プロペラの首翼効果−決定版(06-10-24, 08-09-16)

ある人に教えていただいて、標記についてのNACA Reportにたどり着きました。NASAのデータベース、NASA Technical Report Server 収録のNACA Report No. 820, Propeller in Yaw, by Herbert S. Ribner, 1943です。

プロペラが横にぶれたときに翼の効果をしめす事は早くから知られていて、1918年のHarrisの解析以来色々の研究、実験がされていましたが、この論文まで満足な結論は出ていなかったのだそうです。

論文の結論は
1.実効首翼面積はプロペラの横投影面積に等しい。
2.首翼の有効アスペクト比は8。
3.首翼の動圧(1/2ρV^2)は流入(inflow)速度を加味したプロペラディスクの動圧に等しい(機体速度よりも加速されている)。
4.横からの力(side force)の進行率(V/nD)の変化に伴う変動はほとんど流入速度の変動に起因する。

5.過去の実験値とこの計算の食い違いは10%以下であり、これはvortex theoryによるプロペラ効率計算の誤差と同程度である。

ということでこれをプロペラの主翼効果の決定版としていいと思います。
但し、論文の内容が私の理解力の範囲を超えているので首翼効果発生のメカニズムは未更新です。

この論文を検証する実験をゴム動力ヘリコプターを使って行ないました(ゴム動力ヘリコプターの中立点)。


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