクション。日本で歴代総理大臣の演説が聞けるアトラクションを作ったとしたら、悲惨な結果になることは目に見えている。
夜も更けてきたのにまだ暑く、そのため近くにある冷房空間ということで入館した。ケネディやレーガンの演説は拍手喝采だが、最後のクリントンではブーイングが起きていた(視察時点では、「不適切な関係問題」はまだ明るみになっていない)。
ようやく人が引けてきて、23時の20分前にザ・ホール・オブ・プレジデンツの入り口前のパレードコース最前列が、3人分くらい空いていた。こういう場所は、建物の入り口から冷気が出てきて涼しく待てることが、昨日のMGMの昼間のパレードで分かっていたので、迷わずこの場所をゲット。期待通りに涼しくて、とても助かった。待つ間、何か食べたかったのだが、閉園間近のため閉まっている店ばかりで、飲物だけしか買えなかった。
超人気のレストラン。半年とか1年前から予約する日本人(WDWリピーター)も少なくない。MKに行く前々日に、宿泊したウィルダネスロッジ(WDW直営ホテル)内のゲストリレーションのカウンターで予約をしたいと申し出たところ、
翌日のディナー:すべて満席
翌々日のランチ:2時半に空きあり
翌々日のディナー:16時半と21時半に空きあり
という状況で、まともな時間には空きがなかった。
「毎日、当日分の席が出るので、朝7時半に来れば取れるかもしれない」ということなので、翌日も翌々日も朝8時前に顔を出したが、状況は変わらず。結局予約はできなかった。
マジックキングダムの現地で、11時20分に、たまたまお城の裏手を通りがかったら、レストランの受付カウンターに数人並んでいた。もしかしたら入れるかも、と思って並んでみた。待つこと数分で私の番になり、「私たちは予約してない、ランチが食べたい、3名である」と言ったら、即座に「12時の席がある」。係員のメモをのぞきこんだところ、
11:45−−1マス(四角いマスがひとつ書いてある、以下同様)
12−−−−−4マス
13−−−−−2マス
14−−−−−2マス
と書かれてあった。どうもこれが、ランチタイムの当日席として用意された席と思われる。わが家の名前は、9つのマスの中でひとつだけ残っていた12時の4つ目のマスに記入された。すごいラッキー。もう30秒でも並ぶのが遅かったら、席は埋まっていたことだろう。
時間ちょうどに入店し、1階のウェイティングホールへ。美しい、白人女性の中でも特に美しい、モデルクラスの美貌のシンデレラがいた。数分で呼ばれて、2階へ。店内はシックな内装で、適度な暗さで、なかなかいい落ち着いた雰囲気。
ウェイターが登場し、メニューを渡してくれながら、「どこから来た?」と聞く。「日本」と答えると、数秒ばかり考えてから、「これが美味しい」とメニューの中の2つの料理について、聞き取りやすい英語でゆっくり説明してくれた。「リアリィ?」と聞くと、胸を張りながら低い声で「シュアー」と答えた。かなり自信がある模様。
「ここはひとつこいつを信用してみるか、もしも不味かったらチップは払わないからな」と思いながら、おすすめ2つの中から「フェイバリット何やら肉のパイ」にして、さらに「何やらリブ」が美味しいかどうかを聞くと、同じように自信満々と「オフコース」と言うので、よし分かった、こいつもオーダーしてやろうではないか、ということで、ウェイターにプレッシャーを与えるべく、勝負を挑む気持ちで、「ユア・フェイバリット・パイ・アンド・オフコース・デリシャス・リブ・ステーキ」とオーダーした。
ミッキーの形のバターが運ばれて、パンが運ばれて、チーズバーガーが出てきて、子供メニューを先に出してくるのは気の利いたレストランなら当然だが、その後しばらくしてメインディッシュが運ばれてきた。
両方とも、たいへん美味しかった。「何やらリブ」は、ローストビーフとどこか違うのか良く分からないような感じの肉だったが、柔らかくジューシーで、肉の旨みが濃厚なのに全然くせがなくて、これまでアメリカで食べた肉の中で(と言っても、アメリカで高級レストランにはほとんど行ったことがない)、最高においしかった。いい肉の中でも、特にいい部分を選んで切って持ってきた、という感じ。
「フェイバリット何やら肉のパイ」はとても手のこんだ料理で、いろいろな味が集まって複雑な美味しさ。こういうパイを「ごちそうの肉のパイ」(ピーターラビットの絵本に登場する)と言うのだと思った。
