ロイヤルハワイアン滞在記

(1998年8月)


4.プール&ビーチ

 ワイキキの気候

期待した通り、8月という乾期のまっただ中で、日中の日差しは強烈で気温も上がるが、湿度がとても低く、風は実に爽やか。おかげで、パラソルの下で良く眠れた。毎日たっぷりと昼寝ができるので、深夜になってばっちり目が覚めてしまい、持っていった仕事がはかどった(ThinkPadを持っていった)。

乾期のワイキキは、北寄りの乾いた貿易風のおかげで、ほとんど雨が降らず、降っても短時間で雲が去っていく。高温低湿で、過ごしやすい暑さだ。しかし雨期になると、南向きの湿った風「コナ・ウィンド」が吹き、毎日数回のスコールが来る。雨期のスコールは、長いと1時間以上、下手をすると1日中降り続くことがある。ノースショアでいい波が立つのはこの風のおかげだが、雨期は乾期に比べると低温で、プールの水も冷たく(ハレクラニは例外)、プールサイド常駐型の人には寒すぎて不向きだ。

けれども、プールサイドで過ごすのではなく、あちこち観光や買い物に出歩くのがメインの人の場合は、雨期の方が過ごしやすくていいかもしれない。日本では「ハワイは1年いつでもベストシーズン」と言われているが、日本からハワイに行く人の中では、プールサイド常駐型は極めて少数なので、このように言われているのであろう。

 プールの客層

プールサイドの子連れ率は、夏休みということもあってか、とても高かった。客の半分くらいは子連れ。このホテルでは、たいていの親は自分の子供をきちんと監視しているか(そもそも、どこにいても目が届く程度の広さしかない)、親の監視なく遊んでいるのはきちんと躾けられた子供ばかりなので、子供の数は少なくないが、悪ガキ野放し状態のフロリダのウィルダネス・ロッジ(WDW直営ホテル)とは大違いで、助かる。大騒ぎするとか走り回るとか、マナーの悪い子供がウロウロしていると、心安らかに昼寝ができない。

プールサイドの客の国籍としては、欧米人が1/2、中国人と日本人が1/4ずつぐらい。1994年12月には少ししかいなかった中国人が、今回はたくさんいた。国籍を問わず、新婚カップルと思われる客は、ほとんどいなかった。

 プール

プールの水温は、前2回の経験で、夏は適温・冬は冷たいということが分かっていたが、今回は期待通り温かく、長く入っていられた。

 禁じ手の「プールでマット」
 (ほとんど客がいない朝8時に、係員の目を盗んで
  撮影を敢行した)
プールは浅いところで1m、深いところで2.6m。一番深いところに風で飛んだプラスチックのフォークが沈んでしまい、引き上げるのが大変だった。ビールを飲んだばかりではそもそも息が続かないし、また2m以上潜るとなぜか鼻から水が入ってくる。溺れたことがないのでこわいもの知らずの娘は、人口密度が低いのが気に入って、とうてい足がつかない(大人でさえ足がつかない)深い方で、浮き具もなしに浮かんだり沈んだりして遊んでいた。そして水底フォーク・サルベージ作戦においても、フォークの場所の探索活動に大きな貢献をした。しかし娘は潜れても50cmくらいなので、拾い上げるのは私が頑張るしかなかった。何度もトライして、息がゼーゼーしながらも、なんとか拾い上げ、鼻がジンジンとしばらく痛かったが、みごとに父親の威厳を示すことができた。やれやれ。

今回は浮き輪も腕輪もマットも何も持ってこなかったので、娘としてはただただ泳ぐしかないようで、するとかなり体力を消耗するらしい。1日に何回かは「上がれ、休憩だ」の声がかかる前に、プールから上がってきた。そこで、少しは遊びのバリエーションを増やしてやろうと、エアマットと小さなボールと大きな(おとな用)浮き袋をその辺で買った。エアマットは、大きすぎて水面を独占してしまうので、プールでは使用禁止(プールサイドの案内にも、そのように書いてある)だったので、ビーチ専用。浮き袋は、プールでの使用はOKなのだが、大きすぎて不安定だったため娘には不評で、あまり使わなかった。浮き袋は、「大は小を兼ねる」とは言えないようだ。

 プールサイドの席の予約

初日は、時間が遅かった(昼少し前)のに、運良くプール最前列の席がひとつだけ空いていた。プールサイドの席のテーブル上には、「席は予約制です、予約はカウンターまで」というプレートが置いてあった。以前は「プールサイドの席の予約は、知っている人だけができる」というシステムだっただが、これが明文化されたようだ。

タオル貸し出しのカウンターで聞くと、「15時から翌日の席(プールサイド&プライベートビーチ)の予約を受け付ける」とのこと。そこで、毎日15時に、翌日の席の予約をした。最もお気に入りの、プール最前列で、ビーチクラブカフェに近い端の席を確保できた。

予約席には、毎朝、係員がタオルを積んでいく。その数を数えたら、予約されている席は、38席あるパラソル席のうち10席前後と、意外に少なかった。以前の、非明文化の時代と数はあまり変わらない。席を予約しているのは、毎日ほぼ同じメンバーだった。残りのパラソル席は自由席だが、だいたい11時くらいには埋まっていた。プライベートビーチの席は、どのくらい予約が入っているのかは、見に行かなかったので分からない。

