旧ゴム動力模型飛行機掲示板の興味深い記事   ホームページへ

掲示板記事の内、将来当Webサイトに転載予定の記事へのリンクです。
掲示板開設時から2008年2月までの面白そうな記事を掲載しています。。

リンク設定日:08-02-14 (22-10-03再設定)
航空図書館に行ってきました 投稿日:2007年 1月15日
バリウム容器 投稿日:2007年 3月13日
リブ付きスチレン翼 投稿日:2007年 3月25日
スチレンペーパーを溶かさない瞬間接着剤 投稿日:2007年 4月 3日
スチレンペーパーを溶かさない瞬間接着剤−追記 投稿日:2007年 4月 5日
風の強いときは 投稿日:2007年 4月29日 (2022年11月20日追記)
プラスチックネジ 投稿日:2007年 5月17日 追記あり
プラスチックネジで垂直尾翼の取付け角調整 投稿日:2007年 5月17日
ネジで垂直尾翼の取付け角調整 続編 投稿日:2007年 7月21日
京都の竹
投稿日:2007年11月 2日
動力ゴムのエネルギー測定から解ること 1.ニー 投稿日:2008年 1月13日
動力ゴムのエネルギー測定から解ること 2.ヒステリシス 投稿日:2008年 1月14日
動力ゴムのエネルギー測定から解ること 3.不完全巻きの不利 投稿日:2008年 1月14日
「こうすれば飛ぶ模型飛行機」原著者逝去 投稿日:2008年 1月29日
マッコム氏の貢献1 適正垂直尾翼容積比 投稿日:2008年 1月29日
マッコム氏の貢献2 限界上昇角 投稿日:2008年 1月29日
マッコム氏の貢献3 V尾翼の効率 投稿日:2008年 1月29日
フラップ翼カタパルトグライダー 投稿日:2008年 1月31日(2022年11月20日回復)
フラップ翼HLGの元祖 投稿日:2008年 1月31日
Cカットバルサは積層板 投稿日:2008年 2月 1日(2022年11月20日写真図面回復)
Re: 大直径プロペラは有利? 投稿日:2008年 2月 2日
プラスチックネジ再 投稿日:2008年 2月12日

航空図書館に行ってきました
投稿者: 松本@GPF 投稿日:2007年 1月15日(月)21時17分46秒
編集済
ライトプレーンデザインコンテスト
http://www.aero.or.jp/koku_sports/kodomo-mokei/desigin_con.htm
の締め切りが今日、新橋の航空会館に審査員特別賞狙いの自信作?を駆け込みで持参しました。担当の方に聞いたところ、15日午前11時ごろ現在の応募総数は20数点だそうです。その方の感想では、予想より多いとのこと。
持込の理由は同じ建物の中にある航空図書館、そこで萱場さんのサンフラワーの記事
http://www.ll.em-net.ne.jp/~m-m/copter/Kayaba.htm
が確認できました。
他に気付いたのはUコン技術の製本版、確認はしませんでしたが創刊から廃刊までの全巻がそろっていそうです。国会図書館になくて、航空図書館でも羽田の倉庫にうつしてあると聞いていたので、新橋に戻っていたのはうれしい驚きでした。
フリーフライトも扱っているFlying ModelsやModel Aviationなど海外の模型雑誌も何種類か置いてあります。

バリウム容器
投稿者:松本@GPF 投稿日:2007年 3月13日(火)16時07分19秒
先日の市の定期健診のとき病院から胃のレントゲン撮影に使ったバリウム容器を貰ってきました。直径6cm、高さ16cmです。
http://www.ll.em-net.ne.jp/~m-m/tips/brush/brush.htm
で紹介した刷毛ごと保管出来るドープやラッカーの容器にピッタリです。

リブ付きスチレン翼
投稿者:松本@GPF 投稿日:2007年 3月25日(日)22時45分26秒
返信・引用
スチレン翼、特に0.5mmのスチレン翼はキャンバーを付けても捩れや曲げの強度が不足で、私の場合スパン30cmの翼を作るのは困難でしたが(平板の後退翼は別にして)、翼央近くに短い間隔でリブを入れてみたところ、捩れ強度、曲げ強度が格段に向上しました。
写真の翼は中心のコードが8cm強、翼端コードは3.4cm、スパン30cmの平板後退翼を改造しまもの。リブ間隔は約3cmと5cmです。翼面積約1.8dm^2で1.6グラムですから、竹ヒゴ紙張りの翼とくらべてほとんど遜色がありません。
次はもっと大きい翼を0.5mmスチレンペーバーで試してみるつもりです。



