ロイヤルハワイアン滞在記

1993年7月)


3.ホテルのプール

 プールサイドの席

初日は、昼寝の後、午後からプールに出た。プールサイドには40席くらい、ビーチパラソル付のテーブル席(テーブル×1、ビーチベッド×2、イス×1)があるが、空きがない。その他に15人分くらいのビーチベッドが日なたにあって、いくつか空きがあった。

これはどう見ても、のんびり過ごすならテーブル席だ。そこで、とりあえず直射日光席を2つ確保したのち、妻子をプールで遊ばせておいて、プールサイドをうろうろしながら、テーブル席が空くのを見張っていた。30分くらいして、ようやくテーブル席がひとつ空いた。

回りを見ると、みな、ビーチベッドに何枚もピンクのタオルを敷いている。プール係員ブースにはタオルが山積みになっているので、「何枚借りて良いのか?」と聞くと、「何枚でも」と言う。「何回借りても良いのか?」と聞くと、「何回でも」と答える。さすが高級ホテル、太っ腹。10枚借りて、2台のビーチベッドに3枚づつ、ビーチチェアーに1枚敷いた。あとの3枚は、3人の身体拭き用。

日陰のビーチベッドは、素晴らしい寝心地。良く見る形のものだがかなり丈夫にできていて、重い私が寝そべってもあんまりたわまない。気温は高いが、湿度が低いためか、そよそよと風が吹き抜けているためか、とても爽やかで快適な気候で、日なたと日陰で大違い。見上げると、ピンクと白のツートーンのパラソル、そしてその回りは青空、控え目な雲がゆっくり流れて行く。ああ、こんなに快適な気候だとは知らなかった、ハワイに来て良かった。カミさんと交代交代で娘とプールで遊びながら、非番になるとこの幸せ感を味わった。

2歳半の娘は、保育園で規則的な生活をしているためか、毎日昼過ぎになると2時間くらい昼寝をする。部屋で昼寝をさせるためには、親のどちらかが部屋にいなくてはならないが、プールサイドが快適なので、ここから離れたくない。そこで、2日目にビーチベッドをフラットにして寝かせてみた。静かなプールだが、しーんと静まっているほどではない。ここでうまく寝てくれれば親が助かるのだ、と祈るように見ていると、あっと言う間に眠りに落ちて、2時間きっちり寝てくれた。おかげで、親も真っ昼間に1時間か2時間熟睡できることになった。

 プール

楕円形のプールは小ぶりだが、中に入っている人が少ないので広々としている。水は適度に暖かく、ゴミは全然浮かんでいない。真ん中にコースロープが張ってあって、深いところと浅いところを仕切る目印になっている。水深は1.2m〜1.8mくらい。水深の点では、あまり子供向けのプールではない。

娘はまだ2歳半で、プールはいつも水深30cmくらいの小さな幼児プールなので、初日はこわがって、階段の所で足だけ水につかるくらいだった。しかし、同じくらいの年の女の子(南米系)が腕輪形の浮き輪でプカプカ浮かんでいるのを1日中ずーっと見ていたためか、2日目からは、腕輪の浮き輪(初日の夜、アラモアナSCに探しに行ったら、同じのを2ドルで売ってた)で、プカプカ浮かんで遊べるようになった。3日目には大胆にも、プールサイドからプール真ん中までの約10mを自力で移動するようになり、びっくり。競争心のなせる急激な進化と言えよう。でも、顔に水がかかるとべそをかくし、腕輪の浮輪はチャチでいつパンクしてもおかしくないような代物なので、手の届くところに親が常駐しなければならない。

南米系の女の子のファミリーは毎日プールにいて、いつも私たちの隣のテーブル席だったので、いつの間にか子供同士で遊ぶようになった。言葉は全然通じないのに、何となく意思疎通ができるようで、プールの水をおもちゃのバケツに汲んではプールサイドにまいたりしていた。2人して盛り上がってしまって、よその人のビーチベッドのタオルの上に水をぶちまけた時は、私の日本語と南米系母親の??語(スペイン語のようだけど、良く分からない)で同時に怒鳴られ、2人並んでシュンとしていた。

プールサイドもプールの中も、たいへん居心地が良く、また娘は何回水を飲んでゲホゲホになってもプール遊びに飽きる様子がなかったので、毎日、朝から夕方までプールで過ごした。例外はレンタカーで島内1周した5日目だけ。親子で利害が一致したおかげで、当初の思惑通り、親(特にカミさん)はたっぷりとナマケモノになることができて、幸せの日々だった。

 プールまでの距離

新館タワーオーシャンフロントの場合、部屋からプールがとても近くて何かと便利だった。プールサイドで熟睡するためには、貴重品類は邪魔な存在なので、カメラは撮る時だけ部屋のセイフティボックスから出してきて、撮り終わったら部屋に戻した。トイレも、プールサイドのトイレはプール係員を呼んできてカギを開けてもらう方式でやや時間がかかるので、30秒で行ける自分の部屋のトイレを使っていた。さらに、娘の昼食のための牛乳や缶の日本茶などプールサイド・カフェで売っていない飲物は、部屋の冷蔵庫に取りに行った。

