ロイヤルハワイアン滞在記

(1998年8月)


5.食事

 食事の概要

ワイキキには高い店から安い店まで、そして同時にバリエーションの点でも、多彩な飲食店が揃っている。しかしわが家の場合、使う店と食べるメニューが回を重ねるごとに固定化しつつあり、今回新たに利用した店はわずかに1店のみだった。「当たるも八卦、当たらぬも八卦で新たな店の開発」というのも楽しいものだが、「この店でなら必ず満足できる」という信頼できる店があると、なかなか他の店に行く気にならない。なお、基本的に貧乏なわが家のこと、レストラン選びの基準は当然「安くて美味しい店」である。

 ビーチクラブカフェ

1年半ぶりに顔を見る店員のアート(最年長の固定的従業員なので、たぶんこの店の店長だと思う)は、いつもと同じように、カウンターの中でニコニコしていた。前回と同じように、100円の電卓をあげたら、前回と同じように、とても喜んでくれた。ハワイには100円ショップ(1ドルショップ)は、存在しないのだろうか。

今回のアートは、どういうわけか、あれやこれやと毎日大サービスをしてくれた。到着した初日は、オーダーした昼食メニューの他に、大きなフルーツの盛り合わせをアート本人が持ってきた。「これは何?」と聞くと、にっとウィンクしたので、小さな声で「Thank you」と言ったら、小さな声で「You wel」と答えた。7泊で7回の昼食のうち、4回はビーチクラブで食べたが、4回ともフルーツの盛り合わせを出してくれた。とても美味しかった。満腹で苦しくなった。

残る3回の昼食のうち、2回はサーフルーム、1回はプールサイドにバーガーキングのハンバーガーの持ち込み(アートが休みだったので、たまには違うものを食べようと、表通りまで買いに行った)。

ビーチクラブカフェも、この1年半の間に細かい部分が変わっていて、まずは冷水(プールにいる客は自由に飲んでよい)の提供方法が、氷入りの水のポット(30分に1回は店員が補給)から、冷水機に変わっていた。合理化と言えるが、昔のポットの方が美味しいような気がする。また、くそまずいアイスコーヒーは、多少は味が良くなったが、合格点にはほど遠い。おもちゃ付のキッズメニューは、いつの間にか姿を消していた。

新しいメニューとしては、スーベニールカップ(大型の飲物ボトル、1996年12月にハレクラニに宿泊した際にアートがくれたボトル)がおもしろかった。最初6.25ドル、リフィル(つぎ足し)は2ドル。わが家のようなプールサイド常駐型の客にはぴったりだ。量は普通のコップの2本分以上入るので、2回目以降は1回1人1ドルでソフトドリンクを飲めることになる。「ビールはダメか」と聞いたら、アートは「あなたの健康のため、ソフトドリンクだけ」と言った。

 朝食

ずっと前から行われている朝のビーチクラブカフェの無料コーヒー&紅茶サービスは、今までは行かなければ分からないという常連客向けのサービスだったが、今回は部屋の説明書きでも紹介されていた(英文のみ)。説明書きには「時間は6時から8時」と書かれており、従来よりも閉店が早まったので、経費節減のための合理化がここでも行われているのかと思ったが、実際には6時から9時半ころまで行われていた。この営業時間なら、これまでと変わらない。これまでの経験では、6時や7時にコーヒーをもらいに来る客はごくわずかで、客が急に増えるのは8時半から9時ころであったので、「8時では閉店が早すぎる」などという常連客からのクレームがあったのではないかと推測する。

このサービスがあるので、わが家はロイヤルハワイアン滞在中は、朝食は部屋で取ることに決めている。私とカミさん用にコーヒーを4杯もらってきて、娘にはコンビニで買ってきた牛乳を飲ませて、軽くパンとかコーンフレークとかおにぎりを食べて、スープ代わりにきつねドン兵衛を作って(海外旅行用電気湯沸かし器を持っていく)、という感じ。夜用にカセット式のコーヒーも持っていくのだが、ビーチクラブカフェでサービスしてくれるコーヒー(上質のコナ・コーヒーだとアートが言っていた)の方がはるかに美味しい。

 バーガーキング

バーガーキングのハンバーガーは、2回食べた。1回目はロイヤルハワイアンのプールサイドへの持ち込み、そして2回目は帰路のホノルル空港。空港のバーガーキングは、飛行機を眺めながらガバガバとコーヒーを飲んで暇つぶしできるので、気に入っている。

あまり日本人には知られていないようだが、アメリカにあるバーガーキングなどのハンバーガーショップは、コーヒーやコーラなどのカップに入った飲物はおかわり自由であることが多い。そのような店は、客が自分で注ぎやすい位置に飲物マシンやコーヒーが置いてある。アメリカでハンバーガーショップに立ち寄って食事をするときは、飲物はLサイズ(日本のLサイズよりもでかい)を頼んで、食べ終わったらトイレに行って、最後にでかいカップを飲物で一杯にしてから店を出るのが、正しい作法だ。コーラなどを入れず氷だけをカップに入れていけば、1時間くらいは冷たい水が飲めるので、そうしてもいい。どこかで、コンボイみたいな巨大なトラックの運転手に教えてもらった。それ以来、わが家はアメリカをレンタカーで走り回るときは、この作戦を愛用している。

