ロイヤルハワイアン滞在記

(1994年12月)


1.事前準備

 旅行の目的

1993年7月に旅行して、ハワイの素晴らしさは良く分かった。商品バリエーションの多彩さ、現地での過ごし方の多彩さ、快適な気象条件が、ハワイの魅力の3本柱であると感じた。このうち気象条件については、7月はハワイの乾期だったため、日差しは強烈だが涼しい乾いたそよ風が吹き、日陰でぐっすり昼寝できた。開発が進む前の古き佳き時代のハワイにおいては、この快適な気象条件こそが最大そして唯一の魅力であったことだろう。

しかし、乾期があれば、雨期がある。ハワイの雨期については、旅行カタログにはほとんど記載されていない。旅行ガイドブックでも、「11月頃から4月頃は雨期でやや気温が下がるが、雨はたまに降る程度なので観光には支障はないので、気にする必要はない」という程度で、ごく簡単にしか書かれていない。これは怪しいと思う。たとえばモルディヴでは、現地のダイビング・インストラクターが、「乾期は天気もいいし水の透明度も高いが、雨期は雨が多く晴れが少なくなおかつ低温で水も濁るためおすすめではない時期だ。客も雨期はめっきり少ない」と言っていた。ビーチリゾートは、気象条件の影響を大きく受けるはずだ。

現実にハワイは1年を通じて、たくさんの客を集めている。年間型リゾートとして成功しているように見える。年末年始のハワイはツアーが高額であるにも関わらず予約が困難で、芸能人だらけとも聞く。そこで、本当にハワイは雨期でもいいところなのか、実際に行って確かめることにした。

 飛行機の予約

飛行機は、マイルを貯めているUA。前回はビジネスだったが、これは特典航空券だからできたこと。今回はHISで、7.3万のエコノミーを3人分購入した。10月上旬に予約状況を聞くと、12月上〜中旬だと、12日のホノルルマラソンに行く日程が満杯だが、これをはずせば取れるとのこと。そこで、日程は12月の上旬にした。

日程は、帰国後に1日の休息日を作るため、現地金曜日出発、日本土曜日到着として、7泊分さかのぼると、こちらを金曜日発になる。12月上旬だと、12/2−12/10という日程になった。朝早く着いても仕方ないので行きはなるべく遅い時間の便、帰りも早起きが辛いのでなるべく遅い時間の便、そしてDC10は避けたい(3便のうち1便がDC10)とリクエストした。格安航空券は便まで指定できないので、希望通りだったらラッキーだ。

 ホテルの予約

雑誌で、1994年のクリスマス休暇の前までのワイキキのホテルのルームチャージを調べてみた。

ホテル 部屋 料金 備考
モアナ・サーフライダー シティビュー
(タワーorバニヤンウイング)
195ドル ラナイは不明
パーシャルオーシャンビュー
(タワー)
265ドル ラナイ付
バニヤンオーシャンビュー 295ドル 一部がラナイ付
オーシャンビュー
(タワーorダイヤモンドウイング)
330ドル ラナイ付
オーシャンフロント(タワー) 375ドル ラナイ付
ロイヤルハワイアン スタンダード 245ドル 旧館・ラナイ無
デラックスガーデンビュー 305ドル 旧館・ラナイ無
オーシャンビュー 350ドル 旧館・ラナイ無
タワーオーシャンフロント 405ドル 新館・ラナイ付
ハレクラニ シティパームコートビュー 265ドル ラナイ付
パームコートビュー 285ドル ラナイ付
オーシャンビュー 360ドル ラナイ付
プライムオーシャンビュー 390ドル ラナイ付
ダイヤモンド
ヘッドオーシャンビュー
430ドル ラナイ付

モアナ・サーフライダーの安さが目立つ。シティビューの部屋が195ドル、海が見える部屋でも最低で265ドルと、他の2軒を大きく引き離している。特に295ドルのバニヤンオーシャンビューがおもしろい。「バニヤンウイング・オーシャンビューで数少ないラナイ付の部屋は、441、339、337、335など」という貴重な情報も得られたので、かなり気持ちが動いた。ラナイ付でなくても、大きなバニヤンの木の向こうに海が広々と見える部屋(角度としてはオーシャンフロント)が取れれば、コストパフォーマンスは抜群だ。ロイヤルハワイアンとハレクラニで海が見える部屋は、最低で350ドルと360ドルだから。

そこで、今回はこの部屋を本命に考えた。個人旅行と料金の比較をしてみようと思って、UA+バニヤンオーシャンビューのツアーも探してみたが、こういうややこしいのは、メジャーブランドのツアーにしかない。ツアーでは、UAの指定ができない、バニヤンオーシャンの中で部屋の希望ができない、と制約だらけ。それに、そもそも価格の面でも優位性がない。結局、バニヤンオーシャン指定では、個人旅行よりも安いツアーが見つからなかった。ツアーは、しょせんビギナー向けなのかもしれない。部屋指定無しツアーなら、一番安い部屋を使う個人旅行よりも安いようだが、部屋指定をすると急に高くなる。

