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文献に見るゴム動力ヘリコプター(06-07-17, -10-08)
文献1(1955年発行)によればゴム動力ヘリコプターが最初に飛んだのは1880年です。
単一ローターの場合、トルクを打ち消すための抵抗板が必要でそのロスは動力の5ないし10%とと指摘。
ザイク年鑑(文献7)にも何件かの記事がありますが、その中で一番詳しいのは1959−61のWm.
R. Bigge: Rubber Powered Helicopter、「シングルローターモデルは与えられたトルクに対して抵抗板の垂直位置を調整して安定化できる。抵抗板が低すぎればダイブし、高すぎれば振幅を増やしながら振動して墜落する(振動の発散)」と正確に指摘。フレキシブル翼も多分有効と指摘。広範囲のトルクに対して安定化するにはローターの翼端に重りを付ければいいとの指摘は興味深い。但し、広い面積の安定版は安定性を向上するとの指摘は正確さを欠く(ゴム動力ヘリコプター ―青空のクリオネ―設計の要点2参照)。
P/Dを5以上!にすると高速で高く上昇し、サーマルにも安全と。
Biggeさんの1200回巻きで8分6.2秒の大記録(1959年9月)を出した機体の図面が載っていて、その特徴は下部ローターが胴体中部にあることです。これは安定な抵抗板の位置に相当します(ゴム動力ヘリコプター ―青空のクリオネ―)参照。
文献8には後部ローターを備えた米国の模型の写真が出ていますPenniヘリコプターと呼ばれるものです。
米国AMAのルール集Competition Regulationsには現在でも屋外、室内のFFモデルヘリコプターの規定がありますが、現在の屋外の全国大会(Nats)の競技種目には見当たりません。
日本の模型雑誌などは未調査ですが、日本でも過去にはゴム動力ヘリコプターの競技が行われたそうで、萱場達郎さんから銀座の三越の吹き抜けで飛ばしたと聞きました。
昭和28年(1953年)執筆の文献9にもゴム動力ヘリコプターの記述があります。2ローターで静止側は方向安定の働きをするとし、Richard
Obarshiさんの室内機(滞空記録4分35秒)と萱場達郎さんのヘリコプター(滞空時間1分20秒)が紹介されています。「ゴム動力が停止した後は、空転させ、自由降下させるものもあるが、たいていは空転させずに、ヒラヒラ落下させるものが多い。」「ヘリコプターの安定は単に直上させるだけであっても、固定安定が悪く、よほどよく調整しないと、すりこぎ運動を起し、横振を初め、終りには、逆立ちをしてしまうことになる。」など興味深い。