ロイヤルハワイアン滞在記

(1994年12月)


2.行きの道のり

 搭乗するまで

今回は成田エキスプレスなので、渋滞の心配がないので気が楽だ。17時半くらいの新宿発に乗って、18時半過ぎに成田空港に到着、19時の集合時間に余裕で間に合った。しかし、成田エキスプレスに乗るまでの荷物の運搬が、結構しんどかった。今回のわが家の荷物は、大きなーツケースと大きなバッグ、あとは各自小さなバッグをひとつづつ(3歳11カ月の娘は小さなリュック)という構成だが、駅の階段でエスカレーターの無いところではよっこいしょ、ヨタヨタ、という感じだった。

大きな2つの荷物を同時に両手に持ったままでは、重くて階段をのぼれない。子供が歩けるので、カミさんが大きなバッグを持てたが、これで子供もだっこやおんぶでは、かなりのハードワークになる。特に新宿駅が致命的にボロで、特急専用のホームなのにエスカレーターがない。JRのお客様サービスの立ち遅れを強く感じた。

乗ってしまえば、あとはラクチン。荷物を置くスペースもちゃんとあるし、缶コーヒーの自動販売機や公衆電話もあって、車内サービスはなかなか充実している。客の入りは7割くらいで、わが家(切符は大人の2枚だけ)ともうひとりのオジサンで、ひとつのボックスだった。娘は窓の外を眺めながらおにぎり(夕食その1)をいくつも食べて、おせんべやみかんももらえて、予想以上に静かにしていられて、意外だった。

定刻に成田空港駅に到着。ホームに降りると、カートが置いてある。どこまで使えるのかは分からないが、とりあえずはありがたい、さっそく荷物を乗せて行った。そしたら、改札を出て、エスカレーターにも乗れて、エレベーターにも乗れて、ターミナル4階の出発ロビーまでカートのまま行けてしまった。まるで海外の空港のような親切設計で驚いた。

このように、乗った後は至極快適で、時間の心配もいらないので、荷物(場合によっては子供も)を担ぐ体力さえあれば、成田エキスプレスも悪くない。安い民間のパーキングを使ったとしても、2人なら、クルマでも成田エキスプレスでもリムジンバスでも、みな費用は似たような金額になる。

集合時間前だが、HISのカウンターへ行くと、すでに受付が始まっていた。バウチャーと引き換えに航空券をもらうと、予想通り座席がすでに指定されている。持っていた座席表でチェックすると、禁煙席の真ん中の窓から3席、31のA・B・C。悪くはないが、4席の方がいいし、スクリーンの後ろならもっといい。他のお客さんの席を盗み見すると、わが家以外はみな2人連れで、席は通路のD&EかF&G、まれにC&D(通路をはさんだ2席)なんていうかわいそうな人もいるくらい、窓際のAやKはあまり割り当てられていない。UAへの事前連絡が少しは効いて、わが家にはHISのカウンターとしてはかなりいい席を割り当ててくれたようだ。または、たまたま窓際にぴったりはまる3人組だったからかもしれない。

次はUAのカウンターでチェックイン。混雑状況を聞くと、なんと満席とのこと。そのためスクリーン後ろの席への移動はおろか、4席使用もダメ。残念だが仕方ない。しかし、1年でいちばん空いていそうな時期だと思ったのに、満席とは・・・。金曜日発だったからだろうか?。それとも、ハワイの集客力の強さのなせる技なのだろうか・・・。

19時には荷物も預けてしまって、飛行機が見えるラウンジでコーヒー。メニューにミルクがないので、娘は水と持込みのおせんべ(ジュースは滅多に飲ませてもらえない)。第1ターミナルは半分が工事中で、便数も少ないようで、ロビー全体が閑散としていた。娘の保険をかけ忘れていたことを思い出し、東京海上火災のカウンターへ行ってみた。しかし外から見えるところには、高い保険料のセットプランしか資料や書類が置かれていない。そこでフリープランはあるかと聞いたら、机の奥から用紙を出してくれた。みんなにフリープランを知られると売上がダウンしてしまうため、フリープランの資料や書類は隠し持っている模様である。大会社のくせに、やることがせこい。予定通り、最低限のバラ掛けで加入した。

 機内

機内はやはり満席。わが家の席の近辺は子連れの割合が高く、禁煙席の真ん中を子連れ席にしているようにも思われた。定刻に離陸して、しばらくしたら飲物、そして食事。キッズ・ミールはハンバーガーだった。キッズ・ミールを頼み忘れたファミリーがいて、「パックツアーでも、こういうのを頼めるとは、知らなかった」と聞きに来た。