スチレンペーパーを溶かさない瞬間接着剤

投稿者:松本@GPF 投稿日:2007年 4月3日(火)22時17分38秒
編集済
スチレンペーパーを溶かさない瞬間接着剤、普通より高い値段で売っていますが、いわば廃物利用で同じ用が足せることを発見しました。知っている人もいたかもしれませんが。
浸透性の接着剤は長く使っているとどろどろになって使いにくくなります。これを竹ヒゴやバルサとスチレンペーパーの接着に使ってみたところ、スチレンペーパーが溶けず、ちゃんと接着できることを発見しました。
確認したのは写真の2種だけです。それ以外は未確認ですが。
大きいビンの方はアメリカ製。



スチレンペーパーを溶かさない瞬間接着剤−追記
投稿者:松本@GPF 投稿日:2007年 4月 5日(木)14時04分11秒
編集済
アメリカ製の方は粘度が増しすぎて扱いにくくなってきたので、100円ショップの安い瞬間接着剤を混ぜて粘度を下げて使ってみました。それでもスチレンペーパーが溶けることはありませんでした。
(素人考えですが、瞬間接着剤の粘度はシアノアクリレートの重合の程度、つまり鎖の長さで決まるのでしょう。ネバネバとサラサラのを混ぜると多分中程度の長さの鎖になり、それでも鎖が十分に長いのでスチレンペーパーを溶かさないのでしょう。)

2022年10月3日追記
最近つかっているのはダイソーの刷毛付きです。これは高粘度でスチレンペーパーが溶ける心配なし、刷毛が便利です。口が固まらないのも良い点です。



風の強いときは 投稿者:松本@GPF投稿日:2007年 4月29日(日)21時50分32秒
風の強いときの機体の持ち方、平野清さんにポーズお願いしました。
風に向かって機首のあたりを軽く指でつまんで持てば主翼に無理な力が加わらず比較的安全です。
平野さんが持っている機体はご自分の輪ゴム飛行機、詳細をご紹介願いたいです。



(2022年11月20日追記)
主翼以外には風圧がほとんどかからないので主翼を持つのがより安全です。


風が風が強い時の機体の置き方:
機首を風上に向け、裏返しに機体を置きます。機体は主翼の揚力で地面に押し付けられるためその場所に留まり、風下に飛ばされることはほとんどありません。


2022年10月3日3日追記
風の強い時、胴体を持つのも比較的安全です。
地上に置くときは翼を下にします。主翼に発生する揚力で機体は地面に押し付けられて逃げることがありません。

プラスチックネジ 投稿者:松本@GPF 投稿日:2007年 5月17日(木)21時50分56秒
編集済
写真はポリカーボネート製のネジとナット、ネジ部の直径が2mmでナットと合わせた重さは約0.04グラムです。これは通信販売
http://www.sgmto.jp/index.html
で入手したもの。送料を含めてもかなり安価です。
ホームセンターなどに置いてあるのは一番小さいのがネジ直径3mm、ネジ部の長さが10mmでナットと合わせた重さは0.15グラム位です。



2022年10月3日3日追記
最近の情報はhttps://rara.jp/rubbermodel/page49の3ページ目にあります。

プラスチックネジで垂直尾翼の取付け角調整 投稿者:松本@GPF 投稿日:2007年 5月17日(木)22時10分17秒
胴体には適当に穴を開けておき、ナットを瞬間接着剤で貼り付けます。そこにプラスチックネジをねじ込んで完成。現場での尾翼取付け角の微調整が手軽に出来ます。ネジを一回回して尾翼後端の高さが0.4mm変わります。
ナットを胴体の上に貼り付けるのと、下に貼り付けるのと二通りの方法が有ります。後端の上げ方が小さい場合は下に貼り付ける方法が良いでしょう。
瞬間接着剤がねじ山を埋めてしまうことがあるので、接着は注意深くやる必要があります。



ネジで垂直尾翼の取付け角調整 続編 投稿者:松本@GPF 投稿日:2007年 7月21日(土)22時36分29秒
5月10日の続編です。
これは私が知らなかっただけかもしれませんが、やってみたらプラスチックネジを使ってバルサにネジを切るのは簡単です。
ボルトの直径(2mm)より少し細い穴を錐でバルサにあけ、そこにボルトの先端を挿入してドライバーでねじ込むだけでネジが切れます。したがってナットは不要です。
ところでボルトにくらべてナットは数倍の値段です。ナットは多分型に流し込んで作るのは無理なので作る手間が大変なのでしょう。