 サーフルーム

夕食は値段が安くはないので、ランチタイムのビュッフェを2回利用した。最もビーチ寄りの端の席は、眺めはいいが、12月の昼飯時は直射日光が当たってとても暑かった。しかし8月は、太陽が真上に上がるので日陰になり、一番いい席になる。水着(なるべく乾かせた)の上にTシャツを着て、ビーチサンダルというかなりカジュアルな姿なのに、2回とも一番いい席に案内された。プール側からの入り口(一度閉鎖されたが、その後復活した)から入ったので、ロイヤルハワイアンの宿泊客と分かったからかもしれない。

2回目は、ウェイトレスに「ロイヤルハワイアンの滞在客か」と聞かれたので「そうだ」と答えたら、娘の分が無料になった。1回目はそのようなことは聞かれなかった(娘の分もちゃんと払った)。2回とも、会計時には「昼食&夕食35%引きカード」(SCIの35%引きで泊まる客に対してチェックインの際に渡される)を見せているので、ロイヤルハワイアンかあるいはワイキキのシェラトン系ホテルの宿泊客であること、そしてシェラトンクラブの会員であることは分かったはずだが、なぜ2回目だけ娘の分が無料になったのか、不思議だ。

 ヤミー・コリアンバーベキュー

サーフルーム2回のほかは、テーブルサービスレストランには行かず、ほとんどジャンクフードだった。7泊で7回の夕食のうち、4回がお気に入りのヤミー・コリアンバーベキューだった。

ヤミーは、しばらく前に東京の浅草橋の近くにも店を出したので、わざわざ電車に1時間乗って食べに行った。しかし、全然美味しくなかったので、大いにがっかりした。そのため、本家のホノルルのヤミーも味を落としてしまったのかと心配していたのたが、食べてみたら昔ながらの美味しさで、安心した。

カルビプレートの美味しさもさることながら、オーダーし、お金を払い、それから付け合わせを4品頼んで皿に乗せてもらっているうちに肉が焼けるので、その後はそれほど待たずに完成する、という受注−調理−納品のシステムが素晴らしい。東京のヤミーは、肉質は悪いし、付け合わせの選択システムはないし、店が空いているのにけっこう待たされるし、ハワイのヤミーのいいところを全然受け継いでいない。経営者は何か勘違いしているのだろう。東京の店は、もうつぶれてしまっているかもしれない。

ヤミーは、アラモアナ・ショッピングセンターのマカイマーケット(フードコート)にも店を出している(ビールも売っている)が、インターナショナル・マーケットプレイスのフードコートにある方が、暗くて汚くて、その上ビールは少し遠くのちょっと恐ろしい雰囲気のバーまで買いに行かなければならないが、けれども人口密度が低く、空が見える半屋外で開放的な雰囲気なので、私は好きだ。週末の夜はバンドも入る。今回見たバンドは、いつもの通りあまり上手いバンドではなかったが、曲はイーグルスナンバー主体で、からっと暑い気候には良く似合っているので、すっかり聞き入ってしまった。

 ジューススタンド

インターナショナル・マーケットプレイスのフードコートのヤミーに行くと、必ず食後にシェイク(現地での商品名はスムージー)を頼んだ。毎回スイカシェイクばかりでは芸がないと思い、何種類か試してみたが、やはりスイカシェイクが一番。スイカシェイクを10点とすると、イチゴシェイクは8点、マンゴーシェイクは6点。

 タイ料理&ベトナム料理の店

何回かバンコクに行って、タイ料理が好きになったので、マカイマーケットの中のタイ料理&ベトナム料理の店に行ってみた。この店は初めて。サンプルや写真、厨房においてある食材などをじっと観察したのだが、どのタイ料理も美味しそうには見えなかった。「美味しいタイ料理は、材料費が決して安くない」と、吉祥寺の行きつけのタイ料理店のママ=チェンマイ出身が言っていたことを思い出した。そこで、ベトナム風ラーメンのサイミンを頼んだ。ダシが日本のラーメンとは全然違うが、意外に美味しかった。また食べたい。

 ドミノピザ

アメリカ本土をレンタカーでうろうろする旅行の際は、行き当たりばったりでモーテルを転々とするので、夕食時に手頃なレストランが近くに見つからないと、ドミノピザになることがある。味はやや油がきついが、日本とほぼ同じ。値段も日本と同様に決して安くはなく、マクドナルドなどのファーストフードと比べると割高な感じがする。モーテル泊まりでドミノピザを食べるときは、届けてもらうのが少々不安(モーテルでは夜はなるべくドアを開けたくない気がする)なので、いつもお店に出向いて買っている。

届けてもらったことがないので、アメリカのドミノピザは、どのように宅配しているのだろうと、昔から疑問に思っていた。店頭に宅配バイクや宅配自転車は置いていない。おそらくクルマだろうが、しかしドミノピザのマーク入りのクルマというのも、見たことがない。とすれば、アルバイトが自分の家のクルマを持ち込んで宅配しているのだろうか、でもそれでは少々かっこ悪いなあ、などと考えていた。

この疑問が、今回やっと解決した。ステートフェアに行く途中で、ドミノピザの宅配のクルマを発見したのである。屋根のサイドの部分に、へんてこりんなドミノピザのマークをつけていた。運転手はちゃんとドミノピザの制服を着ていた。治安が日本より悪いアメリカのこと、このようなマークを付けたクルマが家の前に止まって、そこから出てきた制服姿のアルバイトが玄関のチャイムを鳴らすようにしないと、オーダーした家の人は安心してドアを開けられないのだと思う。

次の項目 −−− 6.買い物

ロイヤルハワイアン滞在記(1998年8月) 目次

観光地としてのハワイの魅力・調査レポート メニューページ

トップページ