前回と同様に、今回も寝不足にしておいたので、作戦通り娘は食事が終わるとすぐに眠くなった。しかし今回はエコノミーで、また娘も大きくなっているので、足元で寝るのはちょっと苦しい。本人は前回のビジネスクラスの際の記憶があって、床でコロンしたいと言うので、しばらく試してみたが、ちょっと動くとゴチゴチ当たるので、椅子の上に戻ってきて、ちょっとモジモジしていたが、すぐに動かなくなった。きゅうくつそうな格好だが、とりあえず静かにはしていてくれるので、安心して親も毛布にくるまってウトウトできた。

 ホノルル空港

到着予定時刻は現地時間で7時55分、日本時間で深夜の2時55分。冬だと季節風が強いのか、所要時間は6時間10分。ほぼ定刻通りに着陸した。着陸寸前に娘を起こしたら、「窓から外が見える」という一言に反応して、すんなり起きた。

イミグレーションは前回よりも少し広くなっていて、そして前回と同じように目立つ場所にいた子連れ客はハワイのおっかさんに呼ばれて、すんなり通過。今回は前回よりもはるかに空いていてので、普通に並んでも15分くらいで抜けられたと思う。

空港の外に出るまで、着陸してから1時間足らずだった。娘は不思議と、機内からずーっとしゃっきり歩いてくれたので、長時間だっこの前回とはうって変わって、今回のホノルル空港はとってもラクチンだった。

 タクシー

今回はホテルまではタクシー。バスもあるらしいが、ロイヤルハワイアンの玄関のクルマ寄せでは、クルマで乗り付けるとボーイがうやうやしくドアを開けてくれて気分がいいし、3人だと値段もそれほど変わらないようなので、タクシーにした。

昔、NYのブロード・ウェー近くのバスターミナルで、ホテルの無料タクシーだとだまされて白タクに乗ってしまい、高い値段をふっかけられて恐い思いをした(150ドル!!という要求だったが、手持ちの現金総額の10ドルで切り抜けられた)ので、間違えて白タクに乗らないよう、緊張しながら、気をつけながらタクシー乗り場を探した。行きと帰りは財産を全部持ち歩いているから、やられた場合のダメージが大きいので、いつもとっても緊張する。

タクシー乗り場のあたりは、薄暗くていやな雰囲気。何人もが、「タクシーか」と声をかけてくるが、怪しいので当然無視。しかし、タクシー乗り場に近づいたところで、「タクシーか」と聞きながら荷物を持とうとする奴が現れた。こんなところで荷物を奪われてたまるかと、きっと睨みつけながらはっきり「ノー・サンキュー」と言うと、あわてて手を引っ込めた。ああびっくりした。

この場にいては危険なので、少し後戻りし、やや離れた所からタクシー乗り場の様子を眺めた。1分に2組くらいのペースでタクシーに乗って行く。たまに白い大きなリムジンも来る。さっき私に迫った奴は、TAXIと書かれた帽子をかぶっていて、乗客の荷物をトランクにいれ、何かしらの紙切れを客に渡している。どうも、ここは正規のタクシー乗り場で、さっきの奴は正規のタクシー誘導&サービス係員のようだ。疑って悪かったけど、でも、いきなりにゅっと現われて荷物に手を出されたら、普通はビビる。

さっきのおわびに、乗るときにチップを多めに2ドルあげた(トランクに入れた荷物は2つだったから、これが相場かも?)。もらった紙切れには、タクシーのナンバーとドライバー名が書いてあった。運転手が悪いことをしないようにする抑止力があるのだと思われる。

乗ったタクシーは普通のクルマ。1台早かったらリムジンだったのに、残念。ビューンとハイウェイを走って、途中で「混んでるから別の道を使いたい」みたいなことを言うので、「OK」と言って、45分くらいでホテルに着いた。回り道をしたのでタクシー代はややかさんで、チップ込みで30ドル。タクシーの中で、娘はまた寝入ってしまった。

 チェックイン

ベルボーイに迎えられて、娘をだっこして、建物に入る。期待していたのに、レイをくれるハワイの美女がいない。まだ10時で、客が到着する時間ではないからか。しかし前回も似たような時間に着いて、ちゃんと美女がいた。回りを見渡しても、誰もレイを持っていないので、あきらめてフロントに向かった。

次はフロントで、いつになったら部屋に入れてくれるのか、そしてアップグレードはしてもらえるかの交渉。お姉さんに書類とカード類を出して、「Can I check in now ?」と聞くと、部屋の要望を聞かれた。高層、ツインベッド+エキストラベッド、ラナイのみスモーキングと答えると、端末をカチャカチャ、そして「ルームナンバーは1107」と言いながら、カギをくれた。あれ、もしかしたらこれは、もう今から部屋を使えるということなのかな。