京都の竹 投稿者:松本@GPF 投稿日:2007年11月 2日(金)21時40分8秒
京都の竹はライトプレーンの骨組みに最適です。竹ひごの強度、ねばりなどが明らかに関東産よりも優れています。
写真の竹は油抜きした真竹(白竹)で節間の長さ45cm前後、周囲が20数センチのもので送料こみ一本当り1000円(10本の場合)+、このサイズなら2mm角の皮付き竹ひごが100本以上取れますから高くはありません。本数が少ないと送料が高くつくので仲間でのまとめ買いがいいでしょう。
〒616-8164京都市右京区太秦桂町6(株)竹定商店 電話075-861-1712
から送ってもらえます。
直接訪問する場合は太秦警察署のとなりですからすぐ分かります。その場合は竹は広い倉庫から自分で探せといわれるのでやや面倒です。



動力ゴムのエネルギー測定から解ること 1.ニー
投稿者:松本@GPF 投稿日:2008年 1月13日(日)22時23分21秒
編集済
動力ゴムのエネルギー測定については
動力ゴムの性能測定
にいろいろ述べていますが、数回その補足をしてみます。
いいゴムの第1の条件は蓄積・放出エネルギーが大きいことですが、ゴムがほどける時のトルクの減り方も重要です。図は実際の測定例ですが、JUL97は過去最良のゴム、JUN97はJUL97ほどではなくてもいいゴムです。カーブの曲がり部分を英語ではニー(ひざ)といいますが、この凹みが少ないJUL97の様なゴムがいいゴムです。JUN97では最初の上昇は良くてもその後の勢いが落ちます。一方のJUL97では上昇の勢いが衰えません。
グラフ補足
テストサンプル:1/8"(3.2mm)ゴム2.1cmをループにして測定
縦軸:ゴム張力(192.5グラムの錘の個数) 横軸:ゴムの伸び(cm)
カーブは引き伸ばした後の帰りの特性(巻いたゴムの解け相当)
JUL97 Tan IIはその年チェコスロバキアで行われた世界選手権の参加者など極少数の人だけが入手できたプレミアムゴムです。選手権参加の田岡さんからサンプルをもらって測定しました。



動力ゴムのエネルギー測定から解ること 2.ヒステリシス
投稿者:松本@GPF 投稿日:2008年 1月14日(月)09時01分21秒
編集済
動力ゴムでは人が巻いてゴムに注入するエネルギー(グラフで行き)とゴムがほどけてプロペラに放出されるエネルギー(グラフで帰り)は相当違います。
グラフで青いカーブの下の面積が注入エネルギー
    赤いカーブの下の面積が放出エネルギー
その差に相当する青いカーブと赤いカーブに囲まれた部分がエネルギーロスです。
巻く時とほどける時のカーブが違うのを動力ゴムのヒステリシスといいます。ヒステリシスが小さいのがいいゴムです。
ゴムを巻いたときの発熱によるエネルギーロスなどがヒステリシスの原因とされています。試してみるとわかりますが、巻いた直後のゴムは少し温まっています。ゴムを巻いた後放置すると赤いカーブの高さ(ゴムの張力・トルク)は少し下がりヒステリシスは増大します。放置ロスは巻き足しで回復できます。



動力ゴムのエネルギー測定から解ること 3.不完全巻きの不利
投稿者:松本@GPF 投稿日:2008年 1月14日(月)23時06分57秒
編集済
前回のヒステリシスカーブからもう一つ有益な情報が得られます。図を少し加工すると、ゴムを完全に巻いた場合とチャンと巻かない場合の放出エネルギーの比較ができます。
下の図は前回のJUN97ゴムのヒステリシス曲線に多少の追記をしたものです。A点は前回同様100%巻きの張力でカーブaはその戻りの曲線、B点は90%巻きの張力でカーブでbはその戻りの曲線、同様にCc、Ddは夫々80%巻き、50%巻きの張力と戻り曲線です。なおbcdの手書きの部分は推定です。
abcdカーブの下の面積を計量すると夫々の場合の放出エネルギーが計算できます。その結果は
カーブ 巻き数 面積 面積比=エネルギー比
 a 100% 69 1.00
b 90% 52 0.75
c 80% 41 0.59
d 50% 18 0.26
となります。90%巻きの場合はフル巻きの75%のエネルギー、80%巻きの場合はフル巻きの59%のエネルギーだけを使っている訳です。獲得高度も夫々75%、59%になっていると見ていいでしょう。
ゴムはしっかり巻かないと大損をします。



