ロイヤルハワイアン滞在記

1993年7月)


6.近くのホテル

ある日の昼下がり。娘とナマケモノは、揃ってプールサイドでお昼寝。昼も夜も眠りすぎて、もうこれ以上眠れそうにない私は、近くのホテルのプールを探検に行くことにした。

 アウトリガー・ワイキキ

ロイヤルハワイアンの東側の隣は、アウトリガー・ワイキキ。アウトリガー系では唯一のビーチ沿いのロケーション。プライベートビーチのような場所は特になかった。そのかわり、ビーチに各種レンタルの店を出していた。

プールは、水面の面積がロイヤルハワイアンよりも大きいが、プールサイドの面積は半分以下。狭いプールサイドにびっしりとビーチベッドが並んでいて、ほとんど満員。パラソルのある席はないので日なたはずっと直射日光。西側一体はすでに日陰になっていた。日陰なら日焼けはしないけど、プールから出てきてそのまま日陰ではちょっと寒そう。プールサイドの客は若者ばかりで、子連れはあまりいない。コンドミニアムなので、子連れが少ないはずはないので、たぶんこのプールは子連れ向きではないと、ビーチや街に遊びに行っているのだろう。夕方になるとプールのそばで、バンドが若者向けの音楽をやっていた。

 モアナ・サーフライダー

アウトリガー・ワイキキの東隣は、広々とした敷地のモアナ・サーフライダー。ホテル前のビーチにプライベートビーチのスペースを確保していて、パラソルと座椅子スタイルのビーチチェアが並んでいる。

プールは、プールサイドが広く、パラソルもあり、タオルをふんだんに使える模様。このあたり、ロイヤルハワイアンと良く似ている。ただ、客室数がロイヤルハワイアンよりもやや多いためか、プールサイド、ビーチとも面積当たりの席数がやや多い。厳しく比べれば、余裕の点でロイヤルハワイアンがやや上回るかなという感じだが、その差はわずか。この2つのホテルは、高層ホテルに比べれば客室数がひとけた少なく、だからプールの人口密度が格段に低く、さらにプールでのサービスが他よりも充実しているので、とても快適なプールになっている。

 シェラトン・ワイキキ

ロイヤルハワイアンの西隣は、シェラトン・ワイキキ。このホテルも、プライベートビーチのようなスペースはない。

プールは大きく、広いプールサイドにはパラソルはなく、びっしりとビーチベッドが並んでいる。アウトリガー・ワイキキと同じくらい人口密度が高いが、人数はこちらの方がはるかに多いため、騒然とした雰囲気となっていた。タオルは素材がちょっと落ちる。また貸出枚数に制限があるのかもしれない、みんな1枚のタオルを大切に使っていた。プールの面積はロイヤルハワイアンの2倍、席数はたぶん4倍くらいある。しかし、このホテルは高層で客室数がものすごく多いから、もっともっと大きなプールにしないと、ロイヤルハワイアンと同じような落ち着いた雰囲気にはならない。しかし、さすがにこれだけの席数になると空きがポツポツあって、この点が唯一の救いと言える。

 ハレクラニ

シェラトン・ワイキキの西隣は、ハレクラニ。ここのプールは素晴らしい。広いプールサイドにけっこう密度が高く席が配置され、しかし使っている人が少なく半分以上空いていて、だから人口密度は最も低い。高層ホテルほどではないけどけっこう客室数は多いと思うので、プールサイドにあれだけしか人がいないということは、部屋があまり埋まっていないということなのかもしれない。ロイヤルハワイアンよりはパラソルが少ない。パラソル席が少ないのか、それとも頼めば立ててくれるのか、そのへんは良く分からない。ビーチベッドは柔らかいクッション付のもので、他を一歩リードしている。

プライベートビーチを探したが、そもそもハレクラニの前の海にはビーチがない。どこか、別の所に確保しているのかもしれない。しかし、ホテルの前で砂遊びできないのは減点1。