恐る恐る「May we use this room from right now ?」と聞くと、「Sure !」。やった!、まだ朝なのに、もう部屋に入れる。前泊分を払っていないのに、前回のアーリーチェックインとまったく同じ状況で、大ラッキー。部屋のアップグレードがなかったのは残念だが、身体が少しへばっていたので、とっても助かる。シェラトンクラブの会員だったのが良かったのか、寝てしまっている子供を抱いたお父さん、というわが家のお疲れさん的状況が同情を呼んだのか、はたまたツアーでなくて個人客だったからか、このラッキーの理由は分からない。(旅行の後、各方面に話を聞くと、「ロイヤルハワイアンでは部屋が空いていればチェックインタイム前に到着した個人客を入れてくれる」とのことであった)

カードと一緒に、「SCI 35%offカード」をくれた。ホテル内のレストランで、昼食と夕食の料理が割り引かれるが、飲物や朝食、ルームサービスは対象外。

さて、ルームキーはもらったものの、部屋へ案内するボーイがいない。フロントマンが呼んでくれる風もない。玄関ロビーには、前回よりも従業員が少ない。閑散期シフトなのだろうか。そう言えば、さっきのフロントでお姉さんがつぶやいていた「セカンド・・・・」は、良く聞こえなかったのだが、「2回目の滞在」という意味だったのかも。だとすると、行き方は分かっているから案内は不要だな、ということなのだろうか。それとも、「案内係を・・・」と言って頼むのが欧米スタイルなのだろうか。

一瞬の内にいろいろ考えたが、案内なしでも迷子にならないし、かえってその方が気が楽だし、荷物は届けてくれるって言うし、娘も目を覚まして歩けそうだし、まあいっかと、娘の手を引いて、キョロキョロしながらのんびり部屋まで歩いて行った。目につくところは1年半前とどこも変わっていなくて、少し懐かしい感じもした。

 部屋の様子

1107号室は、前回使った1207号室のすぐ下。前回は中層をリクエストして12階、今回は高層をリクエストして11階。16階建てなので、このあたりの階は高層と言えば高層だし、中層と言えば中層、ということなのだろう。部屋の中は前回とほとんど同じ、ベッドはツインベッドで、まだエキストラベッドは入っていない。エアコンが効いて涼しい部屋の中で、さっそくお湯と水が出るかどうか調べ、冷蔵庫の冷え具合いを確かめた。

前回と違う点としては、洗面台には、ヘアドライヤーが新設されていた。ウェルカム・フルーツと歓迎ミニパーティーのお誘い状がきていなかったが、何せまだ10時過ぎ、たぶん後で届けに来るのだろう。ベッドにコロンとしていると、すぐに荷物が届いた。

部屋の窓ごしに海を眺めると、前回と同じように、いかにもオーシャンフロントという感じで、どーんと海が広がっている。12階のラナイのフェンスは頑丈そうな壁だったが、11階のラナイのフェンスは隙間の大きな鉄格子状で、こっちの方が左右方向だけでなく上下方向にも海が広がっていて、解放感は満点。部屋の中からの海の眺望は、12階よりも11階の方がはるかにいい。

ラナイに出てみると、解放感がありすぎて、ちょっとこわいくらい。フェンスの隙間から、ほぼ真下のプールまで見おろせる。やや高所恐怖症の気がある私は、あまりフェンスに近づかないようにした。それでも充分、広々と海が広がり、波の音が全身を包みこむ。鉄格子の鉄棒と鉄棒の間隔は、15センチくらい、娘の頭が通り抜けて転落する可能性があるかもと思って、実物の頭を持ってきて実験してみたが、なんとかひっかかるサイズだった。しかし、勢い良くフェンスに突撃すると鉄棒がたわんで通り抜けてしまうかもしれないので、「ひとりではラナイに行かない、ラナイの中では暴れたり遊んだりしないでおとなしく椅子に座る、この約束が守れないならばラナイは禁止」と約束した。小さな子連れには、簡単には転落しそうにない15階・12階・9階・6階・3階のラナイの方が安心かもしれない。

娘はすっかり元気になって、ベッドでピョンピョンしている。下のプールを見おろすと、まだパラソル席が、それもプール最前列の特等席(子連れにとっての特等席)が空いている。前回は部屋でまず昼寝をしたのだが、今回は昼寝を後回しにしてまずプールへ行くことにした。

次の項目 −−− 3.プール&ビーチ

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