「こうすれば飛ぶ模型飛行機」原著者逝去 投稿者:松本@GPF 投稿日:2008年 1月29日(火)12時27分26秒
NFFS Digestの最新号の広告に
A Great Book!
The late Bill McCombs' "Making Scale Models Fly,"....
とあり、勝山彊訳:「こうすれば飛ぶ模型飛行機」の原著者ビルマッコムさんがなくなった模様です。
勝山さんの訳本のお世話になった人は多いのですが残念ながら今は売り切れです。この訳本は1981年の初版の翻訳ですが、その後3回の改版が行われています。改版といっても手書きの書き込みと10数ページの附録の追加ですが、その附録の部分には新情報がいろいろ入っています。
原本は今でも入手可能です。簡単なメモ例えば
Dear Madam:
Send me a copy of "Making Scale Models Fly"
自分の氏名、住所
Japan
に$18.95 + $4.00の国際郵便為替を同封して(この $4.00は国際料金を反映いない模様なのであと5ドル上乗せが無難)
Susan Creamer
1925 Clark Trail
Grand Prairie, TX 75052
USA
あてに手紙を送ればOKです。

2022年10月3日追記
米国宛の国際郵便為替はもはや使えません。
勝山さんの訳本は確かに売り切れですが電子書籍が入手可能です。希望の方はゴム動力模型飛行機掲示板に「こうすれば飛ぶ模型飛行機電子書籍」購入希望と投稿願います。電子書籍の購入を仲介します。

マッコム氏の貢献1 適正垂直尾翼容積比 投稿者:本@GPF 投稿日:2008年 1月29日(火)15時34分49秒
編集済
"Making Scale Models Fly改版の附録にはフリーフライトの機種別の適正
垂直尾翼容積比が出ています。
機種 適正垂直尾翼容積比(N)
F1Aグライダー 0.006
ハンドランチグライダー 0.012
室内機(F1D) 0.018
その他の室内機 0.028
F1Cなどエンジン機 0.023
屋外ゴム動力機 0.033
スケールエンジン機 0.027
ゴム動力スケール機 0.035
これは一つの目安でいわば設計の出発点です。過大なNは動力飛行時のはいずり、過小なNはダッチロールをきたします。実際の飛び方を観察してNを修正する必要があります。
大きい上反角、長い機首、大きいプロペラなどは垂直尾翼の効果を減じますから大きなNが必要でこれは上記の数値にも反映されている感じです。室内機のNが小さいのは気流の乱れがないからでしょう。
尾翼過大の簡単チェック方法
適正垂直尾翼容積比の手投げチェック

も参考になります。

マッコム氏の貢献2 限界上昇角 投稿者:松本@GPF 投稿日:2008年 1月29日(火)19時11分42秒
編集済
Making Scale Models Fly改版の附録には模型飛行機の限界上昇角(critical climbangle)の説明も出ています。前回の適正垂直尾翼容積比同様、NFFS Symposiumへの寄書の要約です。
要点は「機体の諸元が与えられると限界上昇角が定まる。その値以上の急角度での上昇は不可能である。」というものです。例えば限界上昇角が50度なら、いくら動力を強化しまたプロペラのスラストや翼の角度を変えるトリム調整を行っても50度以上の急角度上昇は不可能です。
限界上昇角はプロペラサイズとプロペラ位置(重心からの距離)、垂直尾翼サイズとその位置(重心からの距離)、主翼のサイズ・上反角・後退角、胴体側面積などから計算されますが、大雑把に言えば垂直尾翼容積比が小さく、ダッチロールに近づくほど限界上昇角は90度またはそれ以上(垂直上昇可能)になります。大きい垂直尾翼では垂直の近い上昇は不可能なのです。
プロペラが後に付いているカナードタイプでは回転しているプロペラは翼と同じ効果を持つため、実質的に大きい垂直尾翼があるのとの等価になります。したがって動力飛行時のみ大きい先尾翼を出すなど特別の工夫をしない限り急上昇は不可能です。(
プロペラの首翼効果−決定版参照)
限界上昇角は急上昇(例えば80度)できる機体の垂直尾翼を1.5倍に増やしてみるとよくわかります。推力がおおきくても、どんなにトリムを変えても80度の上昇は不可能になります。
この限界上昇角の考えを最初に模型界に紹介したのはマッコム氏です。