ツアーと個人旅行が同じ値段だとしても、市内観光&免税店引き回し及びオプショナルツアー押し売りの刑がない分、子連れファミリーには、個人旅行の方がいい(アーリーチェックインするなら話は別)。飛行機の中ではなんとかいい子でいさせるとしても、さらに空港からホテルまでの数時間も団体行動では、途中で悪い子になる可能性が大だし、またそれ以前に親が気疲れしてしまう。個人旅行なら、まずホテルに向かって、まだ入れないなら荷物だけ預けてどっかで暇つぶしをしていれば、子供が眠くて機嫌が悪くなっても、なんとか居場所が見つかると思う。

ここまで調べて、ワイキキでの本命の、モアナ・サーフライダーのバニヤンオーシャンについて、シェラトン予約センターに聞いてみた。ここのお姉さんはいつも、応対が良いだけでなく、知識も豊富で、今回もこのようなややこしい質問にもスラスラと答えてくれた。すると、部屋のグレードの予約はできるが、部屋の位置とかラナイ付とかの指定はできないので、チェックインで申し出て空いていれば入れる、とのこと。続いて空き状況を聞いてみると、まだ2カ月前(もう2カ月前)なのに、モアナ・サーフライダーはすでに年内は一杯。ロイヤルハワイアンやほかのシェラトンなら空いているので、モアナ・サーフライダーだけが混んでいる状況である。残念、モアナ・サーフライダーはあきらめた。

念のため、ホテルの値段を聞くと、なんとびっくり、ハワイのシェラトンは年内は35%引きのキャンペーンを実施中であった。知らなかった、シェラトンクラブの会員誌には書いてなかった(1カ月くらい後に届いた会員誌には書いてあった)。それならばと、今回はシェラトンのホテルの中から選ぶことにした。

ABロードのホテルガイドで、他の島のシェラトンについて調べてみた。ロイヤルハワイアンに近い価格のホテルは、マウイ島のハナ・マウイとカウアイ島のプリンスビルホテルがある。

ホテル 部屋 35%引き料金 備考
ロイヤルハワイアン スタンダード 159.25ドル 旧館・ラナイ無
デラックスガーデンビュー 198.25ドル 旧館・ラナイ無
オーシャンビュー 227.50ドル 旧館・ラナイ無
タワーオーシャンフロント 263.25ドル 新館・ラナイ付
ハナ・マウイ ガーデン・アコモデーションズ 211.25ドル ラナイは不明
ガーデンジュニアスイート 256.75ドル ラナイは不明
シー・ランチ・コテージ 302.25ドル ラナイは不明
プリンスビル ラグジュアリースタンダード 162.50ドル ラナイ付
パーシャルオーシャンビュー 211.25ドル ラナイ付
オーシャンビュー 247.00ドル ラナイ付
オーシャンフロント 266.50ドル ラナイ付

ホテルガイドによると、プリンスビルは「超高級、王宮を思わせる豪華さ、黒い大理石のバスルーム、バスルームと寝室の仕切りはマジック・ウィンドウ(透明・不透明切り替え)」とある。なんだこれは。「超豪華・ラブホテル風」というイメージが浮かんできた。設備の豪華さを売るホテルよりも、環境とかサービスの良さを売るホテルに泊まりたい気がするので、今回はここはパス。ただし、客室数の少なさは魅力なので、環境やサービスも良いことが分かれば、次回は候補に入れたいと思う。

ホテル・ハナ・マウイは、不思議とABロードのホテルガイドには載っていなかった。ぴあMAPハワイによると、「広大な敷地内の、海へのなだらかなスロープの上にコテージが点在していて、部屋にはエアコンとテレビがない。料金には1日3回の食事とホテルでのアクティビティ、バーでのカクテル代がすべて含まれている。下界から遊離した楽園気分。客室数96」。このホテルなら、客室よりも環境がウリのようで、プリンスビルよりもいい気がした。

そこで、ニフティサーブのフォーラムで、ハナ・マウイの旅行記を探しだし、読んでみた。のんびりしたいいホテルのようで、特にシー・ランチ・コテージは素晴らしい部屋らしい。しかし、交通の便がものすごく悪い。レポートによると、行きに丸1日、帰りは1.5日ぐらいかかってる。1週間くらいの日程で移動日2.5日というのは、とてももったいない。せめて2週間くらいあれば・・・。

HISにネイバーアイランドへの航空券を聞くと、ホノルル往復に加えて、うまくいったら+5000円(UAと提携している航空会社で取れたら)、うまくいかなかったら+15000円。乗り換えも、なるべくうまくつながるよう努力する、とのこと。なんだか頼りない返答だった。