 プールサイドでのサービス

プールサイドでのサービスは強化されたようで、土日を除く全日、1時頃に冷たいおしぼりのサービスがあった。そして水曜と木曜と金曜は、4時頃に冷たいパイナップル・スライスがサービスされた。さすが産地だけあって、良く熟していて美味しかった。「美味しい!」と言ったら、あとでまた回ってきて、おかわりをくれて、うれしかった。

 プールサイドの席

ベッドはマットが変わって、以前はマットがフレームに乗っているだけの構造だったが、今回はマットに付いたひもでフレームに固定する方式になっていた。以前は夜になるとマットをすべて外して、夜露や夜の雨に当たらないようにどこかにしまっていたのだが、今回は一晩中マットはそのまま。だから朝行くと、マットは少し濡れていることが多かった(朝、係員がマットを拭いているが、それだけでは完全には乾かない)。しかし、タオルを乗せてしまえば全然気にならないので、これは的を得た作業合理化と言えるだろう。以前のマット集めは、とても重労働に見えた。

これに伴い、ベッドに使うタオルの枚数も減った。昔は、プールサイドの常連たちは、3枚のタオルをマットに巻き付けるようなスタイル(プールサイドの係員がベッドメイキングのサービスをするときに、そのようにするのを真似る)で使っていたが、今回はひもが邪魔で、同じようにはできない。そのため、みんなして、2枚のタオルをマットに乗せるだけ、という形で使っていた。タオルの使用枚数の点でも、ほんの少しは合理化されたようだ。

タオルの柄は、以前はピンク1色だったが、今回はピンクと白の大柄なストライプに変わっていた。風合いは同じで、柔らかすぎず、固すぎず、良く眠れる肌触りで快適だった。

このように、随所に合理化の努力が見られたが、快適性を損なわないように良く考えて工夫しており、また合理化で省力化した分、新しいサービスも付加されていたので、この点について、私としては好感を持った。

 常連客としての安心感

同じホテルに3回目なので、このホテルについてはだいたい勝手が分かっている。さらにプールサイド・カフェのお兄さんとは、滞在中は1日に何回か雑談を交わし、クリスマスにはカードもやりとりする程度の顔見知りになっているので、近くに知り合いが常駐しているという安心感もある。そのため、とてもリラックスできた。1回目、2回目よりもさらにぐっすりと昼寝ができた。この深い安心感は、常連客だけが味わえるメリットと言えよう。

この深い安心感を楽しむには、「手ぶらでいること」も大切だ。ロイヤルハワイアンのプールは当然ゲストオンリーで、閉鎖的な空間なのでゲスト以外の者が入りにくい雰囲気になっているが、すぐ目の前のワイキキビーチは盗難のメッカなので、用心にこしたことはない。そこで、カメラや大きな現金、クレジットカードなどは部屋のセーフティボックスにしまいこみ、必要なときだけ部屋から持ってきて、使い終わったらまた部屋に戻すようにした。

手に持っているのは、ホテルのカードキー(部屋番号が書いてないので、万一盗まれても、短時間のうちには自分の部屋には侵入されないと思われる)、タバコ、ライター、本、新聞、そして1ドル札は10枚もあれば充分。プールサイドカフェの支払いは、チップを含めてすべてサインで済むので、現金は敷地外にアイスクリームなどを買いに行くとき、そしてプール係員に特別のサービスをしてもらったときのチップとして使う程度である。

 ビーチ(カヌー)

1996年12月にハレクラニに泊まった際に、ジジババ連れであったので、激しくないおだやかな乗り物に見えたカタマラン(双胴式のヨット)に乗ってみた。風に吹かれての30分ほどのクルーズは、なかなか爽快だった。ワイキキビーチで目につく乗り物は、このカタマランのほかには、カヌー(アウトリガー式で転覆しにくい)がある。そこで、乗ってみることにした。料金は1人5ドルと、カタマランよりもはるかに安いが、ディズニーランドのカヌーと同様に、動力は人力だけなので、かけ声に合わせてみんなで漕がなければならない。前後に座った人のオールさばきが下手くそだと、びしょびしょに水をかぶってしまう点も同じだ。

波打ち際から出発して、少し沖に出たらUターンし、波打ち際を目指す。一生懸命漕いで、スピードを上げて、するといつかタイミングがあって、波に押されて疾走を始める。このときの、テールがすっと持ち上げられ、急にスピードが上がり、顔に水滴や潮風が吹きつけてくる感覚は、波乗りとまったく同じ。予期せぬ爽快感に驚いた。カヌーの船体は長く、波乗りのロングボードの2倍か3倍はあるので、小さな波でも乗れるし、また乗れればそれが長く続く。かなり長く波に乗って、波が力を失うと、再度Uターンして沖を目指す。そしてまた波乗り。20分くらいの間に計4回か5回、波に乗った。

船長の合図に合わせて、波に乗ろうとするときは必死に漕いだので、肩と腕の筋肉が重くなったが、この疲れ方も波乗りに似ている。1993年の初めてワイキキの時は、レンタルの不良品のサーフボードを借りて、かなりしんどい思いをして、何とか1本だけ波に乗れて、へとへとのげっとりになったことがあった(詳細は1993年の旅行記を参照)。しかしカヌーなら、1回たった5ドル(1時間のサーフボードのレンタル料は確か8ドルくらい)で、そんなにしんどい思いをせずに、波乗りの風を感じることができるのだ。これは素晴らしいことだ。次回も必ず乗ろうと思った。

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