マッコム氏の貢献3 V尾翼の効率 投稿者:松本@GPF 投稿日:2008年 1月29日(火)22時28分3秒
V尾翼の実効水平・垂直尾翼面積は投影面積で評価するのが謂わば常識ですが、その誤りを指摘しているのもMaking Scale Models Flyです。
下の図でV部分の面積Sの水平、垂直の投影面積は
水平:S*sin30度=0.5S 垂直:S*cos30度=0.87S
ですが、
V翼の実際の効果は
水平:S*(sin30度)^2=0.25S 垂直:S*(cos30度)^2=0.75S
であるというのがマッコム氏の説明です。特に垂直尾翼の効きに大きな差があるのがわかります。注意点としてはV翼は一般にアスペクト比が大きいのでその分効率の低下は緩和されます。
主翼の2段上反角の外翼の効果もこの方法(実効主翼面積をcosの2乗で評価)で評価すべきとしています。
最近流行の翼端投げのHLGでは投げの直後の尻振り(ヨー)を抑えるのが重要らしいのですが、おそらくこのためにV尾翼が採用されています。V翼は高速の尻振り(ヨー)では大きい抵抗を発生してヨーを押さえ込むのに有益です。滑空時には効率の悪い
水平(←垂直が正しい)尾翼として働き、スパイラル不安定を回避できるのでしょう。
余談ですが日本のフリーフライトではHLGの従来の投げ方を野球投げ、新しい投げ方を翼端投げというのが普通のようです。一方はスポーツの名前、他は握る場所で命名、バランスに欠ける命名です。英語の場合はディスカスランチ(DL、discuslaunch 円盤投げ)、ジャバリンスロー(javelin throw 槍投げ)で投げ方の注目し
た対称な命名です。もっともラジコンの世界ではSAL(side arm launch)とも言っているので似たり寄ったりかもしれませんが。




フラップ翼カタパルトグライダー 投稿者:松本@GPFメール 投稿日:2008年 1月31日(木)00時37分32秒 返信・引用 編集済
フラップ翼のカタパルトグライダーを飛ばしています。きっかけは室内HLGで世界記録を何個も持っている石井満さんのBlog:やまめ工房の日記に弾性フラップ翼を使う予定とあったからです。

私の可変フラップ翼は滑空時には翼の自重でフラップを下げて高揚力にし、高速上昇時には風圧によりフラップを上げて抵抗を小さくして高度を獲得するのが狙いです。いわば重力/風圧フラップです。
石井英夫さんのトレーナーの主翼の中央パネルの後半分を切り離して前後下面をセロテープで貼り付けブラブラ状態にして主翼の前半を翼台に接着します。翼台の高さは5mmです。






今回の機体では、水平に手で持った状態でフラップは主翼後縁で測って4mm下がります。図ではフラップが最大限上がった状態を黒、フラップが一番下がった状態を赤で示しました。


高速発進時にフラップがどれだけ上がっているかは不明ですが、フラップが下がった状態に固定して高速発進すると激しく宙返りするので、高速時にフラップが相当上がっているのは間違いありません。滑空時にはフラップ部分も揚力を負担しているので静止状態の4mm下げよりも僅かに上がっていると思われます。
上昇性能、滑空性能がフラップなしの通常翼機と比べてどうか?が最大の関心事ですが、今の所優位性を確認するまでには行っていません。調整の難易などもふくめてもう少し飛ばし込む必要があります。

このやり方のフラップ翼はハンドランチグライダーでもゴム動力機でも使えそうです。主翼はバルサに限らず、工夫すればライトプレーン翼や紙でも可能でしょう。


フラップ翼HLGの元祖 投稿者:松本@GPF 投稿日:2008年 1月31日(木)13時44分59秒
フラップ翼HLGの元祖はおそらくStoy兄弟のクート(Coot)です。図面はNFFSSymposium 1981の記事:Indoor Model of the Yearからの(著作権法で認められた最低限の)引用です。
特徴は図で判る通り主翼の付け根の左右の切り込みと極端に小さい水平尾翼です。
主翼の付け根の切り込みのため、高速時には風圧で翼が曲がりフラップを上げた状態になります。考案のきっかけは練習中に主翼が図の様に破損し、そのまま投げたら好成績だったことだそうです。1973年、兄が大学生で弟が高校生のときです。
水平尾翼は室内機としての安定性を保って機体重量をぎりぎりまで切り詰めた結果。面白いことにこの機体は乱気流に強いのも特徴だそうです。設計者はその理由の第1に(縦の)慣性モーメントが小さいことを挙げています。慣性モーメントの小さい機体は気流の乱れに敏捷に対応して簡単には失速しないのです。