 プールの客層

テーブル席に陣取ってプールに1日中いる常連客は、人種としては欧米系が多数派で、南米系や中国系もぽちぽち。日本人は私たち以外にもう1組いるかいないかという状況で、少数派だった。プールでの過ごし方によって、だいたいいつもいる場所が決まっていて、午前中日陰の奥まった席は水に入らない読書組や熟睡組、日なたでいる時間が長い(ただしテーブルにパラソルはついている)席は子連れ組やアクティブ組(プールに良く入る)、ジリジリ組(パラソルを閉じて身体を焼いている)となっていた。

 プールサイドの席の予約

初日に昼寝をして、夜は早寝したので、2日目は6時くらいに私だけ目が覚めてしまった。ラナイから見おろすと、プール係員が掃除をしている。プールへ降りてみると、席によってはタオルでベッドメーキングしてパラソルを開いている。たずねると、これは予約席とのこと。テーブル席は1/3くらいが予約席だった。予約席以外ならどの席を使ってもいい、と言うので、部屋から3枚のTシャツを持ってきて、ビーチベッドとビーチチェアにかけて場所取りをした。

部屋に戻って、ラナイで本を読みながら状況をチェックしてみた。テーブル席は、7時頃には場所取りが始まり、8時頃にはプールサイドに人がいるようになった。わが家がプールサイドに出た9時頃には、自由席は空席が半分以下で、そして残っていた空席も10時か11時には埋まった。自分の好きな場所に席を確保するなら、8時頃には場所取りに行った方が良さそうだ。

予約席と言っても、プール係員の裁量でやっていることで、おそらく1日1〜2ドルくらいのチップで予約ができるのだと思う。たいした金額ではないし、それで朝寝坊しても安心ならば、わが家も3日目からは予約しようかな、と2日目の朝は思った。けれども、2日目の夕方の時点で、私の身体はとても軽い感じで、まあ2日間寝てばっかりで休養充分だったので当り前だが、全然疲れがない。この調子なら3日目以降も早起きしてしまうこと間違いなさそうなので、自分で場所取りすることにした。

今日は疲れた、明日は寝坊したい、ということになったら予約しようと思ったのだが、結局そういう事態にはならなかった。毎朝6時頃になると決まって場所取りに現われる私は、とても几帳面な奴に見えたと思う。

 プールサイド・カフェ

プールサイド・カフェのメニューは、アルコール類やソフトドリンク、軽食など。価格はけっこうリーズナブルで、特に軽食が安いように感じた。氷とミネラルウォーターはいつでも無料サービス(ただしセルフサービス)、さらに朝はコーヒーも無料(これもセルフサービス)。また、外で何か買ってきてテーブルで食べる、というのもOK。

そもそもルームチャージが安くはないのだから、プールではあまりお金を使わせないようにしているように思われる。これはなかなか素晴らしい作戦だ。まとめてルームチャージでお金を取っておいて、そこでしっかり収益をあげ、収益を求めてもしょせんたかが知れているプールサイド・カフェでは、収益よりも顧客満足度の向上を狙っている。フロントでの支払いは一瞬だが、プールサイドにいる時間はとても長い。だから「高いなあ」と感じるのは一瞬で、「ここはなかなか良心的だ」と感じる時間が長くなる。結局同じ料金を支払うことになっても、気分の良さが違う。

この店、カウンターでおじさんに注文して自分で運べば、セルフサービスなのでチップはかからない。昼食時には若いウェイトレスが登場して注文を取ってまわる。しかしウェイトレスに頼むとチップも必要になるためか、あるいはずーっとプールサイドでだらだらしている人は昼食時に昼食を食べるとは限らないためか、あまり頼んでいる人はいなかった。それでもめげずに、お姉さんはキビキビとテーブルを回っていて、好感が持てた。そこで、飲物(安いのでチップがかさまない、3つ頼んでも値段は5ドルくらいなのでチップは1ドル)を頼みたいときにお姉さんがいたら、お姉さんに頼むようにした。

まあまあ美味しかったし、サインで済むので現金をまったく持ち歩かなくていいので、昼食は毎日この店のホットドックやツナサラダにした。3時のおやつはフルーツ盛り合わせ(3人でシェアしても食べ応えがある)。飲物は、カクテルをいただくのがおしゃれだとは思ったのだが、わが家はあまり酒が好きでないので、コーヒーや紅茶ばかり。カフェイン中毒の私は、アイスコーヒーも缶コーヒーもなかったので、それらにけっこう近い飲物の「アイスド・カプチーノ」を1日3本ほど、そしてカミさんと娘はノンシュガーが好きなのでアイスティーを良く飲んでいた。なんだかんだで、この店への支払は1日あたり30ドルくらいだった。

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