ここまで調べて、どうも今回は、ネイバーアイランドはわが家を呼んではいないような気がしてきた。たくさん回り道した挙げ句、結局残ったのはロイヤルハワイアン。このホテルに、大きな不満はない。むしろもう一度行きたいホテルなのだが、世の中広いし、ハワイにもたくさんのホテルがあるし、ロイヤルハワイアンにもう一度行く前に、ちょっとだけよそのところへ・・・と思っただが、ちょっとだけの浮気も許さない本妻の意地というか、誰かが裏で糸を引いてるというか、たぶんロイヤルハワイアンが、わが家を念力で呼び寄せているだろうと思った。

ロイヤルハワイアンは本館も味わいがある、という声も聞くが、ラナイなしは開放感が足りないのではないだろうか、やっぱりラナイは欲しいな、35%offなら手が出る、ということで、部屋のグレードまで前回と同じタワーオーシャンフロントにした。前回は中層をリクエストしたら12階だったので、今回は高層、そしてツインベッドをリクエスト。泊数も前回と同じ7泊、ただし今回はアーリーチェックインしないので、実際の支払いも7泊分になる。

しかし、モアナ・サーフライダーには未練タラタラである。35%offの情報をもっと早く入手していたら、もっと早く行動開始できて、モアナ・サーフライダーが取れたかも、と思う。そう言えばシェラトン系のこの割引サービス、昨年も同じ時期にやっていた気がする。とすると、来年もやる可能性がある。例年、日本の夏休みが終わって、アメリカのクリスマス休暇が始まるまでの間なので、春あたりにシェラトン予約センターに聞くと、情報を先取りできて、希望の時期に予約が入れられるのかもしれない。

 便の決定

出発の10日前になって、やっと便が決まった旨、HISから連絡があった。ディスカウント航空券だから仕方がないが、OKが出ていてお金を払っていても、やっぱり便が決まらないと何だか不安だ。行きがUA822、帰りがUA821、だいたい希望通り。帰りがUA831だともっと良かっただが、この便はUA830とセットになることが多いのかもしれない(UA830&831は、成田−ホノルル間だけの便)。

行き UA830 2000発 0745着 B747  
UA826 2020発 0810着 DC10  
UA822 2100発 0845着 B747 取れた便
帰り UA827 0805発 1200着 DC10  
UA821 0905発 1300着 B747 取れた便
UA831 1100発 1455着 B747  

航空券は空港のカウンターで受け取る、といういつもの格安航空券のパターンなので、もらった時点で席は割り振られている。そこで、ハワイの常連の方々と同じように、マイレージのアカウントのお願いと子供のキッズ・ミールのお願いに絡めて、座席の要望(禁煙席、壁の直後、3人で4席)を出発の10日前にUAにファックスしておいた。出発3日前に電話があって、アカウントとキッズ・ミールはOK。座席については、空港のチェックインカウンターに言ってみてくれ、とのこと。

詳しく調べると、UA822はバンコク発成田経由ホノルル経由ロサンゼルス行き、帰りのUA821はホノルル発(始発はロサンゼルスかも)成田経由バンコク行き。DC10の便は、ソウルが起終点で同様にサンフランシスコ行きとなっている。韓国人よりもタイ人の方が、ハワイに行く人は少ないのではなかろうか、とすると、UA822は空いているのではないか、などと勝手な推測をした。

 海外旅行保険

海外旅行保険は、マイレージプラスUCカードには自動的についている。ゴールドカードの私と一般カードのカミさんで、多少額が違う。現地での医療費が心配なので、娘にも保険を掛けておこうと、近くの旅行代理店でフリープランの保険料表を手に入れて計算してみた。死亡保険金はできるだけカットして、最低限必要だなあと思う保険を組み合わせると、10日間で1670円。10日間のセットプランは最低でも1人6500円するので、バラ掛けはかなり経済的だ。ただし、保険金額はセットプランよりも格段に低く(許される最低の設定ばかり)、傷害・疾病とも治療費用は200万円、疾病の死亡はなし、傷害の死亡(入ることが義務づけ)も最低の1000万円、という条件。

ついでに、私の分の保険の価値を調べてみると、たいしたことがない。保険料は10日間で4125円。娘の保険よりもだいぶ高いが、その理由は傷害死亡が5000万円と高いから。傷害・疾病とも治療費用は150万円と、フリープランの最低設定を下回っている。まあ、タダで保険をつけてくれているのだから文句は言えないが、でも年会費が高い(18000円)のだから、もっと豪華な保険にして欲しい気もする。悔しいから出発日は出発前に、成田空港の第2ターミナルにあるゴールドカード専用ラウンジ(同伴者1名は無料、2人目からは1人につき1000円)で、たくさんコーヒーを飲んでやろう、と心に誓った。

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