Cカットバルサは積層板 投稿者:松本@GPF 投稿日:2008年 2月 1日(金)23時02分47秒
編集済
バルサの幹の断面は何かで読みましたが図の様になっているそうです。


熱帯で育つバルサには通常の木の様な年輪はありません。その代わりに芯から外皮に向かって沢山の放射状の膜が発達しています。この膜は普通の木の年輪と直交する関係にあります。
次のの写真で幹の断面に相当する位置する面に沢山の水平線が見えます(鋸目ではありません)。この水平線が放射状の膜の断面と考えられます。

この水平線にそっと刃をいれブロックを裂くと

この様に見事なCカットの面が現れます。右寄り1/8ほどはカッターナイフの刃をむりやりさし込んだ部分で完全なCではありませんが、その左は目に合わせて(膜に沿って)裂けており完全なCカットです。
Cカットのシートは上の図の赤枠の様に芯から伸びる放射状の膜に沿って切り出した板ですから、実質的にこの膜の積層板と考えていい訳です。完全な積層板になるのはCカットだけですから、CカットがA・Bカットよりも剛性が大きいのも納得できます。
最初の写真で見えている幹の断面を含む面を木口(こぐち)と言う様ですが、バルサシートでも木口をみるとカットが判断できます。線が長手方向に走っているのがCカット、その逆がAカット、線が斜めに走っているのはBカットです。


Re: 大直径プロペラは有利?投稿者:松本@GPF 投稿日:2008年 2月 2日(土)08時04分10秒
編集済
>
No.212[元記事へ]
梶原正規さんしばらくです。
プロペラの効率についてはアプローチの違いから翼素理論と運動量理論がり、結論は当然のことですがどちらも同じだそうです。分かり易いのは運動量理論で今回の疑問にもある程度の答えを出してくれます。文献は例えば東昭:模型飛行機と凧の科学、電波実験社の94、95ページが参考になります。
プロペラが発生する推力はプロペラが後方に加速する空気に与える毎秒の運動量(運動量=質量*速度)に等しくなります。(ニュートンの運動方程式:質量*加速度=力の別の表現:運動量の変化率=力に相当します。)
これから得られる結論として機速V、プロペラによる空気の加速2vとすれば、プロペラの効率は
1/(1+(v/V))
になります。vはプロペラが後方に押し出す空気量に反比例するため、vはプロペラの回転円盤の面積に反比例します。
例えば直径21cmの場合のvが1m/secとすれば直径26cmの場合のvは
v26=(21*21/(26*26))*v21=0.652*0.5=0.652m/sec
機速V=5m/secとすれば
21cmプロペラの効率:1/(1+1/5)=0.833
26cmプロペラの効率:1/(1+0.652/5)=0.885
この計算ではどちらの効率も良過ぎですが効率差は約6パーセントです。必要な推力を正しく推定すればもっと正確な推定が可能でしょう。効率が60〜70パーセントになる様V、vを選んで比較するのも一案でしょう。
滞空時間を最大にするには上昇と同様滑空も重要です。大きい空転プロペラは滑空にはマイナスですが、私は平野さんが、この掲示板で発表した「A級LP用 300mm級 空転式プロペラ 投稿日:2007年 7月22日」組み立て式の空転プロペラに注目しています。あのプロペラで直径は保ち、ブレードの軸よりの部分を針金で置き換えれば、小さいvと低抵抗が同時に実現できそうです。


プラスチックネジ再 投稿者:松本@GPF 投稿日:2008年 2月12日(火)13時26分10秒
昨年、プラスチックネジの通信販売:
http://www.sgmto.jp/index.html
を紹介しましたが、昨日同じサイトをのぞいて見たら送料が大幅値上げ、それに料金前払いと言う考えてしまう販売条件になっていて注文を見合わせました。
知人から聞いていた西東京市富士3-9-13保谷部品(電話042-462-5018)に電話してみたら、直径2mm、長さ10mmの皿ネジが単価7円でばら売りも可でした。近々自転車で買いに行きます。皆さんの近所のネジ屋でも結構手に入るとおもいます。
手元の直径2mm、長さ8mmの皿ネジ20個の重さは0.60グラムですから1個で0.03グラムです。