居心地のいいレストランで、美味しいものを食べたら、幸せな気持ちになるので、デザートメニューを頼んだ。すぐにケーキが並んだトレーを持ってきた。でも、食べ切れそうにない大きさだったので、「大きすぎる」と丁重にお断りして、ブルーベリーのパフェ1つと、カプチーノ2つをオーダー。パフェは全然アメリカらしくない、甘みがおさえられた繊細な味。
50ドルくらいが計上された伝票に、大盤振る舞いの20%分のチップ10ドルを記入し、その脇に「ユア・フェイバリット・パイ・イズ・アワー・フェイバリット・パイ!」と書いておいたら、取りに来たウェイターはまずチップ欄を確認して最大級の謝辞である「サンキュー・ベリーマッチ・サー」、続いて伝票を手に取ってコメント読んで、「アーハー!!!」と他の客が振り返るほどの大笑い。彼のおかげで、1時間半もゆったりと、そしてとても幸せな気分でランチタイムを楽しむことができた。感謝のつもりのシャレが通じて良かった。
「高くてまずい」と定評のTDLのレストラン(一部にはまあまあ許せるレベルの店もあるが)とは雲泥の差の、素晴らしい空間、素晴らしい味、素晴らしいサービスが揃ったレストランであった。さすが、MKで一番高いレストランのことだけはある。
3本セットのビデオ(54ドル)と、書籍4冊を購入。ビデオはマジックキングダムとエプコットが30分もの、MGMスタジオは25分もの。楽しく構成されていて、各パークのことが一通り分かる。書籍の内訳は、WDWの写真集が19.95ドル、SINCE THE WORLD BEGANという写真集が24.95ドル、WDWスーベニールブックが5.95ドル、ディズニーマガジンのWDW25周年記念号が3ドル。
アメリカのテーマパークや遊園地では、ペニーつぶしが置いてあることが多く、集めるとなかなか楽しい。通常は、つぶし用のペニー(銅の1セント)1枚と、料金のクォーター(25セント)2枚を同時に入れる。すると自動的に歯車が回転し、ペニーが押し型の部分で挟まれて、平たく伸ばされ、絵柄が型押しされる。終わって下から出てきたペニーは、温かくなっている。美しく作る秘訣は、光沢のある新しいペニーを使うこと。
MKでは、ペニーつぶしは6個、マジックキングダム、白雪姫、白雪姫の7人の小人のうちのDoopy、ピーターパン、ティンカーベル、フック船長をゲット。クオーターつぶし(クォーターをつぶす、料金はクオーター4枚)は1つ、絵柄は25周年アニバーサリー。
自分たちの名前を彫り込んだ敷石「ウォーク・アラウンド・ザ・ワールド・ブリック」を事前に申し込んであったので、ゲートの外の受付テントで問い合わせたところ、「まだできていない」。「6月上旬までに申し込めば8月1日には完成しているだろう」というWDWリザベーションセンターからの電子メールメールを見せたのだが、「作業が遅れていてまだできていない、完成は数ヶ月後の予定」。ディズニーのパークらしかならぬ大ヘマ。
配布されているが、ださくて読みにくいデザインであり、掲載されている情報はなんと4年前の1993年版だった。作成部数が多すぎて余ってしまったか、それとも最新版が予期せぬ品切れになってしまったので応急処置として古いバージョンのものを配っていたのか、真相は良く分からないが、この点もディズニーのパークらしからぬ手抜き。
滞在期間に応じて各種のチケットが用意されている。WDW3大パークに5日間出入り自由(さらにその他2日間、WDWのプールパークやマイナーパークに入場可)の5デイ・ワールドホッパーは、大人217.3ドル(205ドル+税金12.3ドル)、子供173.84ドル(164ドル+税金9.84ドル)。
このチケットは、5日で割ると1日41ドルで、通常の1日券とほぼ同額。1日に2つのパークに行くならば安上がりになるが、1日に1つのパークのペースで行くならば、ウォーターパークとディスカバリーアイランドが7日分無料で付いてくる、という程度で、あまり割安感がない。WDWの強気ぶりが良く分かる料金設定。
アリエルズ・グロットーとトゥーンタウン・ホール・オブ・フェイムが、特に印象深かった。キャラクターに会って、サインをもらい、記念写真を撮るだけ、こんな素朴なアトラクションにたくさんの人が並んでいる。特にアリエルズ・グロットーは、洞窟風の演出がなされているとはいえ、たった1人のアリエルに会うためだけに、30分もの行列ができていて、行列の暇つぶしのため(と思われる)子供の遊び場まで用意されていた。豊富で魅力的なキャラクターが揃っているディズニーならではアトラクションだと思う。
参考資料 −−− ウォーク・アラウンド・ザ・ワールド・ブリックの証書(169KBのJPEG画像)