航空会社のFFPケーススタディ


5.上級会員制度

 上級会員制度の意図

現在の航空会社の収益を支えているのは、CクラスやFクラスの利用客である。Yクラスは人数こそ多いが、単価が安いので利益率が低い。そのため、航空会社のFFPは、基本的にCクラスやFクラスの客の囲い込みを目的としている。そして一般的に、CクラスやFクラスの利用者は、航空会社の利用頻度が高い。そのため、年間ある程度以上のペースでマイルを貯めていくメンバーに対しては、航空会社はより高いサービスを提供している。これが、上級会員制度である。

 上級会員の種類

マイレージプラスの場合、メンバーは4種に分かれ、上級会員は3種類となっている。

名称 コード 必要年間実航マイル 上級会員ボーナス率
平会員 不明 なし(ただし、3年間マイル蓄積
がないと退会となることがある)
なし
プレミア会員 2P 25000マイル 25%
プレミア・エグゼクティブ会員 1P 50000マイル 100%
プレミア・エグゼクティブ1K会員 1K 100000マイル 100%
*必要年間実航マイルには、ボーナスマイルは除外、スター・アライアンス加盟航空会社でのフライトは加算。

 上級会員の特典

マイレージプラスの場合、上級会員の特典が多彩に用意されている。注目すべきは、2Pから1Pに上がると、上級会員ボーナス率が25%から一気に100%にアップする点。常にダブルボーナスを得られることになる。

また、上級会員たちからの情報(ニフティ・サーブの航空フォーラム)によると、アップグレードはとてもうれしい特典であるが、上級会員の中でも上から順に割り当てられるので、2P会員だとなかなか回ってこない。1K会員なら、Yクラスが満員でCクラスやFクラスに空きがありそうな便を狙うと、ほぼ100%アップグレードされる、とのこと。

種類 内容 備考
上級会員ボーナスマイル 実航マイルの25%〜100%を加算 会員レベルにより率が異なる
(ボーナス率は上記の表を参照)
優先予約 キャンセル待ちの場合、優先的に席が割り
当てられる(上級会員にだけ割り当てられ
る座席もある)
会員レベルが上ほど優遇される
優先チェックイン チェックインの際、YクラスでもCクラス
やFクラスのカウンター(空いている)で
チェックインできる
上級会員ならみな同じ扱い
ラウンジ利用 Yクラスでも、CクラスやFクラス利用者
のためのラウンジを利用できる
空港により若干ルールが異なる
優先搭乗 Yクラスでも、CクラスやFクラス利用者
と同様に優先搭乗できる
上級会員ならみな同じ扱い
ブロックシート 可能な場合、隣席を空席にしてくれる 会員レベルが上ほど優遇される
アップグレード 可能な場合、YクラスからCクラスへ、
CクラスからFクラスへ無償でアップ
グレードされる
会員レベルが上ほど優遇される

次の項目 −−− 6.注目すべきポイント

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