 ロイヤルハワイアンとの比較

ということで一巡りしてみて、この5軒の中では、静かにのんびりと1日過ごせるプールは、ロイヤルハワイアン、モアナ・サーフライダー、ハレクラニの3つだけだと感じた。

アウトリガー・ワイキキとシェラトン・ワイキキの2軒のホテルがなければ、隣とやや距離を保ちながらあまり客室数が多くないホテルがゆったりと並ぶことになり、さらにワイキキビーチにあまり人がいなければとても落ち着いたビーチになって、より素晴らしい環境になる。10年前か30年前か50年前か、昔はそういう時代があったのだろう。そういえば、「ハレクラニは、昔の建物の方が味わいが深くて良かった」という意見もどこかの本で読んだ覚えがある。

しかしアウトリガー・ワイキキは、わが家の場合、なくなっては困るホテルだった。ロイヤルハワイアンにはコインランドリーがなかったので、このホテルのコインランドリーのお世話になった。洗濯物の量はそれほどではなかったので、2〜3日に1回で済んだ。そんなに量がないなら、風呂で洗濯して風呂で干せ(ラナイでの洗濯物干しは、マナー違反らしい)という声が聞こえてきそうだが、なんたってうちのカミさんはナマケモノ、オサンドンのみならず、お洗濯も放棄したのである。部屋の掃除はメイドがやってくれるから、これで炊事・洗濯・掃除の家事の3本柱のすべてから解放されたことになる。愛情深い旦那様は、「まあ、いっか」と言いながら人目につかない夜に隣のホテルに侵入して、洗濯機を回してきたのだった。

 ツアーデスクの比較

歩いて街へ出かける場合シェラトン・ワイキキは通り道になるので、ある日の夕方ロビーのまわりを探検してみた。ロビーの一角にオプショナルツアーの受付カウンターがずらり、全部で10社か20社くらい並んでいて、オプショナルツアーのメニューやチラシ(日本語)が壁に貼り出されている。メニューは起床電話時刻と出発時刻、服装の一覧表になっていて、とてもおもしろかった。島めぐりがいくつかあったが、起床が5時半くらい、出発が6時半くらいとなっていて、気合いが入っている。すごく疲れそう。

キョロキョロしていると、現地ガイド風のおばさんに連れられて10名くらいの日本人がどやどやとやってきて、カウンターの前でオプショナルツアーの説明がはじまった。みやげ物を持っている人が多く、どうやら市内引き回し&高額おみやげ押し売りの刑が終わってやっとこれからチェックイン、という段階のツアー客らしい。知らん顔して近づいて説明を聞いてみた。おばさんは、かなり情熱的にそして長々と説明をしている。高額だと思われる島めぐりと、参加する人が多そうなディナークルーズを、特に強く売り込んでいた。私のような利害に関係のない者が聞いている分には、縁日でのテキヤの口上みたいでとてもおもしろい。けれど、全員が何かのオプショナルツアーに申し込まないと説明が終わらないのかもしれない。みんな疲れていて早く部屋に入りたいだろうに、そうだとするとかなりあくどい商売だと思う。

ロイヤルハワイアンには金髪女性が座っている小さなツアーデスクがあるが、ロビーからは扉で区切られて、じっくり相談する静かな部屋という感じ。ツアー会社が場所を借りてやっている、というシェラトン・ワイキキの方式ではなく、金髪女性はロイヤルハワイアンの従業員に見える。この部屋はとてもさっぱりとしていて、壁には何も貼られていないし、机の上にも何も置いてない。パンフレット類は引き出しの中から出して、そのつど説明しながら客に渡していた。私みたいな英会話があまりできない人間にとってはちょっと入りずらい気がするが、そういう客は少ない(日本人客が少ない)ので、こういうスタイルの方がホテルの雰囲気に合っていていいのだろう。

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